現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

枝野官房長官の会見全文〈27日午後4時過ぎ〉

2011年3月27日18時48分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 枝野幸男官房長官の午後4時過ぎの記者会見の内容は、次の通り。

 【原発事故の避難民の一時帰宅】

 ――今朝のNHKの番組で避難指示圏内の住民の一時帰宅に言及したが、実現性は。

 「ご要望が強いということは認識している。ただ、安全性を確保した上でなければできないことであるので、本当に安全性を確保した上で、できるのかどうかという模索、検討を始めたという段階だ。そういった意味では、ぜひそうした要望に応えたいという思いは持っているが、今の段階で可能性をお答えできる状況ではないということは、特に関係者のみなさんにはご理解いただきたい」

 【避難区域の捜索状況】

 ――避難地域の人命救助活動などの状況は。

 「これは自衛隊、警察の皆さんにはしっかりとした防護態勢をとったなかで、避難地域の中にもお入り頂いて、様々な対応をしていただいている状況だ」

 【被災自治体との連絡】

 ――菅首相が昨日、岩手・陸前高田市長と電話で話したようだが、そのほか被災した市町村長らと電話でどのような意見交換があったのか。

 「できるだけ現場の、直接の生の状況を把握をしたいということはこの間一貫して総理の強い思いだと思っていて、それぞれの地域の首長さんたちに順次連絡を取れる方から取って、直接首長さんたちの声、ご意見、ご要望というものを聞かせて頂いているということは、総理のほうから報告を受けている」

 「その詳細についてはそれぞれ背景もあると思うので、私どものほうから発表するというよりは、そうした声を踏まえながら、特に避難をされている被災地の生活支援について、さらに内容を充実させていくということで対応しているところだ」

 【原発の放射性物質】

 ――福島第一原子力発電所2号機から濃度の高い放射線が検出された。現時点で分かっていることを。

 「これについては、詳細なデータその他は東京電力や原子力安全・保安院から発表されていると認識している。その報告は官邸のほうに届いているところだ。どうしてこういったところにこういった水が行っているのかという原因の究明と、できるだけ早く水をしっかりと別のところに移して復旧に入れるようにということは当然、官邸としても指示をしているところだ」

 ――保安院によると、原発内のたまり水にプルトニウムが含まれているかどうかの調査はしていないということだが。調査すべきではないか。

 「プルトニウムについての観測、検査のできる対処、対応で、原発内の土壌調査にすでに着手をしているという報告を受けている。なかなかこれは簡単に計測はできないというふうに報告を受けていて、周辺の土壌に拡散していないという状況であれば、一定の安全性がまずは確保出来る。周辺の土壌に出ているということであればそれに応じた対応をしないといけないということで、まずは土壌の調査・分析を急がせている」

 ――2号機で高濃度の放射性物質が検出されたことで、作業が中断されるのか。

 「これについては作業員の皆さんの安全を確保しつつ、それから大変高い濃度の放射性物質を含んでいるわけだから、そこら辺にばらまくわけにはいかないので、安全を確保しながら別の所に移すという作業を進めて頂くことになるので一定の時間はかかるだろうという風に見ている」

 【避難区域の扱い】

 ――20キロ〜30キロ圏を超法規的に「物流の停滞などに起因した生活困難による避難区域」にする考えは。

 「その当該地域にいる皆さん、そうした地域を抱えている市町村の皆さんには、大変ご不便とご苦労をかけているのを大変申し訳なく思っている。それぞれの地域の自治体の皆さんとしっかりと連絡を取れる状況にある。それぞれの地域の状況、実情、特に外部からの物流の状況や当該地域にいらっしゃる皆さんの、これは人によってもちろん心境は違うと思うが、全体の状況などをしっかりと対策本部のほうで連携、連絡をとって、特に当該地域の皆さんにしっかりとした情報を提供するということ。それから、それぞれの地域の事情に、実態に応じた対応を進めていくということ、もし、自主的な避難を要望する方にはまさに国のほうでしっかりとそこについて責任、対応しますという姿勢も示しているが、そうしたキメの細かい対応で、現実の現場にいる皆さんの生活をしっかりと支えていきたいという対応を、くどいですが、私が申し上げたのは、そのことの準備、対応を含めて進めているということである」

 「その上で、今ご指摘のような選択、あらゆる選択は今の時点で当然否定はしないが、そうした状況の中で、さらにこれ、この2週間ほどの間でも当該地域の実態、実情というのはいろいろと変化をしてきているので、キメ細かく自治体の首長さんらと連絡をとりながら、あらゆる選択肢は否定しない中で対応していきたい」

 【作業員の被曝】

 ――原発で被曝(ひばく)した作業員2人が明日退院。受け止めを。

 「入院の期間が短く済むということは歓迎すべきことだと思っているが、当然、今後影響が出ないのかどうかということは、放射線医学総合研究所(放医研)においてもしっかりと観察し続けて頂けるだろうという風に思っているし、また、それを期待している」

 「こうした事故を起こすことなく、原発の状況を改善していくというのはなかなか現場においては両立させることはなかなか困難があるだろうと思うが、しかし、その努力をさらにしっかり進めてもらえるように繰り返し求めていきたいと思っている」

 【海外医療チーム】

 ――今日初めてイスラエルから海外医療チームが到着した。受け止めと、なぜ受け入れに時間がかかったか。

 「海外の医療チームが、初めて――。この間震災では海外の医療チームの皆さんに加わってきて頂いていると思うし、それから原発関連では米国政府、米軍の医療関係の皆さんとも様々なコミュニケーションをとらせてもらっているが。どういう意味で初めてというか」

 ――医療チームとして初めて。

 「もちろんそれが初めてということを含めて確認したい」

 【世論調査】

 ――共同通信の世論で内閣支持率が28%にちょっと上がった。政府の被災者支援で5割以上が評価の一方、5割以上は原発対応で評価せず。

 「震災対応にしても、原発対応にしても、政府としては全力あげて取り組んでいるつもりだ。現実の被災者のみなさん、あるいは原発周辺のみなさんに大変なご苦労とご不便をおかけしていることはまちがいない。従って様々な今後もそういう数字が出るのかもしれないが、こうしたご不便、ご迷惑をおかけしているみなさんに対する謙虚な姿勢で、取り組んでいくことで一貫していきたい」

 【復興財源】

 ――その世論調査では、復興にむけて「増税してもいい」が7割近く67%。復興財源をどう考えるか。

 「震災の被害に遭われた皆さん、大変厳しいなかで避難生活を過ごしている。そうした皆さんに明日への希望を持ってもらうためにも、復興に向けた方向性とか考え方というのは、徐々に固めて示していかなければならない段階に入っている。ただ、まず大事なのは、どういった復興を目指していくのかというビジョンをしっかりと示すことだ。当然それには財源が必要なのは間違いないが、この大震災からしっかりと東北地方中心に立ち上がっていく、そこに向けたビジョンをしっかり示す、そのうえでその財源についてしっかりと検討していくという、物事の順番だと思っている」

 ――そのビジョンを検討するのはどういう形か。政府中心か、与党中心なのか、野党意見をどう採り入れるのか。

 「これについては、大きな意味では国会周辺にとどまらず、被災地の皆さん、様々な知見をもった国内の様々な皆さん、本当に全国家的に知恵を集めて考えていくべきテーマだ。それをどういった場で集約をするのかについては、阪神大震災の経験なども参考にしながら、今そのことも含めて検討に入っているところだ」

 【農作物の補償】

 ――福島県で種まきの手控え問題。農作物の延期補償については。

 「原発の事故によって被害を受けている方の被害補償については、政府の指示などに基づいて出荷規制しているところなどは、これは政府が規制しているわけだから補償するのは当然だと言ってきた。それ以外のところについて、今個別に具体的にどれがどうということを、しっかりとした検証なしに言える段階ではないが、原発の事故の影響のせいで被っている損害について、それについてしっかりと対応していくということはある意味当然のことではないか」

 「できるだけ早く、そうしたことについての具体的な検討をするチーム、これも審議会だったと思うが、原子力災害については必要な法体系になっていたはずなので、そうしたことを立ち上げていくことも進めて参りたい。当面は、特に農業・畜産関係は、農業・畜産関係の金融機関もあるので、事実上『仮払い』的な形でそうしたところから当面の生活、あるいは経営についてご不便のないように最善を尽くしたい」

 【原発の放射性物質その2】

 ――2号機のたまり水から、通常の原子炉内の冷却水の1千万倍の濃度の放射性物質を検出。一般からみて、事態が悲観的方向に向かっているのではないか。原発の推移をどう認識しているか。

 「この間、悪い方向に進むことを食い止めることができている状況だと言ってきている。ただ、悪い方向に進むのを食い止めている状況のなかで、これを改善するための様々な努力が進められている。その大きな方向自体は全く変わらない」

 「例えば、冷却ができない状況だと事態が悪化するが、冷却についてはしっかりできている状況だ。何度か言っているが、だからといってすぐに一直線に改善の方向に向かうわけではない。そのなかで、様々な予期できない困難にぶつかるだろうと考えてきたが、今回の高い濃度の水がたまっているという事態も、その一つだという風に思っている。こうしたことを、しっかりと冷却を進めながら解決し、そのなかから事態の収束に向けた方向性をつくり上げていきたい」

 ――今、燃料が溶け出している可能性はどうか。

 「これは現状では冷却がしっかりとできている状況にある。冷却が十分にできてない時点とは、それぞれの原子炉について一時期あった。その時期にどの程度燃料が破損しているのかというのが問題で、それによって様々なものが流出したりしている可能性がある。だからこそ冷却をしっかり行ってこれを継続するということが、事態の悪化を防ぐために必要だと認識している」

 【情報・連絡態勢】

 ――NHK番組内で官房長官が「情報伝達で不備があった」と陳謝したが、初動からこれまで何が問題だったか。

 「原因がというより、現実に、原発周辺の特に自治体の皆さんのところに、適切なタイミングで適切な情報が行っていなかったという事実は、本当に大変申し訳ないと思う。今それを改善するための努力をしている」

 ――改善は進んでいるのか。

 「具体的には、保安院のほうに各自治体との連絡・相談窓口担当者をしっかり置き、自治体にもほぼ同じタイミングで、なおかつ、しっかりと専門的データについての説明、解説ができるような方が連絡をとるように、こういう態勢はつくりあげた」

 ――今後、検証する考えはあるか。

 「早くそういった検証ができる状況にしたい」

 【復興財源その2】

 ――復興財源で、国民から幅広く集めるため、無利子国債の発行に踏み切る考えは。

 「財源の問題については、どういったビジョンでどういった方向でこの震災から復興していくのかという方向性を、しっかりとまずは固めて、特に被災者の皆さんと共有するということが先行すべきであって、財源の問題は当然後ろにくっついてくる問題はあるが、現時点でそのことに何か言及するタイミングではない」

 【復旧費用の国負担】

 ――片山善博総務相が復旧費用について「自治体の負担は限りなくゼロにしたい」と。これは政府方針なのか。

 「もちろん総務大臣も『限りなく』ということを言ったと思う。いろいろな制度、枠組みのなかで、100%ということができるかどうかは別問題として、ただまさに地震と津波によってマイナスベースになっているところを、とにかくゼロベースのところまでということについては、できれば国としては、全面的に自治体の負担なくやりたいという、そういう思いは共有している」

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧