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被災地から被災地へ、新燃岳の野菜で炊き出し 宮城

2011年3月20日19時54分

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写真:避難所の小学校であった炊き出し。みそ汁には新燃岳噴火の被災地の農家から届けられた野菜が使われた=宮城県石巻市、千葉写す拡大避難所の小学校であった炊き出し。みそ汁には新燃岳噴火の被災地の農家から届けられた野菜が使われた=宮城県石巻市、千葉写す

写真:避難所の教室で、炊き出しで出されたご飯とみそ汁を食べる(右から)松坂雄基さん、翔子さん、優菜ちゃん一家=宮城県石巻市、千葉写す拡大避難所の教室で、炊き出しで出されたご飯とみそ汁を食べる(右から)松坂雄基さん、翔子さん、優菜ちゃん一家=宮城県石巻市、千葉写す

 被災地から被災地へ――。宮城県石巻市の市立湊小学校で19日にあった炊き出しに使われたのは、宮崎、鹿児島県境の新燃岳(しんもえだけ)の火山灰にも負けずに生き残った野菜だった。市民団体が宮崎県の野菜を買い、宮城県の被災地に届けた。双方の被災者を支援する取り組みだ。

 「(みそ汁に入っている具の)野菜には、火山灰が降る中で生き残ったものがあります。被災地の皆様、本当に苦しいと思いますが、前向きに負けずに頑張って下さい」。約650人が避難する小学校の校庭。拡声機で宮崎の農家からのメッセージが読み上げられると、教室の窓を開けて聞いていた避難者から大きな拍手がわき、「ありがとう」の声が響いた。

 発案は、阪神大震災をきっかけに誕生した神戸市の「被災地NGO恊働センター」。1月から噴火を続ける新燃岳の被災地支援をしており、灰を落とせば食べられるのに廃棄される野菜を見てきた。宮崎県のまとめでは、噴火による火山灰で農作物の被害は3月上旬までに6億円近くにのぼっている。

 そこに東日本大震災が起きた。双方を支援する策として、寄付を集めて宮崎県小林市、高原町の農家から野菜を買い、避難所に送ることにした。12日に募金を始め、3日間で、約120人から93万円が集まった。この一部を使い、第1弾として段ボール13箱分の野菜を買った。

 野外調理技術を生かして炊き出しなどの被災地支援をするNPO法人「キャンパー」(埼玉県行田市)がこの活動を知り、輸送と調理の手伝いを申し出た。他に企業などからも寄贈を受け、当面1万5千食を用意した。

 キャンパーは、被災地の負担にならないよう、寝泊まりできるキャンピングカーを仕立て、ガソリンも用意。宮城県社会福祉協議会の要請を得た上で出発した。飯田芳幸代表(56)は「被災地の思いをつなぐ役割の一端を担えた」。

 小学校は1階が津波で浸水。地震後3日ほどはほとんど食べ物のない状態が続いた。温かいご飯とみそ汁を食べた阿部清和さん(58)、公枝さん(55)夫妻は、「食事はもちろん、宮崎の人の温かい気持ちがうれしい。メッセージを聞いた時は涙が流れた。感謝感謝です」と話した。(千葉雄高)

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