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プルトニウム監視強化を

2011年3月29日9時5分

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 福島第一原発の敷地内で検出されたプルトニウムは、原発の燃料であるウランが燃えたときにできる放射性物質のひとつ。核燃料が損傷して、様々な放射性物質が敷地内外で検出されている中で、プルトニウムの検出も時間の問題と考えられていた。ただ、実際に燃料内部の物質が屋外で検出されたことは、事故の深刻さを示すものでもある。

 プルトニウムは自然界にはほとんどない物質だ。だが、1950〜80年代の核実験で世界中に拡散、国内で今も微量に検出される。今回検出されたプルトニウムの濃度も、ほぼ同じレベルだったことから、プルトニウム自体が人体に与える影響はほぼないとみていい。経済産業省原子力安全・保安院も「ただちに健康に影響をあたえることはない」と説明している。

 放射性物質の危険性は、その量とともに、出す放射線の種類や体内に取り込まれやすいかどうか、どの組織にたまりやすいのか、といった条件で決まる。

 プルトニウムに汚染された食べ物をとっても消化管からは吸収されにくいが、吸い込んで体にとりこんだ場合、骨や肝臓にたまって内部被曝(ひばく)も含めて健康に影響を及ぼすことがありうる。とくに敷地内で作業する人たちにとっては、どんな物質がどの程度あるのかを把握しておくことが肝心だ。

 3号機は昨年、プルトニウムをウランに混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を一部に使うプルサーマル運転を始めた。燃料棒548本のうち、32本がMOX燃料だった。ただ、ウラン燃料を使う普通の原発でも、運転を続けていると核分裂に伴ってプルトニウムができる。普通の原発でも、発電量の約3割は、プルトニウムが燃えているためといわれるほどだ。

 1〜4号機で核燃料が損傷しているいま、プルトニウムはどの燃料からも放出されうる。放出量を見極め、人体への影響をできる限り小さくするために、しっかり監視を続けておくことが必要である。(小堀龍之)

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