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枝野官房長官の会見全文〈24日午前11時〉

2011年3月24日13時25分

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 枝野幸男官房長官の24日午前11時過ぎからの記者会見の内容は次の通り。

 【水道からの放射性物質】

 ――東京都で乳児向けの水の配布が始まっている。都は国に対し増産をお願いすることを検討しているようだが。

 「今回の水の、乳児向けにはできるだけ使わないようにという対応を含めて、できるだけ長期にわたってそうした数値のものを摂取しても健康に影響の出ることのない、非常にレベルの低い段階での数値に基づいて、様々な措置をお願いをしている。従って、今回の東京都の場合、乳児については、そうしたことを考慮して、非常に念には念を入れた安全基準に基づいて、乳児が摂取することをお控え頂きたいということをお願いした」

 「それ以外の皆さんについては、まったくといっていいほど影響を及ぼす可能性はない。ぜひ、乳児を抱えている皆さん以外は、冷静な対応をお願いしたいが、同時に現実的に乳児を抱えている皆さんに影響を及ぼすことがないように、東京都においても万全の措置を取ってもらっているが、国としてもペットボトル飲料についての増産とそれについての適切な供給を関連部局に指示したい」

 ――メーカーには供給を増やすのは難しいという声もある。どう対応するか。国外に供給を求めることは。

 「可能性としてはあらゆる可能性を踏まえて検討を進めている。繰り返し申しあげるが、今回、これは水に限らず、様々な基準値は長期にわたって摂取をし続けた場合に備えて、様々な基準値を設け、それに基づいて対応をお願いしている。水について言えば、東京都でいま出ている数値は、乳児以外はそうした数値も下回っている状況で、ぜひ冷静な対応をお願いしたいし、どういう数値に基づいているのかについては、引き続き繰り返し丁寧な説明を心がけていきたい」

 【原発事故】

 ――NHKの映像を見ると、福島第一原子力発電所のあちこちの原子炉から煙が出ているようだが現状は。昨日、原子力安全委員会の斑目委員長が1号機についてかなり溶融が進んでいて、最も危険な状況であるとコメント。この辺りの認識は。

 「煙が出ていることについては、燃料プールが水が入って、そこが冷却されている中で、一定の水蒸気が外に出ているのは、これは当然あることだ。同時に、あらゆる可能性について、考慮しながら慎重に見極め、分析を現場においてしている状況だ。それから、斑目委員長の昨日の発言は、報道等では大変楽観的な報道もなされているようだが、繰り返し申しあげている通り、今の時点でこれ以上の悪化を食い止める状況を数日間続け、なおかつその間に改善に向けた、例えば電子系統、整備等の努力をしてもらっているが、決して予断を許す状況ではない、緊張感をもってそれぞれについて対応している状況だ」

 「そうした中で、昨日、1号機の炉の温度が上昇するという事象があり、冷却をさらに強力に進めることによって、温度は低下しているが、その分、圧力は高まっている。ただちに何かが起こるという状況ではなくて、冷却をしっかりと進めながら、圧力をいかに減らしていくかということで対応して頂いており、そういった意味で相対的には1号機について、さらに努力と注視が必要であるいう認識なんだろうという報告を受けている」

 ――1号機について、炉心の損傷と、圧力容器そのものの損傷、あるいはこれから損傷する危険性についての認識は。

 「現時点で圧力容器に損傷が出ているということではないというふうに報告を受けている。ただ、原子炉の状況は冷却とそれからそれによって温度を下げることと圧力と、これは順次、例えば温度についてのモニターがいろんなやり方である程度できつつある中で、そうした数値を専門家に、1号炉に限らず、注視をし続けて、慎重に対応しなきゃならないということでは、従来から変わっていない。そうした状況を引き続き、緊張感をもって進めている」

 【首相と原子力安全委員会委員長の面会】

 ――先ほど、首相のところに斑目委員長と海江田経済産業大臣が入っていたが、首相からどのような話が。

 「今朝までの様々な状況の報告と確認がなされた。その上で、原子力安全委員会が政府に対して、様々な安全性について助言し、場合によっては勧告をする意味で、大変大きな役割を担って頂いているわけで、一つには原子力発電所についての安全性、そのリスク管理についての勧告、助言、この間も斑目委員長中心に進めてきて頂いているが、さらに水道の水とか、野菜等への放射線による影響が広がっている状況の中で、原子力安全委員会において、委員の皆さんはもとより、事務局含めて、より万全な態勢でこうしたことについての対応ができるように、官邸としても様々なバックアップをするので、さらに強力に進めてほしい、こういった趣旨の指示が原子力安全委員会に対してなされている」

 ――首相が経産省原子力安全・保安院に適切な助言するように斑目委員長に指示したとのことだが、意図は。

 「この間も、原子炉そのものの保安を担当する経産省の原子力安全・保安院と、それから安全について政府に助言・勧告する安全委の両方の専門的な知見に基づいて、原子力発電所の方の対応、それからそこから出ている放射能による社会的な影響について対応してきている。残念ながらいま、水であるとか野菜をはじめとして、その影響が広がりを見せているなかで、そうしたことに対しても、しっかりと安全委、さらにしっかりと役割を果たしてほしいと。同時に原子力発電所そのものおよびその周辺の安全確保についても、しっかりとやってほしい。そういったことのなかで、さらに安全委と保安院との連携を強化して欲しいと。そういう趣旨での発言はあった」

 【原子力安全・保安院、原子力安全委員会の対応】

――この間の保安院と安全委の連携、役割分担は十分だったと思うか。

 「それについては、全力をあげて取り組んできているつもりだが、これさまざまなご意見があるんだろうと思う。しかしながら、今後特に安全委が様々な周辺への影響について役割、業務が大きくなっている状況を踏まえて、そうしたなかでも保安院との連携をしっかりしてほしいと、こういう趣旨でおっしゃったと認識している」

 【知事選告示】

 ――今日から12都道府県で知事選告示。今回の争点は何か。

 「それは、それぞれのみなさんが考えるだろう。いま私の立場は、もちろん国会議員のひとりとしてまったく無関係ではないが、統一選についてはそれぞれ党の側なり、あるいはそれぞれの地域において行って頂く。官房長官という立場では、災害対応と原子力対応のことに全力を挙げているので、まさにそれぞれの担当のみなさんのところで考えていると思う」

 ――民主党は首都東京で知事選の候補者を擁立できなかったが。

 「党の方におたずねいただきたい」

 【放射線モニタリング】

 ――現状の排水モニタリングで、異常はほかに出たか。今後のモニタリングの進め方は。

 「少なくとも、この会見の始まる前の段階で私のところに新たな報告はない。それぞれ調査をしている機関から、事実関係のデータは発表できるタイミングでは、できるだけ早く発表するよう指示しているし、様々な影響を及ぼす可能性を考慮しながら万全のモニタリング態勢をとってほしいという指示をおろしている」

 【SPEEDI】

 ――原子力安全委のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)、30キロ圏外でも強い数値で不安が広がる。退避地域拡大はあるか。拡大しないなら、なぜ安全と言えるのか。

 「SPEEDIによる推測も考慮にいれて、さらに様々なモニタリングをあのデータの推測も考慮にいれて、かなり強化するよう指示をしている。あれは予測なので、様々な実測数値に基づいて必要に応じて対応もこの間も進めてきたところ。今後については、もちろんさまざまな数値が下がっていくことが望ましいが、客観的なデータに基づいて必要な対応をするということについては、あらゆる可能性は否定していない」

 【原子力安全委員会の対応】

 ――原子力安全委員会の委員長の記者会見は事故が起きてから初めて。この間、会見が行われなかった理由は。それは政府として妥当と考えるか。

 「直接的にいつ、どう会見を開くかというのは一種独立性の高い委員会でもあるので、原子力安全委員会のご判断ではあるが、この間、特に事故の発生以来、原子力安全委員会には最大限の力を出していただいて、様々な対応についての安全委員会としての知見を、例えば退避について、あるいは原子力発電所そのものに対する対応も、一義的には東京電力であり、二義的には保安院であるが、原子力安全委員会も炉の安全性とかについての専門的な知見をもっているので、第三者機関としてのご助言をいただいてきており、かなりそこにエネルギーを集中的に注いできていただいたことは間違いない」

 「また、そこでいただいたご助言等を踏まえて具体的な対応を進めてきているなかで、その対応については私なり、保安院なり、東京電力なりから全面的な情報公開を進めてきているということが、この間であったかなと思っている。ただ、独立してしっかりと情報公開をし、記者の皆さんの質問にお答えするということは、そうした本来の役割をしっかり果たしていくなかで最大限やっていただくことは望ましいと思っているし、そうした状況になってきたということかなと思っている」

 【東京電力の対応】

 ――東電の社長、会長は事故の陣頭指揮に立っている姿があまり見えない。福島を最初に訪問したのは常務、会見をしているのも副社長。東電の姿勢についてどう考えるか。

 「しっかりと事故がこれ以上悪化しないようにということで、現場の第一原子力発電所の現場の関係者の皆さん、本当に頭の下がる思い。本当に頑張っていただいていると思っている。それを本社からどういった形でバックアップして指示を出しているのかについては、様々なご意見等があろうかと思っている」

 「ただ、政府の立場からはしっかりと東京電力として総力を挙げて事故のこれ以上の悪化を防ぎ、収拾に向けて努力をさせるという、この1点でこの間、対応、指示等してきているので、何か第三者的にそれについてコメントする立場ではないと思っている」

 【国際機関との連携】

 ――国際原子力機関(IAEA)や米原子力規制委員会(NRC)など国際機関の会見を国民が見ることができれば、より冷静に現状を把握できるのでは。

 「それぞれ、特に海外の機関について日本政府からできることは、お願いベースになろうかと思っている。この間、どうしてもタイムラグは生じてしまうが、IAEAや米国など専門的な分析や意見を出していただきうる所に対しては、国民の皆さんに報告しているように様々なデータや状況を報告をし、ご説明をして、そうした知見も政府としてもご意見をいただいたりもしてきている」

 「そうした政府以外のところの専門的な評価はきちっとした同じ客観的なデータに基づいている限りは当然、国民の皆さんも知りたい情報だろうと思っているので、さらに関係機関、特に基本的には米国とIAEAだと思うが、何ができるかは検討してみたい」

 【水道からの放射性物質その2】

 ――先ほど埼玉県川口市が川口市内の上水道から採取した水道水から、乳児の暫定基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表。首都圏でこういうことが起きていることで、乳児の摂取を控えるよう指示する考えは。

 「これは基準値があって、それぞれにできるだけ広範かつ規模の大きなモニタリングをしていただきたいと政府として指示している。そうしたなかでは原発から放射性物質が残念ながらこの間出た、場合によっては出ているという状況では、一定の範囲においてこうした数字が出てくることはあり得ることだと思っている。だからこそ、モニタリングをしっかり強化して、数値出たからといって健康に影響が出るわけではないが、国民の皆さんにできるだけしっかりと客観的な情報をお知らせをして、万全の措置を取っていることをご理解いただくために、出たらしっかりと対応するということを各関係機関において、市町村含めて、やってきていただいているところだ」

 「今後もモニタリングをしっかりとすれば様々な数字が出ることはあり得るが、その数字の意味については、できるだけ私も繰り返しこの場でご報告申し上げてきているが、原子力安全委員会であるとか放射線医学総合研究所であるとか、専門的な皆さんにもできるだけ分かりやすく詳細な数値のもつ意味、健康・人体に影響がないことについての説明を、国民の皆さん向けに専門家のレベルでもやっていただくようにという指示は出している」

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