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がれき撤去、特別立法も 所有権足かせ、復旧妨げ回避へ

2011年3月23日1時53分

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写真:歩道に残された車の撤去が始まった=22日午後、宮城県多賀城市、葛谷晋吾撮影拡大歩道に残された車の撤去が始まった=22日午後、宮城県多賀城市、葛谷晋吾撮影

 被災地で復興の第一歩となるがれき処理について、枝野幸男官房長官は22日の記者会見で「緊急的な立法も含めて考える」と語った。津波で流された家財や自動車にはそれぞれ所有権があり、勝手に処分すれば財産権の侵害になりかねない。復旧作業の遅れを避ける狙いから、枝野氏は特別立法に言及した。

 現地ではこの問題の厳しさが増している。宮城県の村井嘉浩知事は17日の県災害対策本部で「流された大量の家屋や車をどう処分するのか。やっかいなのは柱一本でも私有財産ということだ」とした。

 宮城県に常駐する内閣府の阿久津幸彦政務官は、対策本部で「明らかに財産的な価値がないと思われるものは自治体の判断で処分が可能」と踏み込んだ。ところが、県の担当者が政府に尋ねると、「内部で検討中」との返答にとどまった。江田五月法相は22日の記者会見で「泥にまみれた着物であっても、大切な遺品ということもある。仕分けが非常に難しい」と語った。

 膨大ながれき処理に、どこが責任を持つのかという問題もある。現行法では、がれきを含む一般廃棄物の処理は市町村に委ねられている。ただ宮城県沿岸部では南三陸町や女川町など役所自体が津波で失われ、行政機能を果たせないところが多い。

 地震によるがれき撤去は市町村が担い、その処理費に対する国などの補助は9割まであるが、多額の処理費は市町村にとって重荷だ。「国の支援なしに復興できません。どうか、よろしくお願いします」。村井知事は21日、被災地視察を取りやめた菅直人首相に電話で訴えた。

 被災地の要望を受けて、菅政権内では、がれき撤去に対する国の補助率を9割以上まで引き上げ、行政機能が損なわれた市町村には県が代行できる制度の特別立法の検討が始まった。

 政府の被災者生活支援特別対策本部事務局長を兼ねる平野達男・内閣府副大臣は「今ある法律の中でもやり得る」と語り、現行法を柔軟に運用するガイドラインも取りまとめている。首相に近い重要閣僚の一人も「がれき除去はすぐにでもやらなければいけない話だ。野党にも運用への協力を呼びかける」と話す。(高橋昌宏、一色涼、佐藤徳仁)

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