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震災影響、内定取り消し相次ぐ 原発事故のあおりも

2011年3月26日15時0分

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 東日本大震災の影響で、4月の入社を目前に控えた新卒者の内定取り消しが相次いでいる。朝日新聞社が東北地方の被災地を中心に約60大学を調べたところ、少なくとも8大学で10人が内定を取り消された。企業が深刻な被害を受けたケースに加え、原発事故のあおりを受けた例も出ている。

 宮城や岩手など被災地の労働局やハローワークには、「採用は難しい」という経営者や、取り消しを告げられた内定者からの相談が殺到している。直接被災した地域以外にも影響は及んでおり、今後、大量の取り消しが表面化しそうだ。

 岩手大の男子学生は、岩手県釜石市の水産加工会社から取り消しの連絡を受けた。会社は津波で壊滅的な被害を受けた釜石港の海岸にある。「当面、営業は再開できず、採用延期も難しい」と説明されたという。同大キャリア支援課は、特別研究生として大学に籍を置き、就職活動を続けるよう助言したという。

 青森県内の私立大では、女子学生が泣きながら臨時採用の予定が取り消されたことを報告した。就職予定だった郵便局が津波で流され、22日になって通告されたという。学生の実家も津波被害にあっており、大学近くのアパートは今月末で退去する予定だ。当面はアルバイトを続けながら就職活動を再開する。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故も影を落とす。

 東北工業大(仙台市)の男子学生2人は、原発関連会社の内定を取り消された。2度目の爆発事故が起きた直後、社長が「会社は原発から5キロ以内にあり、再開のめどが立たない。そんな状態で待ってもらうのは忍びない」と連絡してきた。大学側は急きょ、宮城県内の家電製造販売会社を紹介。2人は来週にも面接予定で、「次でがんばりたい」と話しているという。

 日本大(東京)には、福島県内の商社に入社できなくなった男子学生から相談がきた。工場が被災して操業を停止したうえ、放射性物質を避けるため、従業員が退避しているという。法政大(東京)の学生は、都内の電気工事会社の内定辞退を促された。原発事故で仕事が95%減り、休業せざるを得ないという。

 一方、震災との直接的な関連が見えにくいケースも。

 青森県の女子学生は飲食店などを展開するサービス会社から取り消しを告げられた。会社は「震災で客の入りが激減した」と説明したという。関東地方の女子学生に取り消しを通知した千葉県内のホテルは、「津波の影響でキャンセルが増えたため」と説明したという。

 このほかにも自宅待機や入社時期の延期などを告げられた学生も多いといい、各大学の就職担当者は「さらに増える可能性が高い」と、学生への確認を急いでいる。政府は22日、日本経団連などに内定取り消しを避けるよう求める要請書を送っている。(江口悟、岩波精)

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