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枝野官房長官の会見全文〈29日午前9時50分〉

2011年3月29日13時25分

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 枝野幸男官房長官の午前9時50分からの記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 原子力発電所事故への対応などについて総理に対して情報提供や助言を行うため、本日付で、多摩大学大学院教授の田坂広志氏を内閣官房参与に任命することとし、先ほど総理より辞令交付した。田坂氏は、原子力工学の分野においてすぐれた知見を有しているので、安全対策に関して助言などを行う。

 【原発事故】

 ――福島第一原発について。敷地内から微量のプルトニウムが検出された。危険性と、過去の水素爆発などで敷地外に拡散した可能性は。

 「東電の報告では、土壌5検体、5カ所から採ったものについて、プルトニウムが確認された。検出されたプルトニウムの濃度は、環境中に存在するフォールアウト、大気圏内核実験による放射性降下物の影響と思われる程度と同程度、濃度は同程度だ。ただし、そのプルトニウムの種類は、フォールアウトと異なるものが入っている。そういう濃度比率になっている」

 「今回の事故の影響が考えられる。引き続きこの事故の影響によって、高い濃度のプルトニウムが検出されるということになると、それは対応が必要になるので、引き続き継続的にモニタリングを続けていく」

 ――これまでも広範囲でモニタリング検査してきたが、プルトニウムについても広範囲で強化するか。

 「ここは専門家のみなさんの助言を頂きながら進めないとならない。ここまでのところは、プルトニウムは相対的に重いので、周辺地域のモニタリングをしっかりと行っていくことで、広範な地域でのモニタリングの必要性についての一定の判断はできるという種類の説明は受けている。実際に、濃度としては高いものではないが、原子力発電所に由来するプルトニウムが出ていると考えられる状況なので、さらに専門家のみなさんに助言を仰いで、どうした地域でモニタリングを行うべきかということは、常にチェックして参りたい」

 ――建屋外側から高濃度の汚染水。注水すればするほど汚染水が出る。原子力安全委員会の班目(まだらめ)委員長は「どう処理できるか知識を持ち合わせてない」と発言した。現状は手詰まりなのではないか。

 「原子力安全委の委員の先生も、原子力関連の専門家の皆さんといってもそれぞれ分野があるわけで、班目委員長の専門はそういった分野ではないと思う。なので、委員長としての認識ではないと思う、個人として。今、安全委員会の助言を頂きながら、原子力安全・保安院と東電中心に、出てきている水をどうやって安全に排出するか、それをキープ、確保するかについてはさまざまな検討作業を進めている。現時点で、こういうやり方をしますと確定的なことを報告する段階ではないが、様々な検討、手段についての精査が行われている現状だ」

 ――様々な方法を模索ということだが、注水と排水のバランスが困難ではないか。作業を開始するメドは。

 「注水については原子炉、あるいは燃料棒の温度が高熱になって空だきになるのは避けないとならない。この冷却は優先して進めないとならないと思う。一方で、水についてはできるだけ早いほうがいいということで、検討と作業を進めている状況だ。本当に可能な限り早くというのが今の状況だ」

 ――排水が必要だからといって、注水を止めることはないということか。

 「少なくとも両方の状況を見ながら、注水の方を必要あればやらざるを得ないだろうとみている」

 ――やらざるを得ないとは。

 「つまり、注水を止めることで燃料棒が高熱になる、空だきになるような状況は、これは全体の状況からみれば優先的に阻止しないとならない状況だろうと思う。ただ、できるだけ注水量が少ないなかで、燃料棒の温度が上がらない状況をキープするというための努力は進めている。ただ、やはり抜本的には水を抜いていくということを、できるだけ早く進めていかないとならない状況だというのは間違いない」

 ――プルトニウムが出たということは、核燃料の損傷が進んでいるのではないか。

 「核燃料に由来すると思われる濃度比率のものが検出されている。燃料棒から出ている可能性が高いというか、ほぼ間違いないだろうという状況だろう。これは、周辺のたまり水の濃度が非常に高いこととあわせて、燃料棒が一定程度溶融したと思われることを裏付けるものである。このこと自体は大変深刻な事態だが、そのことによる周辺部への影響をいかに阻止し、収束させるかということに、いま全力を挙げている」

 【首相の情報発信】

 ――震災前には毎日、首相発言があった。震災後は数回しかない。国民には違和感がある。危機的状況が長期化、日常化していくなかで、今後首相は日々どうメッセージを発信し、リーダーシップをとるのか。

 「ここは震災に対する対応、原子力発電所に対する対応、最高責任者としてしっかりとその対応に万全を期しないとならないという、これが最優先課題だと思う。と同時に、内閣総理大臣として国民の皆さんにしっかりとしたメッセージを発信していくということも、それに次いで重要な役割があることは間違いないと思う。できるだけ、国民の皆さんへの発信については、関係大臣、あるいは私が代われるところは、この間代わって、そのことで最高指揮官としての総理の業務をできるだけ優先できるようにとやってきているところだが、いまご指摘のように、長期にわたっているという状況のなかで、どう総理としての国民へのメッセージというものの時間というかエネルギーを確保するかは、この間も検討してきているところだ。いまの指揮官としての判断、指揮との兼ね合いのなかで、ある程度の時間とエネルギーを国民へのメッセージに注がなければならない必要性は、日々高まっているとは認識している」

 ――国際社会からの支援やメッセージに対し、首相としてメッセージを発信する必要があるのではないか。

 「この間も、オバマ米大統領はじめ、幾つかの国の首脳とは電話会談などで、直接、支援への感謝などを含め、コミュニケーションをとっているが、さらに外務大臣と役割分担しながら、国際社会とのコミュニケーションをしっかりとっていかなければならない」

 【東京電力】

 ――一部の報道で東京電力の国有化を政府が検討とあるが、事実関係は。

 「現時点で、そういった検討を政府の機関で行っていることはないと認識している。まずは東京電力として事故の収束に全力をあげ、その上で事故の影響を受けている皆さんに対する対応をしっかり行って頂く、まずはそのことに全力を尽くして頂くということについて、政府としてしっかり指示をする段階だ」

 【田坂広志内閣官房参与】

 ――内閣官房参与になった田坂氏だが、大学で原子力の講義をされていないが、なぜ選ばれたのか。参与はどういう基準で、誰が選んでいるのか。

 「原子力工学の分野に識見を持たれた上で、様々なリスクコントロールなどについての知見をお持ちであるという総合的なところでお願いをしたと聞いている。原子力に関する分野は専門性が分かれていて幅広いから、炉の専門家とか放射線の専門家とか、様々な分野の専門家とそれを横断的に一定の知見を持っている方、両面が必要だと私も思っている」

 「どなたをどうお願いするかという基準は、なかなかひと言で抽象的に申しあげるのは難しいが、民間の方を含めて、様々な方にこの間、意見、助言は頂いているが、政府の立場をしっかりと持って頂くことで、公務員としての様々な責任と同時に公務員だからできる部分があるので、そういう身分を持って頂いたほうが、助言を頂く上でプラスであるという状況ならば、そうした参与などの立場を持って頂いた上で、助言を頂くと。それ以外の立場の皆さんからも、純粋に民間の方からも、助言はたくさん頂いている、そういうところに違いがある」

 【被災者の被害認定】

 ――被災者の被害認定の基準。被災地で半壊にとどまっている世帯が避難所に入れず、ガス、水道もない自宅での居住を強いられているケースがある。半壊世帯をどうするべきか。被害認定基準の弾力的な運用をどう考えているか。

 「被害認定基準がそもそも直接避難所で受け入れてサポートする、しない、できる、できないということとダイレクトにつながっているとは私は認識していないが、家屋の損壊による事実上の補償のような話があるが、そういうところは全壊と半壊で、従来から制度があるが、それについての全壊の認定については、昨日申しあげたが、かなり柔軟にやっていこうという措置はとっている」

 「避難所に避難頂くうんぬんについては、その全壊か半壊が直接の基準ではなっていないと理解しているが、その点が現場の市町村で誤解、徹底がされていない、あるいはこの間の、色々と大きな動きがある中で、もしどこかの部局から誤った指示がなされているとすればいけないので、それは確認して、全壊半壊にかかわらず、当面の避難のことについては事実上、それぞれの自宅で生活できないという事情に基づいて、対応すべきであると思うので、確認をした上で徹底したい」

 ――現場では、ヒアリングの段階で、被災状況をみて重い方を優先するという運用がされているようだ。

 「それはそれぞれの地域ごとの避難所のキャパシティーとの問題で、現場の判断でそういったことはあり得るだろうと思う。ただ、それについては避難所のキャパシティーそのものについて、国の支援でより広範に、必要な方が受けられるように、こういう支援はさらに強化しなければいけないだろうと思う」

 【池田経済産業副大臣の発言】

 ――池田経産副大臣が原発事故の行方について、「神のみぞ知る」と発言したことについて。

 「私はとにかく菅総理を先頭に全力を挙げて、これ以上悪化させないための努力を最大限努めていくのが、政府の役割だと思っている」

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