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被災者悩ます便秘 水分不足や心労、1週間出ない人も

2011年3月22日0時9分

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 東日本大震災の被災地で便秘に悩むお年寄りや女性が増えている。大地震があった11日以来1週間以上便が出なかった人も。慣れない避難所暮らしが影響しているようだ。

 「おばあちゃんが、おなかが苦しいというんです。診てやってもらえませんか」

 宮城県石巻市の高台にある避難所を訪れた石巻赤十字病院の医療チームに80歳の女性の家族が訴えた。もともと3日に1回だった大便が1週間以上出ないという。横になったまま起き上がれなかった。

 長野県医師会から派遣されたミサトピア小倉病院看護師の高山順一さん(37)が、女性のおなかを「の」の字にマッサージしながら、ビニール手袋を二重に着け、肛門(こうもん)に指を入れ便をかき出した。栓のようになっていた肛門付近の便が少しずつ動き出し、10〜15分後、たまっていた便が出てきたという。

 「スッとしました」と女性の表情が和らいだ。高山さんは「水をたくさん飲んで。できれば軽い運動も」と助言した。女性は震災で生活が乱された心労や、疲れが重なって便秘がひどくなったようだ。

 「言い出しにくく、最後の最後まで我慢してしまう。悩んでいる人は大勢いると思います」と高山さん。同行した工藤猛医師は、お年寄りや女性を中心に、避難所で暮らす人たちの半分が便秘に悩んでいるとみる。

 名古屋大准教授の葛谷雅文医師(老年科学)によると、避難所暮らしになって食事や排便の習慣が変わったり、水分や運動が不足したりすることが便秘の原因と考えられる。ストレスや、避難所での食事に野菜や果物などが不足しがちなことも関係する。3日以上出ないと、腹痛などの症状のほか、便が固く栓のようになって出にくくさせるので早めの手当てが必要だという。

 避難所暮らしの中で改善を図る方法もあるが、難しい場合もある。そのときは医師に診てもらい薬物療法になるが、「お年寄りには、心臓や腎臓の機能が弱っている人や、緑内障や前立腺肥大症のある人が多く、使ってはいけない薬もあるので注意が必要です」と言う。(熊井洋美、寺崎省子)

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