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安全点検・節電…公演と向き合う演劇人、震災後舞台再開

2011年3月26日10時53分

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写真:キャラメルボックスは義援金を募る特製DVDを急きょ制作し、売り出した拡大キャラメルボックスは義援金を募る特製DVDを急きょ制作し、売り出した

 東日本大震災のあった11日は、東京都内の大半の劇場で演劇公演ができなかった。そのまま中止した舞台もあるが、安全点検などを経て、再開した舞台も数多い。余震、電力不足、交通の混乱などに加え、「この時期に上演するべきかどうか」という自問を抱えながら、演劇人たちは公演と向き合った。

 演劇集団キャラメルボックスはルテアトル銀座で新作「夏への扉」を15日に再開し、27日まで上演中だ。

 劇団の考え方を製作総指揮の加藤昌史がブログで詳しくつづり、「少しでも元気に仕事をし、税金を払い、義援金を集める」と宣言する。劇場では安全性などについて丁寧に説明し、募金に加え、グッズ販売と当日券の10%と、急きょ作ったDVDなどの売り上げ全額を義援金にしている。交通の心配などからキャンセルも多く出ており、劇団経営への打撃は大きいが、当日券は持ち直してきているという。

 照明や暖房、エレベーター使用を抑えるなど、どこもできる限りの節電をしている。東京芸術劇場は電力使用量が4割強減ったという。

 劇団ラッパ屋は、座・高円寺で21日まで「凄(すご)い金魚」を公演した。脚本・演出で主宰の鈴木聡はまず、「僕ら小劇場は顔の見える観客に支えられている。来てくれる限り上演しよう」と考えたという。

 「もちろん、ただ続けるというわけにはいかない。どのように公演するか、休演するか、いちいち迷いながら結論を出した。考えることに最もエネルギーを使った」と語る。「安心と安全を約束せねば」と、毎回開演前に劇場の構造と安全性、避難経路などを詳しく示し、大規模停電が危惧された17日は休演した。

 「被災地はものすごく大変だし、それを支えてゆかねばならない東京も電力不足など大きな問題を抱えている。それでも、必要以上に元気をなくさないように、人間を信じることができるように、僕らができることをプライドを持ってやってゆきたい。演劇は特に、人と人とのつながりと深くかかわる表現ですから」

 東池袋・あうるすぽっとでの「デンキ島―松田リカ篇(へん)」を12日に再開し、16日まで上演した若手劇団モダンスイマーズの神野和美・制作担当は「公演するかどうかの議論は演劇をやる意味を見つめることにつながった。やりたいからやるでは通用しない場面で、社会との接点を改めて考える必要を感じた」と振り返る。

 震災後に予定通り初日を開けた燐光群(りんこうぐん)や青年団なども劇団のホームページで、上演に向けての考えを表明している。(山口宏子)

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