2011年3月24日15時11分
国の基準を超える放射性ヨウ素が一時、検出された東京都の金町浄水場について、都が同浄水場の給水範囲を縮小する検討を始めた。浄水場での放射性物質の監視も強化している。
都水道局によると、金町浄水場から給水しているのは東京23区と武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市。だが、対象地域の多くは金町浄水場以外の浄水場からの水を混ぜて給水している。このため、都は金町浄水場からの給水割合が少ない地域への給水を止め、放射性物質の影響範囲を狭めたい考えだ。
都によると、金町浄水場は利根川水系の江戸川から取水し、主に都の東部の区に給水。三鷹、町田、多摩、稲城の4市では、金町浄水場からの割合は1割程度だ。武蔵野市は7割が地下水で、金町浄水場からの割合は4市より少ないという。
ただ、水の割合は常に一定ではない。都は、震災後の計画停電の給水への影響を考え、給水範囲を通常とは変更していたという。
都は、金町浄水場のほか、荒川から取水する朝霞浄水場、多摩川から取水する小作浄水場の水道水でも放射性物質の測定を行っているが、規制値を超える放射性物質は検出されていない。(塩原賢、上沢博之)