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枝野官房長官の会見全文〈28日午後4時〉

2011年3月28日19時42分

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 枝野幸男官房長官の午後4時前からの記者会見の内容は次の通り。

 【原発事故】

 ――原子力安全委員会が福島第一原子力発電所からの水漏れの原因について、格納容器損傷の可能性に言及。一方で東京電力は圧力容器の損傷を指摘。事実関係は。

 私のところに報告が来ているのは、格納容器から水が漏れるような状況になっているという報告。当然、燃料棒に由来するような物質がでているので、何らかの形でそこに危機があるのは誰でもわかる。圧力容器そのものがどうなっているかについて、具体的な報告は現時点で頂いてない。原子力安全委や保安院などで改めて問い合わせてもらえれば、わかっていることがあれば報告できると思う。

 ――2号機は圧力容器が破損している可能性があり、かつ格納容器も破損しているのか。

 いや、私が言っているのは、格納容器については原子力安全委の報告を受けているので言えるが、圧力容器については特別の何らかの具体的な報告を受けてない。保安院だと思うが、尋ねてもらえれば、わかることがあれば報告できると思う。

 【農産品の出荷制限】

 ――野菜について。知事から蓮舫消費者担当相に対し、出荷停止でもっときめ細かく地域を限定すべきだとの要請があった。細かく地域を限定することは可能なのか。

 これはむしろ専門的にご評価頂かねばならない。安全性の観点、モニタリングの精度をどれくらいきめ細かく行われているかなどのなかで、専門家の意見を踏まえて判断しないとならない。もちろん可能であれば、できるだけ地域を区切ることの方が望ましいと思うが、安全性や実現可能性をしっかり考慮しないとならない問題だ。

 ――放射性物質の野菜などの暫定基準について。暫定基準のもとになった指標をつくった原子力安全委の元委員の一人が、次第に放射性物質が減少していくことを前提に指標をつくっていて、上限の値を長期間とり続けると、被曝(ひばく)量を超える恐れがあると言っている。政府は、一生食べ続けても健康に影響がないと説明してきたが、矛盾しないのか。

 その方がどういう趣旨で言ったのか、直接把握できていない。具体的には、原子力安全委の専門的なご説明をお聞き頂くべき性質のものかなと思う。そもそも元になっている国際放射線防護委員会(ICRP)のつくっている基準というものについてご説明を受け、それに基づいて我が国の暫定基準値がつくられたと報告を受けている。その詳細については、原子力安全委にお問い合わせ頂きたい。

 ――上限値の野菜を食べ続けても大丈夫ということか。

 私がこの基準値をつくるに対して報告を受けているのは、1年間の摂取量、それぞれのものによっての摂取量を1年間食べ続けることがあっても、それが健康に被害を及ぼすことにはならないという、非常に安全性の面でゆとりをもった数値でICRPは設定しており、それを踏まえたものだとの報告をうけている。

 【原発事故その2】

――溶けた燃料に触れた水が格納容器の外に出るなら、圧力容器から漏れていると考えるのが自然ではないか。

 まさに原子炉の構造の専門的な知識をもとにご説明頂いた方が正確ではないか。もちろん、当然燃料棒は圧力容器の中にあるから、そこに触れた水が外に出ているということで、何らかの形で水の移動があるということはわかる話だが、それがどういう事象によるものかは、原子炉のまさに構造と関連するものなので、専門的な立場からご説明頂いた方が正確だと思う。

 ――ベントの話。午前中の会見で1号機のベントの開始が12日の「9時4分」と言った。原子力安全委の資料では時間に違いがある。改めてベント開始時間は何分か。資料によって時間が違うのはなぜか。

 私が報告を受けているのは、1号機のベントは12日土曜日の9時4分にベントの作業を開始した。14時30分にベント実施による圧力降下を確認したと。こういう報告になっているので、ベントがいつ始まったのかについては、作業を開始した時点と、空気が抜け始めたのを確認した時間ということで二つの時間があるのかなと思う。

 【エネルギー基本計画】

 ――昨年閣議決定したエネルギー基本計画では原発増設の方針だが、今回の事故を受けて計画の見直しは。

 まずはこの福島第一原発の事故を収束させるということに、特に原子力の問題に一定の知見のある政府の関係者も総力を挙げている状況だ。そうした意味では、これを収束させた上で今のような大きな政策的な判断についてのしっかりとした検証と検討を行わないといけないと思う。

 【福島第一原発7号機、8号機】

 ――福島第一原発の7号機、8号機は予定通り、運転開始をするのか。

 繰り返しになるが、今の事故を収束させるということに全力を挙げて政府、あるいは関係機関の原子力にかかわる力を総結集してこれに対処している。その後、全体としての原子力政策をどうしていくのかということは、この事故についての収束を得られた時点で、この事故に関する検証もふまえて進めていくということになると思う。

 【首相の原発視察】

 ――保安院から「燃料棒が露出する」との危険な予測を聞きながら、首相が現地を視察した判断は正しかったか。

 これは地震発生の夜だが、原子力発電所の冷却機能がうまくいかなくなった、こういった事故になったという情報が入って以降、東電からも、あるいは原子力安全・保安院を通じても情報は入ってはきたが、なかなか現地の状況がしっかりと入ってこない、現地の状況が把握を出来ない。今朝も言ったとおり、ベント等についても22時すぎ以降、いつどうやってベントを始めるのか等について、早く進めるべきではないかということを申し伝えてもなかなか答えが返ってこないという状況のなかにあって、まさにそうした現場の状況が東京で十分に把握ができないという状況の中で現地の状況を認識をし、特に現地の対応に当たっている現場の責任者、担当者の皆さんとしっかりと直接コミュニケーションができるような状況をつくらないといけないという問題意識があったという風に、決めたのは総理だが、私はそういう認識で総理は行ったと認識している。

 ――危険が予測される中で官邸で危機管理を進める判断もあったのではないか。

 これは原子力発電所の事故は一歩間違えれば、もちろん現状の事故の状況でも大変大きな広範な皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ない状況だと思っているが、一歩間違えれば本当に大変さらに大きな影響を及ぼしかねない問題であるという問題意識のもとで、しっかりと最終判断をする総理が現地の状況を把握出来ないという状況の中では、責任を持った対応が出来ないという問題意識があったと理解している。

 【義援金】

 ――被災の全容が分からない中で、義援金が届く時間が遅れる。

 これはまさに義援金なので政府が直接にああしろ、こうしろと言うべき種類の問題ではない。まさに善意の、みなさんの思いを関係自治体の皆さんで相談して、適切な使い方を自立的に決めてもらうという性質だと思っている。ただ、今回は広範な被害と、それだけに被害の全体像をしっかりと掌握した上で、いろいろとご協議頂くのは難しいという状況にあることも間違いないと思っているので。

 出来るだけ早く被害の全体像について、関係者の皆さんが相談出来る前提がつくれるように努力をすると同時に、場合によっては義援金を被災者の皆さんにお渡し出来るタイミングが遅れるとすれば、その間の最低限の生活資金について様々な制度の下で政府として出来ることがないか、このことはこの間様々な機関でいろいろな手法を検討し、できることから進めている。

 【原発事故その3】

 ――2号機の水たまりで高濃度の放射性物質が検出されたことで、どれだけ作業が遅れるか。

 これについてはこの間、その種のお尋ねに関しては予断を持たずに全力を尽くすしかないと申し上げてきている。確定的な、ある程度確率の高い見通しが立てられれば申し上げて、特に避難している皆さんの今後の様々な生活というか、生活設計に対していろいろとご参考になればと思っているが、現時点では残念ながら、かなりの確度を持って、こうした見通しで時期を、ということを申し上げられる段階ではない。できるだけ早期に収拾させるべく全力を挙げているという状況だ。

 それから、対応を待っている時間があるかということだが、少なくとも原子炉や燃料プールにある核燃料について、冷却が出来ているという状況、これをどれぐらい長期にわたって今のようなやり方で出来るのか、ということについての議論・検討は必要だと思うが、少なくとも当面は今のやり方の中で炉、燃料を冷やし続けるということをキープ出来る中で、しっかりと次の段階に進めていかないといけない。当面は冷やし続けることは今の状況では可能であると見ている。

 【避難指示地域の治安】

 ――原発周辺の避難地域の治安状況について。

 これについてはもちろん避難地域であるので適切な安全対策をとって頂いた上で、警察と自衛隊の皆さんには避難地域の中において、ひとつには残っている方がいないかどうか、そういう方に外に出て頂くということと同時に、そういった地域での一種の防犯等についても対応して頂いている。具体的にどのぐらいの方が入っているかは、むしろ治安の観点から申し上げないほうがいいのかなという風に思っている。

 【罹災(りさい)証明書】

 ――松本防災担当相が、罹災証明書の申請について、一括で全壊認定で簡素化すると発言。

 これはまだ最終的な決定というような相談等はまだ来ていないが、まさに被害の実態、状況を踏まえた対応で、松本防災担当相がおっしゃった方向というのは当然の前提となって進めていくべきだろうと思っている。

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