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枝野官房長官の会見全文〈22日午後4時半過ぎ〉

2011年3月22日20時26分

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 枝野幸男官房長官の22日午後4時半過ぎの記者会見全文は次の通り。

 【冒頭発言】

 人事案件について発表する。原子力発電所事故への対応等のため、総理に対して情報提供や助言を行っていただくため、本日付で東京工業大学原子炉工学研究所長の有冨正憲さん、東京工業大学原子炉工学研究所教授の斉藤正樹さん、両名を内閣官房参与に任命し、先ほど総理より辞令を交付した。お二人は原子炉工学の分野において優れて識見を有しておられることから、原発の安全対策に関して助言等を行っていただく。私からは以上です。

 【放射性物質の検出】

 ――文科省が実施した土壌モニタリングの結果で、原発から40キロ離れた地点の土壌から放射性ヨウ素が1キログラムあたり4万3千ベクレル。この数字の評価は。そのような土壌で育った農作物の安全性は。

 当該地域の空間の放射線量については、高い方で5マイクロシーベルト・パー・アワーということなので、当該地域におられる方について健康被害を及ぼすものではない。それから土壌の放射能濃度については現在、専門家の皆さんで分析をしていただいている。

 【原発事故】

 ――福島第一原発の3号機への放水作業と現在の危険性について。

 3号機については、ハイパーレスキュー隊の消防車による放水を今日の午後行っていただいている。終わったか終わらないかぐらいではないかと思う。それから4号機については、コンクリートポンプ車による放水の準備を午前中に整えて、午後状況を見ながら実施するという報告を受けている。現在、圧力、温度等について様々なモニタリングをし、放射線濃度についても様々なモニタリングをしている。

 当然、放射線濃度が一定の高い水準にあるので、しっかりとそれについてのモニターをしながら作業をしていただくことになるわけで、作業にあたっていただく皆さんには大変な状況のなかでご苦労いただくことだが、そうしたことをしっかりやりながら、できるだけ安全に配慮しながら作業を進めていただいているという状況。

 【風評被害】

 ――農林水産省によると、政府が出荷停止を指示した農産品以外で返品や売買契約の破棄が相次いでいる。風評被害に対する対応は。

 今回、出荷制限の指示を出したのは、大変保守的な基準値だが、それを超えたものについては市場に出回らないという措置を政府としてとらせていただいた。逆に言えば、市場に出ているものについては、そういったものの水準にすら達していない、リスクがないということ。

 そのことはいろいろな手段を通じて、関係者の皆さん、最終的には消費者の皆さんにご理解をいただくことだと思っているが、政府としては関係流通機関、及び消費者の皆さんにそうした事実というものをできるだけ周知をして、知っていただいて、不安なく口に入れていただけるように、不安なく流通に乗せていただけるように、さらに努力をしてまいらなければいけないと思っている。

 【放射性物質の検出その2】

 ――40キロ離れたところから4万3千ベクレル。そこで育った農作物の安全性については。

 農作物の放射線については、現にホウレンソウと原乳について一定のかなり保守的な基準値だが、それを超えたものについて出荷規制をしている。それからこの二つの品目に限らず、関係機関、都道府県に対して放射線の濃度の測定を強く求めて、それを厚労省で集約しているところで、現時点でこれについて、昨日の私の会見以降、新たに基準値を超えたものの報告は現時点ではない。また今日の集約がまとまれば、厚労省から発表があろうかと思っている。

 ――これからその土壌で育つ農作物へは一定の影響があるのではないか。

 まずは影響がどの程度あり得るのかということ自体を、専門家の皆さんにしていただいている。同時にそこで生育した作物についてのモニタリングは現に最大限やっているし、これをさらに強化し、今後も続けていくということ。従って、万が一にも影響がある場合には、しっかりとそうしたことをモニタリングのなかから拾って、対応をするべき態勢を整えているところ。

 【内閣官房参与】

 ――内閣官房参与はどういう役割を果たすことを期待しているのか。

 お二人とも、いわゆる原子力発電所についての、あるいは原子炉工学についての日本を代表する専門家であると伺っている。福島の原発の問題については、現時点はもとよりこれからかなり一定の期間にわたって、しっかりとした政府としての対応をとっていかなければならない。当然、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、政府の機関の、直接の機関の皆さんにもこれから頑張って力を発揮していただかなければならないが、まさに我が国の英知を結集するなかで、特に様々な数字やデータに基づいて、できるだけ迅速に様々な知見を提供していただくということで、対応に誤りのないようにご助言をいただくという役割を期待している。

 ――国の機関としては保安院や原子力安全委員会がある。当事者としては東電がある。あえてこういう方を置くのは、機関に対する信頼性に自信がないからか。

 今回の原発の事故に限らず、今回の地震、津波の災害を含めて我が国にとって、あるいは世界にとっても過去に経験したことがないような大きな国難を乗り越えていかなければならないという状況に私たちの国は置かれている。それに対応するにあたっては、国の総力を挙げて力を発揮をしていただくことが必要であると思っている。

 そうした意味では、もちろん東京電力、原子力安全委員会、それから原子力安全・保安院、それぞれ専門家がいて、この間最大限の努力をしてきていただいていると思っているが、さらに我が国には様々な分野にこれに関する専門的な知識や経験をお持ちの方がおられるわけだから、そういった方のお力を借りない方が私は不自然ではないかと思う。

 ――首相の強い希望として決まったのか。

 当然、内閣の参与、内閣官房の参与ですから、総理と私で相談して決めた。

 【復興庁】

 ――本日、民主党の安住国対委員長が首相と会談し、復興庁の設置を検討するように要請した。政府の考えは。

 これだけ甚大な被害が現にあるわけで、これに対しての被災者の支援が一番中心になっている段階であると思っているが、今後は当然、復旧、復興へということに政府は役割をしっかり果たしていかなければならないと思っている。それに対しては、名称とか組織の具体論は別としても、一つのまとまった機能を果たしていくシステムなり、組織なりというものは当然、考えていかなければならないと思っている。

 【燃料不足】

 ――ガソリンが現地で足りなくて、パトカーでさえ活動に支障をきたしている。タンクローリーを運転する人が現地に行きたがらないらしく、運転手不足の問題もあるようだが、政府として対策をとる考えは。

 何日前だったか、海江田経済産業大臣が経産省で被災地にガソリン等の燃料を送る、そのためのシステム、態勢を報告したと思う。それに基づいて、東北3県等にガソリン等の燃料を送るシステムは、一定の効果を上げていると報告を受けているが、残念ながらそれが広範な被災地のすべての部分に行き渡ってない部分があろうかと思う。これについては、生活支援の本部を作りましたので、そういったところに具体的な情報が寄せられれば、個別にも、どうしてそこに行っていないのかの調査・把握と、現にそこに送り届ける作業を進めてきているはずだし、再度それは徹底してまいりたい。

 【放射性物質の検出その3】

 すいません、先ほど私、ホウレンソウと原乳の2品目の出荷規制をしていると申しましたが、3品目、かき菜を含めて3品目、失礼しました。

 【復興庁その2】

 ――復興庁の関連で、民主党の09年衆院選マニフェストで、危機管理庁(仮称)の創設を盛りこんでいるが、検討する考えは。

 こうした事態への対応の仕組みを抜本的に見直したいという思いは、野党時代から持っていたが、残念ながらそうした仕組みを組み立てる前にこうした大きな災害になってしまった。もちろん、将来的には今回のことをしっかり検証した上で、緊急対応のシステムをさらに強化するということは、当然やっていくことだろうと思っているが、私はいまはまずは被災者の生活支援であり、復旧、復興であるということが中心の軸として進んでいくと。そうしたことが進んでいく中で、さらに強力な緊急対応の仕組み作りは出てくる話ではないかと思う。

 【補正予算】

 ――補正予算は避けられないが、いつまでに。

 必要に応じて、遅れることなく対応していかなければならないということを考えているが、具体的にいつの時点でということを申しあげるには、少し早いのではないかと思う。

 【原発事故その2】

 ――米国の原子力規制委員会が、福島第一原発について安定化する直前にあると評価したが、政府も同じ見解か。

 政府として、この事態をこれ以上悪化させないことのために、全力を挙げる立場が政府の立場と思っている。今の状況について、様々な皆さんが様々な評価をすることはあることだと思うが、私どもの立場は、楽観的なシナリオとか想定に立ってはいけないと。常に緊張感を持って対応していかなければならないと思っている。

 【風評被害その2】

 ――今日の参院予算委員会で、農水省の筒井副大臣が出荷制限の指示が出たホウレンソウ、原乳以外も、事故と因果関係があれば補償の対象になると発言。どの程度考えているのか。

 筒井副大臣の直接の答弁、前後のところまでまだ入ってきていないが、今回の事故と、それによる出荷規制、出荷規制を国の指示として行う以上は、当然のことながらそれによって生じるものについては、当然のことながら補償の対象になるということを今朝も申しあげた。それ以外については、色々な可能性は否定しないが、今の段階で確定的に申しあげるべきものではないと思っている。

 ――風評被害についても補償の対象になるのか。

 今朝から繰り返し申しあげているのは、国が国の権限をもって出荷を規制する指示をしている以上は、それについては補償するのは当然のことであるということを申しあげた。それ以外はあらゆる可能性があると思うが、現時点で予断を与えたり、予断を持ったりしているものではない。

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