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枝野官房長官の会見全文〈19日午後4時過ぎ〉

2011年3月19日20時23分

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 枝野幸男官房長官の19日午後4時過ぎの記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭】

 原発事故の状況。引き続き、菅総理のイニシアチブの下、内閣官房、経済産業省、原子力安全・保安院、自衛隊、警察、消防、さらには東京電力が官民あげて事態の悪化を阻止し、収束に向かわせるべく全力をあげての取り組みが続いています。一歩一歩の改善が見られていますが、なお予断を許さない状況であると認識しております。

 1号機から3号機の原子炉については、海水注入によって一定の安定状況にありますが、引き続きこの冷却を継続するべく努めているところです。当面の課題は、各号機の使用済み燃料プールの冷却でございますが、これについては17日には自衛隊ヘリによる上空からの散水、機動隊、自衛隊による陸上からの注水、昨日も自衛隊、東電、そして東京消防庁、ハイパーレスキュー隊による地上からの注水を実施したところです。本日も東京消防庁による地上からの注水を実施することとし、さらにはここまでは3号機ですが、4号機についても自衛隊によるプールへの注水を検討、準備しているところです。

 途中段階でして、現時点で確定的なことは申しあげられないが、3号機、4号機の使用済み燃料プールには、一定の注水が、失礼、3号機の使用済みプールには一定の注水に成功したとみており、現時点では一定の安定状況にあるのではないか。しかしながら予断を持つことなく、引き続き3号機に対する注水、4号機への注水を安定的に行うことによって、これらの状況を改善の方向に向かわせるべく努力をしてまいります。

 さらには、より抜本的な解決に向けて、外部電力の復旧に向けた作業が一歩一歩進んでおります。この外部電力の復旧によって、各原子炉の状況のモニタリング、あるいは冷却についてのより安定的な状況を作るべく、努力を頂いているところです。さらには注水についても、より安定的にプールへの注水ができる手段を検討し、様々な装備などについて準備をいたしているという報告を受けております。

 もう一点、ホウレンソウ、牛乳についての報告です。福島県内で採取された牛乳、そして茨城県内で採取されたホウレンソウの検体から、食品衛生法上の暫定基準値を超える放射線量が検出をされたという報告がありました。一つは、昨日の17時半ごろ、福島県の原子力センター福島支所の緊急時モニタリングにおいて、一農場から採取された原乳から食品衛生法上の暫定規制値を超える数値が検出されました。本日、午前11時、茨城県環境放射線監視センターの検査で、ホウレンソウ6検体から食品衛生法上の暫定規制値を超える数値が検出されたとの情報がもたらされました。

 このため、厚生労働省において、本日未明、福島県に対し、また本日昼、茨城県に対し、関係情報を調査の上、食品衛生法に基づき、当該検体の入手先、同一ロットの流通先の調査、結果によっては販売の禁止など、食品衛生法に基づく必要な措置を講じるよう依頼をしたところです。国としては、福島第一原子力発電所災害との関連を想定しつつ、原子力災害特別措置法の枠組みの下で、さらなる調査を行って参ります。その上で、その調査結果の分析、評価をしっかりと行い、一定地域の摂取制限や出荷規制などの対応が必要であるかどうか、必要であるとすればどの範囲とするかなどについて、早急に検討を出してまいりたいと考えております。

 なお、今回検出された放射性物質濃度の牛乳を仮に日本人の平均摂取量で、一年間摂取し続けた場合の被曝(ひばく)線量はCTスキャン1回程度のものであり、ホウレンソウについても、日本人の年平均摂取量で一年間摂取したとして、CTスキャン1回分のさらに5分の1程度であるという報告を受けております。

 また、今回作りました暫定的な基準値というものでありますが、この暫定的基準値は、国際放射線防護委員会の勧告に基づき設定したものでございますが、当該物を一生、飲食し続けることを前提として、健康に人体に影響を及ぼす恐れのある数字として、設定をされた数字、これに基づいて、今回報告がなされ、より広範な調査、分析、評価を行う必要があるとしたものでございまして、ただちに皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではないということについては十分理解を頂き、冷静な対応をお願いをしたいと思います。

 今回こうした検体が検出されたことから、国としては、原子力災害対策本部の下にまずは厚生労働省におけるデータの集約と一元化の機能を担わせ、ここに文部科学省、厚生労働省、農林水産省、現地対策本部、関係自治体、民間団体などの様々なデータを集約、一元化し、これについて原子力災害対策本部として、原子力安全委員会の助言に基づいて、評価をし、そして対応が必要な場合には、それらを指示する、こういった枠組みを構築をしたところでございます。以上です。

 【農産品の放射線量問題】

 ――ホウレンソウと牛乳。出荷停止などの措置を決めるのはいつごろか。

 この間もいろいろなところでデータを取ってきていただいている。だからこそ、そのデータの中でこうした数値のものがあると判明した。さらにこのデータの観測そのものもさらに数を増やしていただき、集約もスピードアップをさせていくなかで、どういうデータが出てくるかによって判断は変わってくるので、たまたま特異な事情で今回の数値が出ているのか、あるいは広範な地域に同様の数値が出てきているのか。現時点ではそういった報告はないが、まさにこういったデータを収集するなかで、専門家の皆さんの助言を踏まえて対応が必要かどうかを決めていくということなので、当分の間はそうした態勢で必要性についてきちっと検証していくという状態になると思う。

 ――確定するまで数値は公表されないのか。

 詳細な地区と数字などについては厚労省から発表するよう指示する。

 ――基準自体に問題はないのか。これまで基準がなかったことも含め、どう考えるか。

 従来から原子力安全委員会では、こうしたことについての指標はまとめて出していただいていた。それは、国際的な基準に基づいて、そういった指針をお示しをしていた。今回は、こうした事故を踏まえて、まさに規制につながるような形で利用するということで、なおかつ、暫定的な指針として発表したことに基づいている。通常からいろいろな形の数値を確定的な基準として設定しておくべきであったというご批判は、私は一定程度そうした側面があると率直に思っているが、まさに国際的な基準に基づいて一定の数値が出たら、しっかりとモニタリングを強化して対応策に向けた作業を進めるということで今回も行っている。そのことによって国民の皆さんの健康被害を防ぐということについての影響はないと思っている。

 ――自治体が出荷停止など対応の実施主体とされており、やるかどうかや実施の範囲を委ねられている。今のやり方でいいのか。出荷停止になれば被害の責任をどう取るのか。東京電力や国の責任が問われるのでは。出荷停止や風評被害の補償についての考えは。

 だからこそ、原子力災害対策本部において厚労省によるデータ集約及び一元化を事実上指示して、厚労省で関係機関と連携のうえ、しっかりとしたサンプリングの実施そのもの、データの集約そのものについてシステマティックに進めていくことを構築したところ。これによってどういったサンプルについてモニタリングを行って、それをどういう手順で集約するのかを厚労省において構築していただく。

 これによって、もし出荷制限などの事態に陥った場合には、まずは国民の皆さんの健康を守るということがこの時点において、特に原子力発電所事故との絡みにおいても国として最優先で取り組まなければならない課題であると思っているので、その結果として、様々な影響を受ける皆さんの影響については、当然、事業主体である東京電力はもとより国においてもしっかりとした対応を行っていくことが前提になるかと思っているが、まずは現時点では健康被害をもたらさない、そのことをしっかり抑え込むことについて一切の予断をもたず、全力をあげるというのが政府としての立場だと思っている。

 ――全国でやるのか、自治体の判断に委ねるのか。補償は東電と国で責任をもつということでいいのか。

 一番目については、厚労省において必要な情報収集のための集約を行うようにしたので、具体的に全国でやる必要があるのか、どの地域でどういう品目を行うのか、これは専門的な知識に基づいて必要な範囲で厚労省において各機関に要請することになる。必要があれば原子力安全、原子力の今の体制のもとだから、必要があれば厚労省の資料に基づき総理から指示をすることも可能である体制だが、こうした事情だから各機関においても厚労省の求めに応じてシステマティックに情報を収集していただけるものと思っている。

 後者については、そうした将来的な問題があることは当然認識しているが、そういうことがあろうがなかろうが、いまは全力をあげてまずは健康被害を防ぐことに全力をあげていて、それ以外の要素について考慮のなかに入れる入れないという段階ではない。まずは、いかに健康被害を防ぐかということについて総力をあげる。当然のことながら、そのことによって生じたことについて、将来的に国としてしかるべき対応をとる、これまた当然のことだということ。

 ――大塚厚労副大臣によると、3、4品目あるということだが。

 現時点で具体的に基準値を超えたということでご報告を受けているのは、牛乳とホウレンソウ。その他の品目についても検査、モニタリングはしていただいているし、そうした情報は厚労省に入っているものと思うが、基準値を超えたものとして、ロットの廃棄などの措置などを厚労省から自治体に指示したものなどはその二つだという報告。もちろん、他の品目についてもしっかりとモニタリングを行わなければならないということは一緒だと思う。

 ――牛乳とホウレンソウは、福島原発からどのくらい離れた地点か。

 具体的な詳細については厚労省からきちっとした報告をさせていただきたいと思っているが、ホウレンソウについては茨城県。牛乳については30キロ強離れている地域だと聞いている。

 ――茨城はキロ数で言うと。

 正確でないと変な間違った数字を申し上げてはいけないと思うので、厚労省にはできるだけ早く、具体的なデータについてご説明をする場を設けるようにと指示しているので、そちらで正確な数字と場所について公表できると思っている。

 ――農家は種まきなどをしないといけない時期。早急に対応を示さないと農業経営が成り立たなくなる。

 今日の会見の最初で申し上げたように原子力発電所の状況は一歩一歩事態の収拾に向けて動き始めていると思っているが、いまなお予断を許さない状況。まずこの原子力発電所の事故をどうやって収拾に向かわせるのか、そのことがあらゆることの前提になっている。どの程度の期間、どの程度の量の放射性物質が外に出るのか。そのことによってすべて変わってくるので、そのことが大前提。これについて現時点では悪化はいまのところ防げていると見ているが、まさに予断を許さずにしっかりと収束の方向に向かわせる大きな一つのポイントを迎えていると思っている。

 さらに、この影響としてどの程度、例えば農産品などに影響が及んでいるのか、あるいは、今後及んでいる可能性があるのかということも、これまた無責任な立場からいろんな評価はできるが、しっかりとモニタリングに基づいて責任ある判断をしていかなければならないと思っているので、農家の関係者の皆さんには大変ご迷惑をおかけするが、現時点でどうなりそうだ、どういう時期にどういう見通しを出せるということを軽々に申し上げるべきではない。申し上げないことの方がむしろ誠実な対応ではないかと私は思っている。

 【原発事故への対応】

 ――放水について計画的にできるようになったということだが、具体的には。電源の回復のめどは。

 プールへの給水の作業だが、計画的にできるようになったというところまで申し上げなかったと思う。そうした段階に向かいつつあるということ。実際に、いろいろな消防庁、警察、自衛隊、米軍の車も使わせていただいた。様々な機器を使って注水を努力してきたが、より安定的に注水ができることの機材などについても手配の作業が進んでいる。

 こうしたことがもしうまくいけば、かなり安定的に注水ができるようになる。そうしたことの可能性、見通しが立ってきたという状況で、できるだけ早い段階に安定的に計画的に注水ができるという状況をつくりたい。そこに向けた具体的な作業が進んでいるという状況。

 それから、外部電力をしっかりと引いてくるということについては、かなりのところまで電力がきているという報告を受けているが、まさに個々の機材にどうつなぎ、それが実際に直ちに動くのかどうかはかなり慎重に一個一個のブツについてやっていかなければならないという状況。しかも、全体としては放射性濃度の高い地域のなかで、なおかつ現に電力がほとんど使用できない暗い所で、東京電力の作業員の皆さん努力をしていただいている状況なので、軽々にいつごろまでにということを申し上げるべきではない。ただ、相当な努力のなかで間違いなく一歩ずつ電力の復旧に向かっているととどめておきたいと思っている。

 ――電源が回復したら、すぐにプールの温度の冷却につながるか。

 これはまさに、電力が復旧すること、そのうえで様々な、これはただ一つの系統だけではなくて、様々な手法で冷却を安定化させる手法があるとは聞いている。しかし、そのどれが電力の供給で使えるのか、使えないのか、それは一歩一歩丁寧に安全確保しながら進めていくということでありますので、電力がつながることは大きな前進であるが、そのことでただちに全体状況が改善するとは思ってない。大きな一歩ではあるが、しかし一歩ずつ改善をしていくということのなかの一歩だと思っている。

 【農産品の放射線量問題その2】

 ――ホウレンソウと牛乳、風評被害防止の観点で。国際原子力機関(IAEA)以外の国際調査機関などから、仮にモニタリング調査の申し出があれば早期に受ける考えはあるか。

 この間、様々なデータは、そもそもデータそのものが十分ではないとのご批判はある意味当然だという風に思っているが、国民のみなさんにも国際機関にも隠すことなく公表する姿勢で政府はやっている。さらに、IAEAは直接モニタリングを行うことの作業の手順に入られたと聞いている。これは、どういったところがどういう風にできるのかというのを、しっかりと把握しながら、関係部局と、とくに国際機関と相談しなければならないのではないかと思うが、基本的にはいろんな方に、色々とモニタリングして頂き、それは国際社会の見方としても、あるいは私ども国民の立場からも、様々なたくさんのデータがあることは望ましいことだと思っている。

 ――文科省のモニタリング調査で原発から30キロ地点で1カ所だけ高濃度の地点があった。それと牛乳との整合性は。さらに、ホウレンソウは調査範囲外で検出。文科省のモニタリングの幅を広げる考えはあるか。

 文科省がとりまとめしている、いわゆる大気の放射線量の調査と、こうした農作物などについて今回厚労省が集約するということにしたが、両者は適切に連携・連動させなければならないという問題意識は持っている。これは繰り返し何度か申し上げているが、放出された放射性物質は、気候、特に風向きや降雨降雪の有無、それから地形によってどういった地域に影響を及ぼすかが大きく変わってくる。したがってそうしたことも踏まえながら、より広範な地域でしっかりとモニタリングを両者両面においてやっていくし、両者両面においてしっかりと連携、連動させていく。分析にあたってもそれが必要だと聞いている。

 現時点では、牛乳のサンプルについて、基準値を超えたものが出たところと、それから大気について放射線量の測定で高い数値が出ている地域については、関連性がありそう、相関関係がありそうだという風に聞いているので、特にそうした地域のモニタリングについてはさらに充実させるべく努力をしなければならないと思う。

 【原発事故への対応その2】

 ――ウォールストリート・ジャーナルで、今回の最大の不幸は東電が政府から指示されるまで海水注入決断をしなかったから、こんなにひどくなったのではないか、東電が土曜朝から決断していれば、問題はこんなに広がらなかったのではないか、という記事。こういう見方の受け止めは。

 ここまでのプロセスについては、もちろん全力をあげてやってきたというつもりでいるが、様々な立場から、様々なご意見、ご批判があるのは、私はある意味当然だろうと思っている。まだ、これまでの事象の検証を私ども自身がする状況ではない。まさに今の事態のこれ以上の悪化を防ぐ、現時点の現象に対し最善を尽くすということこそが、今私たちに課せられている役割だと思う。これまでの間の様々な事象について、様々なご意見などがあることは、これは率直に受け止め、そのなかで現時点の事象に対応する、あるいはここからの事象に対応するための参考になるべきものは、当然しっかりと参考にして参らねばならないと思うが、今の時点では、まずは現時点の状況に全力で総力で対応していく状況だと思っている。

 ――原発4号機の使用済み燃料棒プール。「水が残っている」日本側と、「破損しているから水をためるのは困難だ」とする米国。どちらの見解が正しいのか。

 私は専門家ではないので、私自身の見解はここでは意味がないことだ。そのうえで、我が国の専門家のみなさんが分析した認識と、米国の専門家のみなさんが分析している認識については、これは日々ディスカッションをしてすりあわせをしてきている。今言った米国の認識というのは、ある一定時間前の認識として、そうした認識があったということは聞いているが、時々刻々様々な状況についての情報がはいるなかで、4号機について「一定の水が入っていて、それによって冷却に一定の効果がなされている」ということについては、よりその可能性が高いという報告をこの間受けている。

 【谷垣総裁への入閣打診】

 ――一部報道で菅首相が谷垣総裁に連立打診したと。事実関係は。

 私は、そういう報告は総理から聞いていない。

 【原発事故への対応その3】

 ――冷却を安定的に注水できそうな機材とは何か。

 いろいろな可能性、あらゆる可能性を使って、あらゆるもの、可能性のあるものについて手配、準備を同時並行で進めている。まさにこうした状況なので、一つに決め打ちしてうまくいかないというのは許されない状況だ。なので、様々なプロセスのなかでこういったやり方でということが、ある意味確定的になった段階で説明すべきである。そうでない場合、いろんなものを今、同時並行的に、可能性を模索している、準備をしている状況だ。

 ――福島の避難者が県外宿泊を拒否される事例も出てきたが。

 まさにそういう事象が一部聞こえてきているのは間違いない。ぜひ多くのみなさんに認識を頂きたいが、私たちはこうした事象、原子力発電所の事故がなくても、これも何度も言っている通り、自然界にあっても放射線を一定程度受けている。あるいはCTスキャンを受けたり、X線写真を受けたり、こうした時にそうしたものとはケタがちょっと大きな放射線量を受けている。あるいは、それぞれの人間の体内にも、日常的に普段の状況でも放射線物質をだしているというか、こうしたことも専門家のみなさんから説明いただいている。

 したがって、今回の事象によって、全然放射性物質のないところに何か放射性物質が出ているということでは全くない。そのことを大前提として知っていただきたい。そうしたなかで、原子力発電所の周辺で作業頂いている自衛隊のみなさん、消防のみなさんは、ある程度の高いレベルのところで作業していただいている。こうしたみなさんについては、しっかりと個別に数値などを把握し、かつ防護服で防護いただき、作業に携わった、いわゆる除染といわれる作業、放射線物質を洗い流すなどの作業をしっかりしていただいている。そうした中にあるので、周辺地域に住んでいるみなさんについて、受け入れられることについては、基本的には全くリスクはない、と思っていただいていい状況だ。

 ぜひそうした風評に惑わされることなく、大変お困りになった状況のなかで苦労されているみなさんについての受け入れについては、ぜひ安心してお受け入れをお願いしたい。

 【首相発言の真意】

 ――笹森内閣特別顧問に対し、菅首相が「東日本がつぶれるかもしれない」と言ったとされる。事実関係は。この発言は何を意味するのか。

 そうしたことを言ったわけではないというように私は理解している。まさに現時点でも、今言ったような風評などで福島のみなさんは大変苦労されている方も一部いる。原発のこの事態がさらに悪化するということになれば、今大変苦労して、そして大変ご不便をかけるなかで燃料や食料や医薬品を、津波の被災地に届ける状況は、何もなくても大変困難な状況になっているし、原発の事態への対応のなかで、いわば両面作戦をとらざるを得ないということのなかで、両方に万全を期すべく最大限の努力をしている。

 さらに悪化することになれば、それに対する対応でさらにエネルギーを注いでいかねばならないということは一種当然のことだ。従って東日本の大変広範囲のみなさん、さらに大変なご不便をおかけすることになる。このことは間違いないということであって、そうした事態を避けるためにも、なんとか事態の悪化をこれ以上防ぐことに全力をあげて、少しでも安定的に改善の方向に向かうという状況をつくっていくことが、当該原発周辺にとどまらず、今回の地震・津波被害を受けている東日本の広範な地域にとって、必要なこと、重要なことであると認識している。そうした認識の発言だったと、直接ではないがうけたまわっている。

 ――風評ではない。笹森顧問がカメラの前で総理が言ったこととして紹介したことだ。中身を説明するか訂正するかしないと、政府が風評被害をまき散らしている。

 総理は、今のような思い、趣旨で言ったということだと、私は聞いている。その受け止めが、違った受け止めがあるとすれば、今私が言ったような意味で、今東日本は確かに、現状でも東日本全体が大変だ。これ以上悪化させたらそれこそ大変になる。そうした思い、趣旨で発言されたと受け止めてもらって結構だ。

 ――そうであるなら、笹森氏が訂正すべきだ。国民が非常に緊張した言葉だった。

 私自身、笹森氏の発言の前後の全体状況、あるいは笹森氏がどういう趣旨で言ったのかは、直接把握していないが、総理がそういうことについて、そういう形で伝えたんだと。若干そのことで、必要以上のご心配をかけた側面があるかもしれないが、政府あるいは総理としては、私が今言ったような趣旨で、このことは一貫して緊張感をもって、なおかつ全力をあげて原発の事象について総力をあげてやっているとの認識だ。総理もこうした趣旨を繰り返しいろんな場で言っていて、笹森氏にもそうした趣旨のことを言ったという風に聞いている。

 ――蓮舫行政刷新相や枝野官房長官も「関東で買い占めはよくない」と言うが、東日本がつぶれるという発言とは矛盾。国民は納得しない。どう説明するのか。

 この間、政府としてのこの原発に対する見解・認識については、総理が国民へのメッセージを発信される。そして私が官房長官の立場で国民のみなさんに、知りうる範囲をできるだけ正確にご説明してきている。必ずしも十分ではないかもしれないが、それぞれの直接のデータを把握しているところから、適切に、そして必要なものは全部隠すことなく公表するようにということで、政府として国民のみなさんにお伝えすべきことはしっかりとお伝えしてきているつもりだ。そのなかでは、もちろん今後の状況はしっかりと緊張感を持って注視をしなければいけないという状況ではあるが、例えば東京のみなさんがなにか買いだめをしないといけないような状況ではないと、繰り返し丁寧にご説明している。

 なので、政府としての公式の発表、私を軸に関係省庁がしっかりと今後も行っていく。それに基づいて対応して頂きたいと思う。そうしたなかでご心配あろうかと思うが、必要以上のストックを買うことの結果として、東北の被災地で困っているみなさんの支援に大きな影響を及ぼすことになるので、ぜひ多くの国民のみなさんのご理解をお願いしたい。

 ――枝野氏は買い置きしているのか。

 私自身は、自宅に帰っておりません。

 【民主党代表経験者会談】

 ――野党党首経験者と会談するよりも、むしろ自民党の総理経験者や阪神大震災の時の総理の村山富市さんと会談するなら意味があると思うが、単なるパフォーマンスととらえるむきもあるが。

 まさに様々な経験、知見をお持ちの方の意見、ご助言というものはこの間もなかなか時間もとれないので、直接ではない場面も含めてですね、私のところにも多々頂いているし、総理のところにも当然行っている。そうしたことの重要性と、それからもう一つ、ここは政治が与野党あるいは党内で、まさに国会あるいは政治をあげてこの事態に取り組まなければならない中で、野党の皆さんとも党内のしかるべき経験を積んでこられた方とも、しっかりと直接コミュニケーションをとって、そして意思の一致をしながら、前に進んでいくことは重要であると私は思います。

 まさに一致してこの事態にあたるんだということを確認をしながら、皆さんの知見についてもお聞かせ頂くことの重要性と、過去に行政経験がある、そうした皆さんの経験をお借りすることはどちらも重要なことだと思う。

 ――今後、総理経験者との会談予定は入っていないか。

 現時点で具体的なものがあるわけではない。しかしながら、すべてのものが同時並行でできるわけではない。原子力発電所の状況は、時々刻々と変化している。被災者支援についても、時々刻々状況は悪くなる。それを食い止めるために、日々時々刻々対応しなければならないという状況の中にある。

 そうした中でできるところが、様々な皆さんとお会いをするというようなことを総理がまさにいま、総理自身がリーダーシップをとって直接やらなければならない大きな二つの課題の危機に支障を及ぼさない範囲で、できることからやっていく、こういうことだと思う。

 【野党との連携】

 ――野党連携について、谷垣自民党だけでなく、ほかの野党との連立。政権の幅を広げる意味で自民党以外との連立の必要性はどう考えるか。

 そうした人事とかに絡むことについては、まさに総理の専権事項だし、総理のご判断に委ねている。私自身は総理の下で、具体的に各省庁の皆さん、政務三役、事務方含めて、そうした皆さんの仕事を全体調整して、しっかりと現場の事態に対応するということについて、官房長官として総理の下でお支えをしている立場だが、そこに全力、100%の力を注いでいる。今のようなことは、当然総理が内閣総理大臣として検討されるべきことだと思うが、それについては総理におまかせをしているというか、それについて私自身が関与せずに、全面的に現場対応の、官房長官としての役割に今徹しているところだ。

 【農産品の放射線量問題その3】

 ――ホウレンソウの関連だが、水は大丈夫か。

 厚生労働省のほうで完結する法体系になっていると報告を聞いている。厚生労働省で必要なモニターをされて、その対応が必要であれば対応されると思っているが、そうしたことがあった場合には、報告はしてほしいということは厚生労働省に言っている。

 【避難所の衛生環境】

 ――避難所で感染症の拡大も考えられる。発生した場合にはヘリでの隔離などは。

 まさに、いま避難所の皆さんにおかけしているご苦労の状況を考えた時には、様々な病気などについての可能性については、当然考慮の中に入っている。そうしたことも考慮しながら、被災者生活支援特別本部の方で、具体的な可能な最善の対応策をとるべく、対応を進めていただく状況だ。

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