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枝野官房長官の会見全文〈22日午前11時〉

2011年3月22日13時32分

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 枝野幸男官房長官の22日午前11時過ぎの記者会見全文は次の通り。

 【冒頭】

 本日から被災者生活支援各府省連絡会議を開催することになった。被災者生活支援特別対策本部の活動を円滑かつ迅速に進めるため、被災者生活支援各府省連絡会議を開催することになった。政府部内の緊密な連携を図りながら、必要な情報の共有や取り組むべき課題の確認、フォローアップなどを行う。松本防災担当大臣を議長に片山総務大臣、仙谷(官房)副長官、平野内閣府副大臣、被災者生活支援特別対策本部の事務局長だが、この3人を副議長に、各府省の事務次官や今般の震災対策に関係する外局の長官が出席をして、当面、本日より1日おきに毎回正午から開催。私からは以上です。

 【放射性物質の検出】

 ――文部科学省の発表で、高濃度のセシウムが広範囲で検出された。これに対する評価と避難区域の拡大は。

 それはセシウム、定時降下物の情報でしょうか。これについては、最も高い数値が出てきたところについて、によっても、専門家の方々にその意味を分析をいただいたが、毎日、こうした降下物のある地域に立ち続けたとして、1カ月で120マイクロシーベルトの放射線を受ける。これは航空機でニューヨークを往復した場合に浴びる放射線量の半分強、6割程度ということだ。1年でも1.44ミリシーベルト。1年あたりの自然放射線による被曝(ひばく)線量の6割程度。1回のCT検査の5分の1程度という量で、しっかりと注視して観測をしていかなければならないものではあるが、こうした地域においても、もちろんすぐに健康に影響が出るというものではないし、将来、健康に影響を与えるということの影響を残すようなものではない。

 ――原発事故周辺の海から放射性物資が検出。漁業への影響、今後どう調査するのか。

 これもいわゆる基準値を超えているという報告と発表がなされているかと思うが、ここで定めている基準値というものは、海水は直接飲むものではないが、仮に直接平均的な摂取量で、その水を1年間飲用し続けたとしても影響が出ないというラインでつくられている基準なので、これによって直接人体に影響を及ぼすことはないということ。

 ただ、こうした状況が継続すれば何らかの影響が及ぶ可能性があるということで、これについては関連機関で海についてのモニタリングを強化するように指示した。

 ――魚介物への影響はどうか。

 現時点では、まだそれについて評価を下せる状況ではないということだが、今申しましたような基準の線を超えたという段階なので、できるだけ早くそうしたものへの調査と分析を進めたい。

 ――(出荷停止指示に踏み切った)農作物と同様の措置をとる可能性はあるか。

 こうした状況なので、あらゆる可能性は否定しないが、しかし、現段階でそうしたことが必要であるというような状況ではない。ただし、より広範にデータを集め、あるいはそれについての専門的な分析をしっかりと進めることが必要であるという段階。

 【原発事故】

 ――福島第一原発の3号機の煙はどうなったか。

 現場においてなかなか実際に中を見ることができない部分なので、原因を直接判断することはなかなか難しい状況。それについて鋭意調査、検討を現場でご努力いただくと同時に、原子炉の圧力など、放射線量、プールの状況などについて異常がないかしっかりと注視しながら原因などについての調査を進めていただいている段階だ。

 【放射性物質の検出その2】

 ――暫定基準値のあり方について。基準値を超えても人体に影響がないということだが、基準値に意味があるのかないのか。

 これは今回、事故が生じて、それに対しての対応が求められているが、こうした原子力を扱うことについては事故の現象などに気づかないなかで放射線などが外に出ていることがあってはならない。そうしたことが万一ないようにということで、一定の数値を超えたらきちっと調査を行うというような考えがベースになっている。

 そういう意味では、今回どこが原因であるかという蓋然性(がいぜんせい)がかなりはっきりしている状況から、そこでの状況を見ながら、人体への影響などについてもしっかりと監視、調査できる状況だが、逆にそうしたことがない状況の時でも放射線の量が大丈夫かということをしっかりとモニタリングをするということが従来から原子力政策においては必要であったと。その場合には何か起こっている可能性があるというようなことの数値を基準にして、そうした基準値を超えたらしっかりと調査を行うという線を引いておくことは重要なことだろうと思っている。

 ただし、それはまさに調査を行わなければならないということについての基準値を設けたわけで、そうしたものを超えているから、それについて鋭意調査すると同時に、念のため、例えばホウレンソウなどについての出荷を規制するなどの万全の策をとっているということ。そうした意味では基準値を超えているということで国民の皆さんには不安があろうかと思うが、繰り返しになるが、何もない状況のところでも、こうした数字が出たら念のため広範な調査、分析をしなければならない。そのための基準として一般的には、全部について網羅的に私把握しているわけではないが、いまいくつか出てきているものについては、そうしたことで考えられている非常に保守的な数字であるということはご理解いただきたい。

 【各府省連絡会議】

 ――設置の狙いは。なぜ事務次官なのか。

 被災者生活支援の具体的な実務、各省調整、各省に対する指示は被災者生活支援特別対策本部のもとで日々、時々刻々行っていく。そのことについて各省でしっかりと徹底して実施が行われているのか。あるいは各省からこの特別対策本部に情報提供がなされているのか。まさに被災者の皆さんにとっては、各省のなかで様々な情報や指示の目詰まりがあっては許されない状況。そうしたことから、各省の事務方のトップに対してしっかりと指示が下りているか、情報が集約されているかということを確認、連絡をとって、生活支援特別対策本部における調整と指示が万全の効果を生じさせるように趣旨が一番大きいと認識している。

 ――これまでの連絡態勢に問題があり、それを補完するために連絡会議を立ち上げたのか。

 これはいろんな地震の発生以来、段階、状況がある。まさに危機管理センターで、各省の局長級が集まっていただいている緊急召集チーム。さらには閣僚、私も含めて、その現場にもかなりの時間いた。そこでまさにただちに様々なことを指示し、行っていくというフェーズの段階から、生活支援のために各省間でしっかりと調整をして行っていくという段階へと変わってきているわけで、これについては、まさに指示を出す量とか調整すべき市町村の数なども、いわゆる初動段階のものとは大幅にレベルが違っているので、そうしたことについては指示などの徹底について強化をする必要があるという認識だ。

 ――民主党政権は事務次官会議を廃止した。再度立ち上げたのは、いままでの民主党の対応についてどう考えるか。

 従来の、かつての事務次官会議とはまったく性質の異なるもの。従来の事務次官会議はむしろ閣議でものを決める前の段階で各省調整をする場としての事務次官会議としての意味づけだった。今回は全く逆で、松本大臣、平野副大臣を軸に被災者生活支援特別対策本部でしっかりと各省調整を行う、指示を出すということを集権的に行って、ただ、そのことが各省徹底できているかどうかという一種事後的な徹底やフォローについて、各省の事務方をグリップしている事務次官に徹底を求めるということなので、位置づけられる場所が前と百八十度逆になっている。

 【放射性物質の検出その3】

 ――国際原子力機関(IAEA)の放射線測定チームが福島第一原発から20キロ付近の浪江町で毎時161マイクロシーベルトの放射線量を測定。

 具体的なそれぞれの地点ごとのマイクロシーベルトの数値については、そうした国際機関において調査、モニタリングしていただいたものを含めて、国際機関と日本の原子力安全・保安院、原子力安全委員会含めて情報共有したなかで分析をしているということだと認識している。

 ――日本政府がこの付近で測定しているよりも高い数値。日本政府のモニタリングの信用性については。

 その点なども含めて、近い地点でも天候や地形などによって違いがある場合もある。もちろん、それ以外の要因の場合もある。そういうことを含めて専門家のレベルできちっと情報をすり合わせをして、認識、ギャップのないように。この態勢はかなりきちっとできていると思っているので、ここは専門家のレベルのところで協議、ご相談、調整、つまりどういった認識をとるのが合理的な判断なのかということはしていただいていると思っている。

 ――現時点では退避範囲を拡大することはないのか。

 現時点ではそういうことが必要なモニタリングの分析になっているという報告は受けてない。

 【風評被害】

 ――政府が屋内退避を指示した30キロ圏の外側の自治体で、商店が閉まったり、風評被害で被災者の物資が枯渇している、対策はとるか。

 30キロ圏から少し出ている地域については、ひとつは、ぜひそういった地域に、今の時点でとどまって活動して頂くことが人体に影響を与えることがない状況にある。ぜひ関係者のみなさんには冷静に対処してもらいたい。同時に、これ20〜30キロの屋内退避地域も含め、現実的にモノが入らなくなっている。これ20〜30キロの屋内退避を決めた半日後ぐらいからそうしたことに対する政府としての支援、対応を順次進めてきている。

 ただ、津波などの被災地に対する支援と両面になっているので、当該地域のみなさんには大変ご不便をおかけしているが、現に20〜30キロ地域などにガソリンを届けるなどのオペレーションを実施したり、医療関係のところはしっかり把握している。特に病気の人については、放射線の問題とは別にできるだけしっかりした医療の受けられるところに移って頂くなどバックアップも進めている。こうしたことで、外からきちんとモノが一般のみなさんに入るように努力はさらに進めたい。

 ――20〜30キロでなく、60〜70キロの地域でそういうことが起こっている。

 それについて、今具体的な話はたまたま20〜30キロのところを言ったが、福島県いわき市はじめとして外の地域についても、今のような問題意識を持って、この間努力している。ただ現実に、まだ津波への対応と両面のなかで、十分な物資の輸送などが出来ていないことは大変申し訳なく思うが、これは政府としても、それから民間のみなさんに、個別にもしっかりと危険のないことについての状況を丁寧に各府省から関係業界に連絡、説明して、民間も含めてしっかりと物資が届くよう努力はこの間も進めているところだ。

 【米国への対応】

 ――CNNが「国防総省が、屋内退避地域からの横須賀海軍部隊の退避検討」と。政府から国防総省に説明しないのか。

 今のところ、そういう報告は受けていない。

 【被災物の処分】

 ――津波被害に遭った自動車の処分。市町村が保管した後に処分との方針、決まったのか。

 詳細は関連省庁間で調整して、地元自治体からのニーズ、要望に応じて対応する。ただ、政府の大きな方針として、様々なフェーズにおける、特に所有権についての法律はあるが、現実問題として、津波でがれきが散乱している状況のところ、少しでもまだ頑張ってがれきの下で救助を待っている人がいる可能性も含めて、あるいはそうした地域を復旧していくことに向けて、いずれにしてもできるだけ早い段階でそうしたものに対応していかないとならない。

 そのなかでは、現行法で許される最大の柔軟な措置を各自治体の要望を踏まえて対応するよう指示を下している。万が一、現行法で対応できないことがあれば、緊急的な立法も含めて考えるので、その場合にはきちんと官邸に報告をあげるようにという指示のもとで関係省庁で自治体との調整のなかで、今のような方向が出てきていると認識している。

 【計画停電】

 ――一部報道で、東電が「計画停電を冬まで続ける」と。

 今の電力の供給状況、そして今後火力発電所が復旧、復活を急いで頂いているなかで、震災前の従来の電力消費量と比べると、供給が必ずしも十分でない状況が当面続くのは政府も認識している。これに対しては、今は計画停電の運用をできるだけ改善することによって、国民の不便をできるだけ小さくする努力を、東電に対して、経産省資源エネルギー庁、そして電力需給対策本部の方に求めて対応してもらっているところ。

 こうした状況が、中長期に続くことが望ましいことではないなかで、どういったやり方でこの需要に対して供給量が足りないことをのりきるのか、特定の手段に限ることなく、幅広く今検討を東電にもさせているし、政府としてもしているところだ。

 ――民主党の岡田克也幹事長が総量規制の導入に触れているが。

 当面の緊急措置としての計画停電、大変ご不便をおかけしているが、やむをえない点があったと思うが、より違った方法でより生活に与える不便を小さくするやり方については予断をもたずに、あらゆることの検討を今いたさせている。

 【プロ野球開催】

 ――セ・パ両リーグの分離開催についてどう思うか。

 関係省庁に対し、電力供給量が需要に対して足りない状況のなか、計画停電などによる、地域を区切るにしても広範な停電という今の状況、できるだけ避けたいなかでそれぞれの関係業界に対しては節電への協力を政府としてお願いしている。東電もそれを個別にもお願いして、そのなかで鉄道事業者のご理解はじめとして、様々なところにご協力を頂いている。そうした個別のご協力のお願いのなかで、ある特定の業界というか、部分のことについて、直接政府としてコメントするのは避けるべきではないか。それぞれにご協力をお願いしているのが政府全体の立場だ。

 【石原慎太郎東京都知事】

 ――石原都知事の訪問。総理から原子力災害特措法に基づく消防庁への何かの指示、あるいは勧告なのか、事実上の要請の関係なのか。

 原災法では、内閣総理大臣は知事などに対する指示をすることが法律上認められている。出荷制限については、それぞれの県においての自粛の対応をして頂いてたが、その上にこの対策法に基づいて昨日、総理からの各知事への指示を出したところ。

 そうした法律的な背景はあるが、今回の東京消防庁はじめとして自治体消防のみなさん、あるいは広い意味での警察の警視庁などへは、こうした法律に基づいた指示ではなく、それぞれ状況をご理解頂いて、そうしたなかで持っている能力を広く国民のために生かして頂いた。危険のなかで大変無理をお願いして対応をとって頂いた。政府は、そうした対応をとって頂いた現場でご苦労頂いたみなさん、危険のなかでがんばって頂いたみなさん、そうしたことについてそれぞれの隊のなかでご理解頂いた、例えば東京都知事はじめ関係者のみなさんには大変感謝している。

 ――となると、原発への放水は原子力災害特措法に基づく指示を出したのではないのか。

 原災法に基づく指示があれば、それはきちんと発表しているので、そういった指示ではなくて各自治体に対してご協力をお願いしたということだ。

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