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枝野官房長官の会見全文〈23日午前11時〉

2011年3月23日13時49分

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 枝野幸男官房長官の23日午前11時の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭】

 野菜、それから原乳(搾りたての牛の乳)についての原子力災害特別措置法に基づく、総理大臣からの指示について報告する。本日、原子力災害特措法20条3項に基づき、内閣総理大臣から福島県知事に対し、一部食品の出荷制限、および摂取制限を指示した。

 具体的には非結球性葉菜類、ホウレンソウ、小松菜などの束にならない形の広がっている形の葉っぱもの。それから結球性葉菜類、キャベツなどの丸く固まった形、球を結ぶ形の野菜類。およびアブラナ科の花蕾類、ブロッコリーやカリフラワーなど、およびカブについて、当分の間出荷を差し控えるよう指示した。そして、ただいまの所からカブを除いた非結球性葉菜類、ホウレンソウ、小松菜など、結球性葉菜類、キャベツなど。そしてアブラナ科の花蕾類、ブロッコリーやカリフラワーなどについて、茨城県(ママ)に対し、当分の間摂取を差し控えるよう指示した。

 これらの指示は、現時点で一時的にこうしたものが食用に供されたとしても健康に害を与えるようなものではない。しかしながら、こうした状況が今後、長期にわたって継続をすることが残念ながら想定される中で、念のために、早い段階から出荷を差し控えてもらい、かつ、できるだけ摂取しない方が望ましい、こういった趣旨で、今回、出荷制限および摂取制限を指示したものだ。

 先ほど申し上げた様々な野菜類のデータは厚労省から報告されているはずだが、最大値を示した野菜を約10日間にわたって食べていたと仮定しても、1年間の自然放射線量のほぼ2分の1にとどまるもので、直ちに健康被害が出ないことはもとより、将来にわたって健康に影響を与えるような放射線量を受けることにはならない。ただ、こうした状況が今後も継続することが想定されることから、いまの段階でできるだけ摂取しないことが望ましい。そして、出荷を差し控えるよう指示した。

 なお、福島県については全農系列はすべての露地野菜について、3月21日以降、出荷を自粛をしていた。ただし、全農系列以外では出荷していた可能性があるが、ホウレンソウ、かき菜以外のものについて、出荷をしていた可能性があるが、万が一食用に供されていたとしても、人体には影響は及びませんのでそこはご安心をいただきたい。今後も様々なモニタリングを強化し、それに基づき、出荷制限、摂取制限についての範囲、対象についてはその都度指示していく見通しだ。

 また、これらの出荷制限の実効性を担保し、消費者の食の安全を確保するため、出荷制限の対象となったものについては適切な補償が行われるよう万全を期していく。

 なお、茨城県については、21日にホウレンソウ、かき菜について出荷制限の指示を出したが、本日、これに加え、原乳、パセリについて当分の間、出荷を差し控えるよう原子力災害対策本部長である内閣総理大臣から茨城県知事に対して指示をした。これについても、もし食に供されていた場合であっても、そのことによって健康に害を及ぼすものではないが、こうしたものが一定期間続くことが予想される状況の中で念のため早い段階でこうした指示をしている。以上だ。

 【摂取制限・出荷停止】

 ――摂取制限の理由。出荷停止の指示の際は、ただちに健康に影響を及ぼすものではないと言っていた。変わったのは、後に影響が出てくるということか。見解が変わったのか。

 いいえ。いま、もし食に供されていたとしても、直ちに何かの影響が出ないことはもとより、将来にわたって健康に害を及ぼす数値の摂取がなされるということは想定されていない。しかしながら、出荷制限の時点よりも、より大きな数字が出てきている。どの程度の量をとった段階で、そうしたリスクが生じるかについての可能性がより高くなっているわけであり、出荷にとどまらず、摂取についても念のため、今から差し控えて頂くことが望ましいということであり、いずれにしても食に供しても、健康に影響を現時点で及ぼす数値になってないが、将来に備えて、早い段階でということの意義が出荷と摂取では違っている。

 ――出荷停止だけの品目と摂取制限も出ている品目との差は、すでにタイムラグで出荷されているものがあるからという理由ではなく、あくまでも放射性物質の濃度、そういったものの違いによる差か。

 そう理解いただいて結構だ。

 ――制限がかかる品目は、モニタリングで検出された品目ではなく、もっと広い品目ということか。

 そうした意味では、これは詳細は非結球性葉菜類、ホウレンソウや小松菜など実を結んでいない葉っぱ類、かなりいろいろなものがあって、そのすべてについて数字が出ているわけではないが、しかしながらこうした種類のものについては、全体的に同じような状況が合理的に想定されるということで、こうした種類のものを全体について出荷制限をかけたということだ。

 ――「等」でほかの野菜も含まれていると思うが、いま確認している野菜で紹介できるものは。

 実際には栽培されていないものを含めて、かなり詳細にわたるので、農林水産省で正確に報告する。

 ――全農系列以外で出荷している可能性があるという話だったが、確認している中で市場に出回っているものがあるのか。

 いや、これは可能性があるということにとどまるもので、出ているものがあるということではない。可能性がある、つまり全農系列については、組織的にしっかりと出荷自粛が行き渡っていた、逆にそのことを認識して頂ければと。それ以外は、可能性があることは否定しない。

 ――調べてみて、もしもあれば、回収するなどの措置をとるのか。

 現時点ではそうしたものがないかどうか、できるだけ事実関係を追いかけたい状況だ。

 ――総理から知事への指示は、強制力のない要請にとどまるのか。

 現行法ではそうした制度になっている。

 ――勧告したにもかかわらず出荷されることが想定されるのか。

 これについては、県知事からの、正確に言うと法律的に言うと要請になるんでしょうか、県知事のほうで対応がなされれば、現実的には市場に出回る可能性はないと聞いている。

 【海産物調査】

 ――海産物のモニタリング調査は。

 モニタリングをさらに強化する。最大限のモニタリングを進めるようにということは指示している。

 【摂取制限・出荷停止その2】

 ――米国の食品医薬品局が、福島、茨城、栃木、群馬の各県で生産された乳製品や野菜について、検査なしで水際でとどめる措置をすると。過剰な反応にも思えるが、この米国の対応についてどう考えるか。

 正確に米国当局がどういう措置を取ったかいま確認している。一定の対応をするという報告は受けているが、その内容はかなり詳細、具体的に把握しなければいけない。ただ、一定の品目については我が国としても出荷などを控えていただくべきものが含まれている、これは間違いない。ただ、データ、事実に基づいて、それは必要な範囲にとどめて頂き、あるいは念のためのチェックというモニタリングを強化する範囲にとどめて頂くのが合理的であろうと思っているが、まずは事実関係を把握したい。

 ――米国政府に申し入れをするなど対応は取るのか。

 これは食品の安全基準については我が国は一般論として、こうした放射能に限らず、他の国に比べて大変厳しい食品安全基準をとっていて、それが従来は一種の関税障壁ではないかというご批判も一部からあったように、一義的にはそれぞれの各国の主権と判断に基づく範囲のものだろうと思っているが、我が国としては事実関係をしっかりと各国にご説明申し上げて、そうしたことのなかで合理的な対応をとっていただきたいということは求めてまいりたい。

 【海外広報】

 ――対外広報に力を入れ始めた。その理由と成果は。医薬品局の話は、ちゃんと行き届いていないということでは。

 特に原子力の事象が生じて、国際的にも関心が大変強いということで、従来の態勢に加えて、私自身の会見も同時通訳をしていただく仕組みが1週間ほど前から確か入っているかと思っているが、さらに丁寧に、従来から外務省中心に官邸から発表、あるいは各関連省庁からの発表を外国のプレス、それから外国の在京大使館、あるいは在外の日本大使館を通じて、できるだけ周知を徹底するような態勢は強化し続けている。

 若干、外国の、特にプレスを中心として過剰ではないかと思われるような反応も見受けられたが、こうしたプロセスの中でかなり認識を共有してきていただけているのではないかと思っている。ただ、そうしたなかで様々な新しい事象、我が国としての措置を各国に対して、報道というよりも広報というよりも、政府間、在京大使館や在外大使館の日本大使館を通じての各国政府に対する丁寧な説明はさらに強化していかなければいけないと思っている。

 【放射性物質の拡散予測】

 ――文部科学省が放射性物質の拡散予測を調査しているが、公表できないと言っている。この対応は妥当か。

 文科省の話は私のところでは正確にどこでどういうことをおっしゃっているのかよく分からないが、いわゆる放射線量についての拡散の予測についてのシステムは、原子力安全委員会などにおいて、そうした能力をもったコンピューターシステムをもっている。この間も何とか使えないかということは指示してきたが、今回の事象の場合、原子力発電所で出ている放射線の量や放射性物質の種類などがまさに分からないことが、実はこの問題の一番難しいところで、ある場所からどのくらい出ているから気象状況とあわせてどう拡散するかというのを予測するシステムなので、なかなか今回の事象には使えないというのが一つ。

 逆に、いま、モニタリングで各地の放射線量の数値が出ているので、その数値と気象状況をインプットすることで逆に放射線がどのくらい原発から出ているのかの逆算ができないかを指示したが、これもなかなか放射線モニターがもっと広範に、メッシュのようにかけられれば別だが、なかなかこれも大変幅があるものしか出てこないということで、残念ながら、スピーディーと称するようだが、放射線量がどう広がるかという予測システムが今回の事象には使えないという報告は受けている。

 【風評被害】

 ――スーパーなどで茨城県産や福島県産の野菜が対象品でないものが売れない状況が増えている。現状をどう見るか。会見で健康に影響ないと呼びかけても消費者が野菜から離れている。このギャップについてどう思うか。

 (ここで、秘書官からペーパーが入る)

 念のため繰り返すが、県名と対象が若干混乱して申し上げた部分があったようなので。繰り返し申し上げると、福島県についてホウレンソウ、小松菜などの非結球性葉菜類、キャベツなどの結球性葉菜類及びブロッコリーなどのアブラナ科の花蕾類、及びカブについて出荷の規制。いまのところからカブを除いたものの摂取規制の指示をさせていただいた。茨城県については従来出荷規制をかけているホウレンソウ、かき菜に加えて原乳及びパセリについての出荷規制を加えた。これが正確なところ。

 そのうえで、今回、出荷規制あるいは摂取規制をしているのは、いまそうしたものを食に供したとしても直ちにも影響でないし、将来にわたっても影響が出ないという範囲の数値が観測されているが、しかしながら、まさに消費者の皆さんの不安というものもあるだろう。それから、こうした状態が今後継続することにも備えて、まさに念のために出荷規制や摂取規制の指示を出したところ。それ以外の農作物については、これらの地域の産出のものについても一定のモニタリングがなされていて、こうした措置すら必要な数字が出てきてないので、ますます健康への影響はないという客観的な情報、データを正確に迅速に提供しているので、まずはそれをしっかりと受け止めていただきたいと思っている。

 まさに、風評被害をできるだけ小さくしたい。従って逆に健康に影響が出るような数値でなくても、かなり安全に幅をもったところで念のための措置を必要なものについてはとっているので、それ以外のところについては、さらに安全な範囲であるということを十分ご理解いただくようさらに努力をしたい。

 ――ギャップをどう埋めるのか。周知徹底するための考えは。

 正直申し上げて、この放射線量やそれが人体に与える影響については十分に周知、認識されていなかった。そうしたことのなかで、目に見えないものだから、多くの国民の皆さんがより慎重に物事を受け止められるのは、ある意味で必然的なことだろうと思っている。それだけに、まさにどういったことが危険であって、どういった状況なら危険でないのかという基本のところから繰り返し丁寧にご説明を申し上げて、理解、認識を広めていくことが重要ではないかと思っていて、そうした意味で、念のため繰り返すと、私どもが普段、原発の事故などがなくても日常生活をしても、放射線は一定程度必ず受けている。それから、様々なものには放射線を出す構造になっているので、あらゆる食べ物に普段から放射性物質はあるということが大前提になっている。

 それが、今回の事故を受けて、その数値が高まっている。では、その高まっているレベルがどの程度かについては、例えばCTスキャンの1回受けるのと比べてどうなのかとか、そういったことでできるだけ分かりやすく、この間お伝えしてきているつもりだが、こうしたことなかなか周知が徹底されるには一定の時間がかかろうかと思うが、ここは粘り強く繰り返しご説明を申し上げていきたいと思っている。

 【健康被害】

 ――事故後の放射線量の蓄積だが、ただちに人体に影響ないとしているが、今後は人体に影響するのではないか。

 さまざまな地点で大気中で浴びる放射線量のモニタリングと食べ物、飲み物を通じてということでモニタリングをしている。そうしたことについて、この間の蓄積というか累積も含めて、専門家の皆さんに分析してもらった中で、いまのような例えば退避圏についての距離を出している。そこからこえた地域における数字の蓄積においても、さらに分かりやすく安全性についての説明をするように原子力安全委員会などの専門家の皆さんに分かりやすい説明の仕方を指示したい。

 ――放射線の影響を受けやすい妊産婦や乳幼児に対しての避難指示を弾力的にする考えはないか。

 その必要があれば当然、考慮、検討しなければいけない。ただ現時点でそういう段階に達していない。

 【摂取制限・出荷停止その3】

 ――出荷制限の地域の果物や家畜などは、今後調査すれば新たに制限する品目が増えるのか、おおむね終わっているのか

 ある程度すべて完全に網羅ではない。例えば、産出量の小さな産品とかある。だが、かなりいろいろ分野についての算定はして、それは厚労省から出ている。むしろ調査の対象というよりも、これは残念ながらいま、放射性物質は一定程度、原発から出てきており、こうしたものが空気中にあるものが地上に落ちてくるといういまプロセスの中にある。これから一定期間の間は数値が高まってくる可能性はある。ですから、そういったものをモニタリングして一定の水準に達した場合には必要な措置をとると。現時点ではそういったものは他の品目については見受けられないので今回指定した範囲について指示したということだ。

 【原発事故の復旧】

 ――福島第一原子力発電所の復旧と、長期的な原子力の安全性についてどう考えているか。

 今の段階は、まずは、福島の事故の被害、影響というものをこれ以上悪化させずに収束させるべく、全力をあげて取り組んでいるところだ。当然のことながら、それがうまくいった場合には今後のあり方について抜本的な検証は必要だが、まずはあらゆる関連する知識、経験、能力をこの事態の収拾に向けている状況だ。

 【海産物調査その2】

 ――海産物のモニタリングはいつごろやるのか、規模はどれぐらいか、数値に異常出た場合はどういう対応とるのか。

 これは農水省を中心に、一番効果的なモニタリングができるやり方をいま、組み立てて、できるところから現に進めていると認識している。

 【損害賠償】

 ――原発周辺住民の損害賠償についてはどう考えているか。

 まだそういったところの具体的な計算をしていないし、そういった段階ではない。農作物の出荷制限も含め、退避している皆さんについては、まずは現行法に基づく適切な対応をとることはもとよりだが、全体の中で最大限の配慮をしなければならないということをいま当事者に向けて申し上げたいが、具体的なことについては今後まずは状況が落ち着くこと、事態を収拾させることがまず第一だ。

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