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枝野官房長官の会見全文〈26日午後4時過ぎ〉

2011年3月27日11時2分

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 枝野幸男官房長官が26日午後4時すぎから行った記者会見の全文は、以下の通り。

 【冒頭発言】

 内閣総理大臣補佐官の人事について。本日付で馬淵澄夫衆院議員を東北地方太平洋沖地震による災害及び原子力発電所事故の対応を担当させる内閣総理大臣補佐官に任命し、寺田内閣総理大臣補佐官を願いにより免じることにした。先ほど、総理から辞令を交付した。

 【馬淵氏の起用】

 ――馬淵氏起用の狙いと、どういうところが原発対応、地震対応に適しているのか。

 「特に原子力発電所の対応だ。細野補佐官が東京電力との統合本部に入り、総理の意思を含めて、しっかりと連携をとっている。ただ、この部分について、業務というか、対応すべき範囲が非常に大きくなってきており、細野補佐官からも、よりこの態勢を強化してほしいという要請、要望があった。そうした中で、馬淵議員は、様々なこれまでの経験などからも、細野補佐官とともに原子力発電所事故対応について、総理の直轄で様々な対応をするのに適任であろうと。さらには、こうした状況で、こうした仕事をお願いするにあたっては、国土交通大臣の経験もあるので、中期的には震災対策についても原子力発電所の状況次第だが、大きな役割を果たしてもらえるのではないか、こうしたことの中で馬淵補佐官を任命したと、こういうふうに聞いている」

 ――当面は馬淵氏は原発に集中するのか。

 「はい。まずはそう考えている」

 ――仙谷氏に続いて馬淵氏と、参院で問責決議を受けた大臣を戻しているだけではないかとの批判をどのように受けとめるか。

 「もちろん、そういった色々な意見はあろうかと思うが、今の震災対応、そして原発対応にあたっては、最も適任で、最も力のあるメンバーに加わってもらうことで、この対応力を強化するということがあらゆることに優先する中で、こういったことになった」

 ――先だっての内閣改造では、最強の人事として任命したが、結局それはこうした事態に適応できているのか。

 「一度、その種のお尋ねは以前にもあったかと思うが、過去にあまり例がない大きな災害、そして原発事故という、内閣改造の時点では想定していなかったというか、その時点で生じていなかった新しい事象に対応するためには、こうした大きな災害や事故等が起こっていない時点において望ましい態勢と、こういった事故や災害が生じたことに対応する上でふさわしい態勢というのは、それは違いがあって当然ではないか」

 【原発での作業員被曝】

 ――原発の被曝(ひばく)事故を巡り、東電側が作業前に高い放射線を確認していたと発表があった。これは政府側も事前に知っていたのか。

 「少なくとも、私など官邸にそういった報告などはなかった」

 ――報告をしなかった東京電力の体質についてどう考えるか。

 「とにかくここは現場で大変危険な中で作業をしてもらう皆さんの安全の確保、そして事故による被害・影響を最小化させていくという役割、この両面においても必要なというか、あらゆる情報は正確に、かつ、スピーディーに原子力安全・保安院などの当局に対して報告をしてもらわないと政府としても適切な指示が出せないし、また作業にあたる作業員の皆さん、ひいては国民の皆さんから不信の念をもたれるということになると思うので、政府としてもさらに厳しく情報を公表する、あるいは政府に報告するということを徹底するよう、東京電力に対して求めている」

 ――東電のありようは隠蔽(いんぺい)体質だと考えるか。

 「そのことをどう評価するのかというのが政府の役割ではないと思っている。政府としては、政府としてしっかりとこの事故に対応するためにも、そして国民の皆さんに対して不安、不信を東京電力が招かないためにも、しっかりと情報を出させるということが何よりもの役割だと思っていて、これについてさらに厳しく指導していかなきゃならないという認識を持っている」

 【野菜からの放射性物質】

 ――名古屋で茨城県産の野菜から規制値を超える放射性物質が検出された。こうした広がりに対して、今後、対応を強化するか。政府として国民に対して、どう行動してほしいと言っていくのか。

 「残念ながら食べ物に関していろいろな所で放射線量の基準値が超えているという報告がいくつも上がっている。大変残念に思っている。これに対しては、いま政府として定めている基準値は大変安全性に配慮した数値であって、この基準値を超えているものを飲食したとしても、そのことで健康被害が将来にわたっても生じる可能性のない大変幅を持ったというか、余裕をもった数値で設定している。ただ、そうした数値を超えたものがあった場合には、この間もそうだが、長期にわたって飲食されることに備えて、そうしたことの起こらないように非常に早い段階で出荷規制などの措置をとっているところ。従って、いま現に流通をしているもののなかに、もし基準値を超えるものが含まれていたとしても、そのことで国民の皆さんに健康被害を与える恐れのあるものではないということを十分ご理解をいただきたいと。そのうえで、こうしたものが長期にわたって摂取されることがないための非常に安全性を考慮した出荷規制等の措置をとっていることをご理解いただければと思っている」

 【今後の見通し】

 ――補佐官人事を追加したが、原発の収束は当初より長期化を見込んだのか。相場観は。

 「あまり確定的な見通しがない中で、予断をあたえるようなことを申し上げるべきではないと思っている。今の状況自体も、悪化を防いでいるということは言えると思うが、その間に電源が復旧したり真水を注水できるようになったりということで抜本的な改善に向けた歩は進めているという風には認識しているが、油断をできる状況ではないと思っているので、見通しを今の段階で具体的に、相場観を申し上げることのできる段階ではないと思っている。ただこの原子力発電所を安全な状態にして、なおかつこれを長期間キープをしていくことのためには相当な手順、段取り、作業が必要であることは間違いない。そういうことの中で、細野補佐官に加えて馬淵補佐官も含めて、こうしたことから収束できるとすれば、そこに向けて必要な、膨大な作業をしっかりと政府として対応していこうと、こういう態勢を整えたところだ」

 ――第一原発で南排水溝の排水で1250倍の放射線検出。状況は。魚介類への影響は。

 「第一原発の状況というのは、先ほど申した通り、悪化を防げているという状況は間違いない。放水などを大変条件厳しい中で、消防、自衛隊含めてがんばってもらった一つの成果だと思っている。ただ、たとえば様々な、電源は入っているが、様々な現状を把握するための計器その他が完全に復旧しているわけでもない。周辺の様々なモニタリングに基づいて、状況を判断しながら一歩ずつ改善させていくという、厳しい状況の中で対応しているのが現状だ。そうした中で、排水から高い濃度の放射性物質が観測されたということについては、特に一日で同じ地点の放射線量が大きく伸びているという報告受けているので、その原因というか、要因について、しっかりと検討分析を東京電力に対しても、保安院に対しても、していただくようお願いしているところだ。海産物などへの影響については保安院から報告されているかと思うが、また今日この後、原子力安全委員会からも、お尋ねがあれば報告されるかと思うが、当然これから、より広範な地域での海水のモニタリングは強化しなければならないという状況であるのは間違いないが、ここまでのところ、海洋生物に影響を及ぼすような状況が、特に、避難地域である20キロを超えるところで観測されているという報告はないし、専門家のみなさんによれば、そうした可能性は低いだろうと。ただし、予断を持たずにしっかりとモニタリングを強化するよう指示しているところだ」

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