2011年3月29日11時1分
福島県が保健師不足にあえいでいる。他県の自治体から派遣されているのは、宮城県の233人、岩手県の121人に対し、福島県は8人だけ。原発事故の影響が測りきれず、自治体側が派遣をためらうためだ。厚生労働省は福島県への派遣人数を増やすことを決め、29日、同省技官の保健師4人を送り込んだ。
厚労省は、全国の自治体に被災地への保健師派遣を呼びかけている。2〜3人1組のチームで避難所を回り、健康相談に乗るのが主な役割だ。
派遣先は、厚労省が自治体の意向を優先して調整。その結果、福島県への派遣人数が極端に少なくなった。現在、同県内で活動しているのは京都府と滋賀県から派遣されたチーム。いずれも線量計を携帯しながら回っている。
福島県も「県内の保健師が疲弊している」と追加を求めている。
同省は「福島に出すことを拒否する自治体はない」とするものの、27日には「原発の事故で派遣を躊躇(ちゅうちょ)している自治体は、再度ご検討を」とする文書を都道府県などに送付。これを受け、奈良、青森の両県や川崎市から計12人の派遣が決まった。活動地域は福島市や郡山市などで、いずれも福島第一原発から30キロ以上離れている。
厚労省の担当者は「福島県には、この程度の派遣ではまだ少ない」と指摘。被災地全体でも、依然として保健師が不足しているという。(山田佳奈、中村靖三郎)