現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

天井崩落、女生徒救う 中1柔道部員「日本一強い男に」

2011年3月31日17時2分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:校長賞を贈られた瀬内龍虎くん=栃木県下野市の国分寺中学校拡大校長賞を贈られた瀬内龍虎くん=栃木県下野市の国分寺中学校

 東日本大震災が起きた今月11日、栃木県下野市の市立国分寺中学校の体育館で、同中1年の柔道部員、瀬内龍虎君(13)が、崩れ落ちる天井の下から女子生徒を助けた。自身も落下物が肩にあたり、けがをするなか、女子生徒を上から覆うようにして壁際まで移動させた。とっさの判断だったが、「勇気ある行動」として校長賞が贈られた。

 この天井の崩落では生徒20人がけがをした。1、2年による合同学年集会が午後3時から開かれる予定で、多くの生徒が集まっていた。

 地震が起きた午後2時46分。瀬内君は体育館のほぼ中央に座っていた。揺れ始めてからまもなく、天井から小さな木片のようなものが落ちてきた。さらに揺れが激しくなると、大きな規模で天井が落ち始めた。

 みんなと一緒に瀬内君が壁際に避難しようとした時、同じクラスの女子生徒が、落ちてきた照明器具で頭部にけがをし、額から血を流しているのに気づいた。とっさに駆け寄り、声をかけたが反応がなかった。落下物からかばうように自身の体で覆い、壁際に向けて引っ張った。途中、瀬内君の左肩に、落ちてきた大きな壁材がぶつかった。瀬内君は右手一つで女子生徒を運び切り、担任の教諭に女子生徒を託した。

 瀬内君の目標は、柔道を通して「日本一強い男になる」こと。そのためには、日本一謙虚で、努力して、そして「優しくなる」とノートに記している。

 この行動に新村純一校長が感動。校長賞としてたたえることを決めた。賞状には「その勇気を讃(たた)えこれを賞します」と記された。助けた女子生徒からは、「助けてくれたんだって。ありがとう」と言われたという。

 瀬内君は、昨年9月の柔道の県大会新人戦で1年生ながら81キロ級で準優勝を果たした。けがの痛みはまだ残っているというが、「日本一強い男」を目指し、練習に励んでいる。(大津正一)

検索フォーム

おすすめリンク

日清戦争の屈辱を晴らすための念といえる「中国夢」とは?習新体制の対日外交を占う。

「東電さん」の恩恵を受け、「ふくいち感謝デー」にも毎年参加していた生活が一変して…。

禁漁になったら食べていけなくなる。漁協が考えついた苦肉の策は……。

「ゲリラ豪雨」への対策はまだ不十分。幾多の風水害の経験をどう生かしていくか。

人命優先で後回しにされた動物たちの「いのちの記録」は重い教訓を残している。

魚の放射能汚染を調べたいのに、船も検出器も技術もない――海に生きる人々の苦悩を追う。

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧