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枝野官房長官の会見全文〈24日午後4時すぎ〉

2011年3月24日20時4分

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 枝野幸男官房長官による24日午後4時すぎの記者会見全文は次の通り。

 【作業員被曝(ひばく)】

 ――今日、福島第一原発の3号機で作業員3人が被曝しているようだが、けがなどの状況は?

 「本日、3号機でケーブル作業にあたっていた作業員の方が大気中の放射線量はモニタリングをつけて作業していたが、水に足をつけてしまってそれが放射線量が高いということで、その結果として、170ミリシーベルト以上の放射線量を浴びてしまっているということだ。大変残念なことだが、病院に搬送し、手当てを受けているという報告を受けている」

 ――けがの詳細な状況は?

 「皮膚が水につかり、放射線を浴びているというところまでの報告だ。その詳細は、おそらく現地の方からわかり次第、報告される」

 【補正予算】

 ――復興に向けた補正予算で、財政規律の観点から国債増発は抑えるべきだと考えるか?

 「まず、年度内については予備費をどういう形で、どう一番実効性のある形で災害に対して使っていくかということは、年度末ギリギリまでしっかりと検討しながら進めていかなければならない。年度がかわれば当然、補正予算ということになっていくだろうと思っているが、財政規律との関係から言えば財政規律をまったく無視してしまうということは、逆に国債の発行が十分にできないという事態を招いてはいけない。その一方で、必要な財源はしっかりと確保しなければならない。率直に申し上げて、大変難しい課題だと思っているが、すでに財務大臣において、そうした全体的な考慮を含めて検討をするよう、昨日も財務大臣とお会いをして私からも財務省の方に指示している」

 【農産物買い上げ】

 ――福島県選出の国会議員から、福島県産の農産物を政府が買い上げてほしいとの要望が出ている。

 「福島に限らず、原子力発電所の影響によって出荷規制を受けている皆さんに対しては当然、補償について申し上げてきているところだが、それをいつしたらいいのか、あまり遅ければ当然、そうした皆さんの生活、当面の生活にかかわってくると思っている。そうした趣旨で買い上げるというのは一つのご提案だと思っているが、当面、いつ補償を受けられるのかわからない状態では、生活がなかなか立てられないということについては、検討をいまさせているところだ」

 【作業員被曝・その2】

 ――緊急作業時の被爆基準はこれまで100ミリシーベルトだったが、今回の地震を受けて250ミリシーベルトとされた。基準の引き上げは適正だったのか。

 「これは専門家の皆さんの助言を踏まえてやっている。もちろんこうした線量は低いほど望ましいことは間違いないが、従来のさまざまな知見にもとづいて、250ミリシーベルトまでであれば、そうした危険な作業に従事される方については健康被害をしっかり防げるという専門的な知見に基づき、設定したものであるという報告を受けている。それでも、できるだけ低い方がいいということは間違いない。特に今回は病院に搬送して、治療を受けているというのは、普通は大気中から放射線を受けるということで、これはモニター、消防の皆さんなどが現地で苦労頂いた状況をメディアなどで報告頂いたときに皆さんも承知だと思うが、今回はそうした大気中の放射線ではなく、水に足をつけてしまったということで、放射線を受けていると、高い放射線を受けているという自覚が十分にない。あるいは予期しない形で放射線量を大量に受けてしまったと言うことでありうるので、しっかりと治療をしていただくとともに、こうしたことがないよう、さらに注意深く作業にあたって頂く必要がある」

 ――原子力安全・保安院の会見では3号機の燃料プールの温度計測は正確でなかったというが、政府の認識は?

 「その保安院の報告そのもの、直接会見そのものは私の方で承っていないが、3号炉については直接測定ができないということで、自衛隊に協力いただいて上空からモニターしており、当然、普通に直接計っている場合と比べて誤差があり得るということは、さまざまな水を外から入れるタイミングなどの判断にあたって、一定の誤差があり得るということは当初から想定をし、ただしできるだけ頻繁にこの温度を外からモニタリングするということをくり返している」

 ――急激な温度上昇はないか?

 「3号炉のプールについて現時点ではそういった報告は受けていない」

 【水道水汚染】

 ――今日、千葉の松戸で新たに基準値を超えるデータが出た。都では基準値を下回る値が出ている。こういう状況をどう見ているのか。

 「水道水にどういう形で影響が、どういう時間的な経過の中で出てくるのかということについては、天候であるとかさまざまな事情、状況によって左右されると認識している。そうした状況の中にあるので、国としては各地の自治体によるそれぞれの所管する水道事業について、モニターをできるだけ頻繁にやっていただき、それを国として厚生労働省でしっかりと集約していくことは最大限、進めていきたい。逆に、それに基づいて今後の見通しとか、そうした状況についてはある程度まとめた中で、専門家を含めて分析をしていかなければならないと思っているが、これは、まさにいま、目先の数字がどうなっているのかというのはそうした全体像を踏まえて、専門家の皆さん含めた検討をしなければいけない。従って、その間はそれぞれの個々の数字のモニターを一つひとつというより全体として、若干の数値の変動は今後あり得るだろうという見通しの下で対応していきたい。だからこそ、一定の数値が出れば、非常にそのこと自体で一日、二日そういった水を飲んだからといって影響がでる数字ではなくても、一定の対応をお願いしている」

 ――東京都が制限を解除した。値が下がれば解除、値が上がれば制限という対応は余計な混乱を招かないか?

 「直接にはそれぞれの自治体の判断、権限のところ。国から現時点で直接、指導などを出す段階ではないと思っているが、まさに一過性で上がって今後数字が下がっていくのか、それとも若干変動しながら一定期間続くのかは国において全体からの報告踏まえて、専門家のみなさんの分析を含めて、もしこれが一過性ではなくある程度の期間上下しながら続いていく傾向がみられるのであれば、何らかの対応を各自治体にお願いしないといけない。現時点ではまだその段階ではない」

 ――一過性かそうでないか判断するのに、どのくらい時間がかかるのか。

 「データの集まり方も踏まえ、専門家と相談しないと。私がここで、一存で述べられる性格のものではない」

 【臨時避難所】

 ――東京・赤坂にあるホテル「赤プリ」(グランドプリンスホテル赤坂)を避難所とし、ホテルの解体前3カ月間を開放するとの話があるが。

 「具体的には生活者支援特別対策本部で検討、調整していただく案件だと思うが、全国各地の自治体で避難されている皆さんを受け入れていいという声も多々いただいている。ただこれ、実際に避難をされている現地の当事者の皆さんのお考えとうまくマッチングできないと、ここが空いているからこちらに来いというのは、国なりの方で避難されている皆さんにこちらからいう話ではないと思っているので、今の具体的なホテルに限らずどういった受け入れ可能であるか、受け入れの声をあげていただいているか、をできるだけ現場の自治体等にきめ細かくお伝えして、それならばそうしようかという方がいれば、声をあげてマッチングできるように、こういう手配をいま進めているところ」

 【作業員被爆・その3】

 ――250ミリシーベルトを超える被爆がでたら、作業は一切してはならないのか。だれが今後の作業員の健康被害の責任をもつのか。

 「まず250ミリシーベルトという数字は年単位の数字なので、250を超えないように現場ではいろいろご苦労しながら作業していただいていると思うが、万が一それを超えることになれば1年間、放射線作業に従事できない仕組みになっている。その上で長期的な問題であるとか、それぞれ個々のケース、どういう立場で苦労ある作業に従事しているかということが異なっている。原子炉等規制法にからんで、あるいは労働安全衛生法にからんで、それぞれ個別の法律の適用をケース事に見ていかなければならない。原子炉等規制法関連は保安院に、労働安全衛生法関連は厚生労働省にたずねていただければ」

 【避難指示】

 ――与野党と政府の実務者協議で、20〜30キロ圏内にも退避勧告を出すべきだということで意見が一致したという話だが。

 「20〜30キロの屋内退避をお願いしている皆さんについてはなかなか物資等が届きにくいことがあって、そのことについてご指摘を受けたとの報告は受けている。この間もこの地域の皆さんには、医療を必要とする方には早い段階から継続的に外からのサポートがないといけないということもあり、退避が必要かどうかは別次元で外の地域で適切な医療を受けられるように作業終わっているかと思う。希望がある皆さんについては外に出ることのサポートも進めてきている。さらには十分ではないかもしれないが、外から20〜30キロ圏内に自衛隊の皆さんにご苦労いただいて物資を運びこむことも続けてきている。相当、長期にわたってきていることを考えると、今のままのやり方で十分屋内退避という状況の生活を継続できるのかどうかということについては、改めてこの間のサポートがどう行き渡っているかの検証、指示をしている。ここは気をつけなければいけないのだが、放射線による影響という問題とは別に、今のような社会的な要請への対応についてどうするかは検討しなければいけない。その指摘を受けて思っている。気をつけなければいけないのは、もしそういった指示を出せば危険がさらに広がったという間違ったメッセージにしてはいけない、ということと、今の社会的必要性ということなど、今しっかりと精査しているところ」

 【特別立法】

 ――仙谷副長官が各省事務次官に特別立法を指示したようだが、具体的には?

 「具体的なものがあるということではなく、むしろ阪神淡路大震災のときにはかなりの数の緊急立法を行った。そのときに作られた法律がそのまま恒久法として現在も生きているものもあるが、時限法で終わっているものもある。今回は阪神淡路大震災に比べても被害地域の広範や被害規模も大きいことを考えれば、阪神のときのように緊急立法が必要だという可能性は一般的として高いということの中で、各省いま現に被災者救援はじめとして様々な作業始まっている。阪神淡路の時の経験も残っているので、各省においてまずは可能性のあるものをピックアップするように指示をした」

 【被災地視察】

 ――週末、総理は現地にいくのか。

 「一般論として、総理の思いとしてはできるだけ現場主義で、被災地の現場の状況を様々なルートで報告はしっかりあがっているが、直接自らの目で確かめたい、自らの耳でお聞きしたいというのは一貫して強く持っている。あるいは、原発の現場で大変危険あるなかで大変努力していただいている皆さんのできるだけ現場に近いところで、こうした皆さんのがんばりを激励したいという思いは一般論として常に強く持っている。ただ一方で、様々なところでそういったご意見も出ている通り、総理が現地にいくことはかえって現地にご負担をかけるという部分があるのも間違いないので、そういったことの兼ね合いを常に模索、苦慮しているという状況」

 ――具体的に計画はない?

 「今のところそういった話は聞いていない」

 【復興ビジョン】

 ――日本再建の道しるべになるような総合的、具体的な政策方針が近々に首相から発表される予定はないのか。

 「地震、震災に対する広い意味での復興に向けた大きな方向性、ビジョンはあるタイミングでしっかりと、特に被災をされた皆さんの将来の希望をしっかりと持って頂くためにも大変重要なことだと認識。ただ今回は、阪神淡路と比べても大変広範な被害状況であって、地域によっては復旧から復興への段階に入りつつある地域もあるようであるが、かなりの地域はいまだ、むしろがれきのなかに救いをもって待っている人がいるのではないか、ということで努力されているという地域もある。そして、避難されている皆さんの最低限の生活を支えることに最大限のエネルギーを割いている地域もある。さらにはこの震災、津波によって、原発の事故というそれ単独でみても大変大きな事故が生じている。この事故が、どういうタイミングでどう終息の方向に向かうのかというのは、まだまだ予断を許さない状況のなかにある。そうした全体構造のなかで、どういうタイミングでどう復興に向けたビジョンというか、段取りなどを示すのが妥当、適切であるのかについては、今いろいろと検討しているところ。当然ながら、その方向性については一定の検討は進めているのが今の段階だ」

 【首相会見】

 ――記者の質問に首相が答えてない。政治的責任を果たしていると考えるか。

 「それは最終的には国民の皆さんが判断されることだ。この震災、特にこれについては避難されている皆さんの生活支援、そして原発の状況をこれ以上悪化させずに終息を図り、なおかつそれによる影響を最小化するということについての総理大臣として果たすべき役割には全力であたっていると思う。それをどう評価されるかは最終的には国民の皆さんの評価だと思う」

 ――説明責任を十分果たされているとは思えない。

 「これは内閣としてそれぞれ役割分担があって、そうしたなかで当然、総理自らが説明をすべき、あるいは国民に呼びかけるべき部分も当然あると思うが、それは一般的には官房長官である私が様々な現在の状況についての政府の取り組みを総理に代わって国民の皆さんに説明する。あるいは、それぞれ各省が対応していることについて各省が説明をする。そのなかで、総理としてどういうタイミングでどういった事項を自ら説明するかについては、一義的に評価でバサッときれる問題ではない。必要に応じて総理自らが説明するのは必要だという風には思っているが、具体的にどのタイミングでどうということについては、今のような役割分担と全体状況のなかでその都度考えていく。こういう状況だと思う」

 ――首相は震災前までやっていたぶら下がり取材にも応じていない。

 「まず皆さんにもご理解頂けると思うが、3月11日の震災発生直後からは私もそうだが定例の会見とぶら下がり取材などについてそこに時間を注ぐ余裕もなく、例えば私も11日夕方の定例会見はなかったと思うし、まさに目の前で政府の対応によって何人の人の命を救えるのかというまさに時々刻々、対応する時間帯が何日かあったことは、これは記者の皆さんも十分理解してもらえると思う。そのなかで直接、国民の皆さんに説明しながら対応をとっていかねばならない事項については、総理自ら説明したり、私が説明したりして対応してきた。これは、徐々に当初の状況から時々刻々の変化から、日々の変化に移りつつある状況にある。まさに総理として、政府として、目の前で対応しないとならない、処理しないとならない案件をやはり最優先せざるをえないと思っている。そうしたことと、すきま、あいだを何とかつくってぶら下がり取材になんとか応じる、あるいは取材、記者会見に対応させてもらう時間的余裕を本来の一番最優先にしないとならない被災者対応や原発対応の状況のなかで、どのタイミングでつくれるかということについては検討、模索している」

 【原発対応】

 ――事故を起こした原発を「閉じこめる」作業が必要になると思うが、閉じこめ作業の準備や想定はしているか。

 「これは東京電力、保安院、原子力安全委を含めて、まさに原子炉の専門家の皆さんを中心にしてどういう形で封じ込めるのかを当然、検討している。が、まさに冷やすことについてのプロセスが現在進行形であるし、冷やすのもどういう形で安定的に冷やしていくのかについても、まさに様々な努力を並行しながら進めている状況だ。今の段階でどういう形でどういうタイミングで閉じこめるプロセスに入れるのか、ということを確定的に申し上げられる段階ではない。ただ、その冷やす作業と並行しながら、専門家の皆さんには当然、様々なシミュレーションをしてもらっている」

 ――冷やす作業はいつぐらいまで続くのか。

 「周辺地域の皆さん、あるいは農業などで影響を受けている皆さんにはしっかりした見通しがほしいという気持ちは大変まさにその通りだと思う。しかし、しっかりした見通しが見通しとして一定の確率の高いものであれば、当然一つの見通しとして示すべきだと考えているが、まだ原子力発電所の状況は緊張感をもってしっかりと対応しないとむしろここまで今食い止めている状況から、さらに悪化する可能性も否定できない状況にある。したがって、今の段階で時期的な見通しなどについて言うのは、かえって私は無責任だと思う。一定の見通しが立てられる段階になれば出来るだけ早く見通しを示したいと思う」

 【福島県広報】

 ――福島県の報道機関から、政府で発表するときは県対策本部でも同時に発表してほしいとの要望がある。

 「一つはこういう要請の有無にかかわらず、国として発表することについてはほぼ同時に福島県にはご連絡しないとならないことだと思っているし、福島県の方には国の現地対策本部がある。ここにも当然、国の道路として、国で決めたことについては同時に連絡しないとならないことだと、その点はさらに徹底しないとならない。国の広報担当者をおくことについては、国の現地対策本部として必要なプレス発表があれば、しかるべく対応しなければならないと私は思う」

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