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首都圏品薄、3つの壁 燃料不足・計画停電・まとめ買い

2011年3月19日12時31分

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写真:カップラーメンなどの入荷が少なく、スーパーの商品棚は開店直後でも空きが目立った=19日午前、東京都江東区、福留庸友撮影拡大カップラーメンなどの入荷が少なく、スーパーの商品棚は開店直後でも空きが目立った=19日午前、東京都江東区、福留庸友撮影

 東日本大震災の被害が比較的小さかった首都圏のスーパーやコンビニエンスストアでも、食品や日用品の品薄が長引いている。燃料不足と計画停電で物流が滞りがちのところに、一部の消費者による「まとめ買い」が起きたためだ。メーカーは増産を始めており、燃料不足が解消に向かえば、連休明け以降は徐々に回復すると期待されている。

 19日午前9時、東京都江東区のスーパー「たつみチェーン豊洲店」。開店直後にもかかわらず、米や乾麺、レトルト食品、乳製品が棚から消えていた。村松義康店長(52)は「入荷してもすぐに売り切れてしまう。しょうゆや塩など調味料も品薄だ」と話す。食材の仕入れに困った飲食店が、もやしなどの野菜をまとめ買いするケースもあるという。米は週明けに入荷する予定で、一部の商品については改善の動きも見えてきた。

 消費者のまとめ買いは、メーカーや小売店の予想を超えている。大手スーパー、イトーヨーカ堂の都内の店を17日に視察した蓮舫消費者担当相は「必要な量だけお買い求めを」と呼びかけた。この店では米は通常時の2倍、飲料水は4倍程度を店頭に出しているが、需要がそれぞれ10倍、26倍もあるという。

 都内にある小売り大手の本社では17日、役員が大手飲料メーカーの幹部に訴えた。

 「棚に品物が並んでいないから、消費者は不安になる。これではまとめ買いの風潮が消えない」。メーカー幹部は「被災者向けとして水5万ケースは政府におさえられている。ご理解いただきたい」。

 このメーカーの工場は被災し、生産能力は3分の1に。そこに小売業者から注文が殺到している。その数は震災前の3倍ほどだ。小売り大手の役員は「需給のバランスが一気に崩れた」と嘆く。

 食品・日用品メーカーは、被災しなかった工場で増産に乗り出している。それでも商品の補充が遅れているのは、燃料不足の影響が大きい。工場でつくってもトラックで運べなかったり、原材料を工場まで届けられなかったりするためだ。流通関係者には「商品はあるのに運べない」との声が目立つ。

 そこに計画停電が追い打ちをかけた。食品卸売り大手の菱食には、首都圏のスーパーやコンビニから、飲料水や即席めんなどの注文が通常の3〜5倍も集中。停電による交通網の乱れで定時に出勤できない従業員が出て、倉庫からの出荷作業が遅れているという。停電の対象地域の工場からは「予定通りの生産ができなくなる」(製パン会社)との声も漏れる。

 スーパーやコンビニが、在庫をなるべく持たない店づくりを進めたことも裏目に出た。売り場の隣に大量の在庫を置ける倉庫を構える店は減り、売れ筋商品に絞ってこまめに卸売業者やメーカーに発注する手法が広がる。コンビニでは弁当などを1日3回届けるのが一般的だ。商品がいったん入荷できなくなると、すぐに品不足が表面化する。

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