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枝野官房長官の会見全文〈5日午前10時〉

2011年4月5日20時32分

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 枝野幸男官房長官の5日午前10時の閣議後会見の全文は次の通り。

 【冒頭発言】

 「本日の閣議の概要は、一般案件等6件と条約公布、法律案、政令、人事が決定した。大臣発言として私から我が国の対北朝鮮措置について申し上げた」

 「閣議の前に公務員制度改革本部が実施され、国家公務員制度改革基本法に基づく改革の全体像を決定した。今通常国会には自立的労使関係制度の措置を始め、幹部人事の一元管理、退職管理の一層の適正化などを実現するための法案を提出する予定であり、法案提出に先立ち法案の骨子を含む改革の全体像を示すものである。本部では総理から『国民のニーズにあった行政サービスを提供し、公務員がやりがいを持って仕事のできる制度を構築するため、本日決定した全体像に沿って関連法案の提出に向け、準備を進めるように』と指示があった」

 「今回決定した全体像では公務員の再就職規定に関し、新組織である再就職等監視適正化委員会の設置前に現行の再就職等監視委員会の監視機能の強化を先行的に実施することとした。このように再就職規制の監視の強化の道筋を明らかにしたことを踏まえ、法改正を待たず、まず現行委員会の同意人事案を今国会中にできる限り速やかに提出し、規制違反行為に対する監視に万全を期することとしている」

 「なお本日この本部を開いたのは、震災前からの予定ではより早い時期に本部を開催して今国会提出のための法案作成作業に入ることを想定していたが、大震災発生によっていったんその作業が止まっていた。ただ、大震災発生前の段階で大筋、本日に本部決定した内容については方向性が固まっていたものであり、まず本部を開催してこれを本部決定としなければ、逆にその後の法案作成作業に入れないので、本日本部を開いて全体像を確認し、事務的な作業を進めていくことにした。以上だ」

 【汚染水放出】

 ――福島第一原発で海洋への汚染水放出が始まった。政権としてどのような認識か。また、汚染拡大を防ぐための措置は?

 「より高い濃度の汚染水が海水に流出することを防ぐため、やむを得ない措置であるとはいえ、意図的に放射性物質を含んだ水を流さざるを得ないというのは大変残念なことであり、また大変申し訳ないことだと思っている。まずは何といっても、高濃度の2号機のタービン建屋にたまっている水、こうした処理をしっかりと行うとともに、こうした水が出てくること自体を止めるという努力をしっかりと進めなければならない」

 「また、今回の措置も含めて、海への影響についてしっかりと安全性を確認するためにモニタリングを強化することをすでに決めて着手していると同時に、海に流出している物質の飛散を防ぐために、原発周辺の幾つかのポイントで拡散を防ぐための措置について、複線的に様々な手段を検討して準備を進めている。できるだけ早く、海への拡散を防いでいくという措置をとるよう督促をしつづけなければならない」

 ――拡散を防ぐ具体的な措置は?

 「海の方のある部分で、フェンスのようなものでそれ以上の拡散を防ぐなどの措置について、どういうやり方が一番早く効果的なものができるか同時並行でいくつかのことを進めている」

 ――国際法の海洋汚染防止条約に違反するのではないかと思うが、周辺国には説明をしているのか。

 「条約に基づいての通報はしている。ただこの場合、周辺国というのが太平洋側なので、直接に個別の国というよりも国際機関の方に報告している」

 ――茨城県沖のコウナゴから高レベルの放射性ヨウ素が検出された。汚染水放出による魚介類への影響をどう考えるか。

 「昨日、そうしたモニタリング結果が1件とはいえ出ているということは大変残念に思うし、また漁業者をはじめとして関係者の皆さんに大変申し訳ないと思っている。ただ、なおこれはモニタリング結果であり、当該地域、福島県沖は漁業を再開していないし、当面再開する予定もない」

 「それから茨城県沖についても、今回のモニタリング結果も踏まえ、安全の確認されたところのみ、あるいは安全を確認されている魚についてのみ、漁業再開できないかという方向でモニタリングをさらに強化して進めていくということなので、まずは風評被害にならないよう国民の冷静な受け止めをお願いしたい」

 「そして、今回のモニタリング結果の原因になっているのは、非常に高濃度の水が流れ出ていたということに起因するものだ。まずは高濃度の水が流出することを阻止するために、やむを得ない措置として低レベルのものついて放出するということにしたものであり、それによって海への影響の広がり方がどう変わるのかということを、しっかりとモニタリングを進めてまいりたい」

 「また風評被害を防ぐ上では幅広く、なおかつできるだけ多数のモニタリングをしっかりと行って、安全性を確認しながら進めてまいりたい。根本的には、汚染水の流出を食い止めるという根本的な措置を急がせることに尽きる」

 ――魚介類についても出荷規制のような措置を採る考えはあるのか?

 「現状でもセシウムについては暫定規制値がある。ヨウ素については半減期が短いので、そうした観点も踏まえて暫定規制値を設けていなかったが、これについての早急な検討は指示している。ただ、実際に措置を採るかどうかというのは、さらにモニタリングを行っていくなかで、あるいは海水の汚染の状況の動向を見極めた上で、遅れてはいけないが分析して進めてまいりたい」

 ――今回は低レベルの汚染水なのでやむを得ず了承したということだった。それでは、2号機タービン建屋にたまっているような高濃度汚染水は海に放出しない、ということでいいか。

 「現実に事故が残念ながら発生してしまって、それに起因して高濃度の汚染水が出ているという現状の中で、できるだけ被害の影響を小さくするということの中で、相対的な判断として今回の判断としては了としたもの。本来からいえば、低レベルといえども放出すべきではないのが当然の姿勢だ。あくまでもより大きな被害、影響を防ぐための相対的な措置という考え方の中で今回の措置を了としたものだ」

 【避難区域】

 ――原発周辺の避難区域について、見直し状況はどうなっているのか?

 「ここ数日言っている通り、様々なサンプリングのデータをしっかりと分析し、当該地域におられる、あるいは当該地域における様々な影響について、しかも今後一定程度、長期にわたることを想定した分析を進めて頂いている。かなり分析はまとまってきているが、まだ最終的な分析結果、判断を下せるような分析結果までなっていない。これは、もうそんなに時間かからずできると思っている」

 「その上で、それに基づいてどういった対応を住民のみなさんにお願いするかということについて、きちんと混乱なき対応を進めていけるよう準備を進めた上で、必要に応じて指示の内容が変更されることはありうる。今の段階で時期があるとして、いつからいつになるのかということを、ちょっとまだ申し上げる段階ではない」

 ――先日の会見では、放射線の影響ではなく生活継続の困難性を根拠にした指示ができるか法解釈を検討中だと言っていたが、それを理由にした避難指示もあり得るのか。

 「最終的なところでは、まず最優先というか大前提になるのは科学的な安全性の観点だ。安全性の観点で退避が必要なところはきちんと退避をお願いするのは当然の前提になる。その上で、私が従来言っているような社会的な必要性あるいは社会的な妥当性の観点をどの程度加味するかということは、科学的な分析が判断しうるに値するところまで整理されたうえで、どれくらい加味するかを検討することになる」

 【会期延長】

 ――震災対応の補正予算審議などのため、大幅な会期延長論があるようだが。

 「具体的な話はまだ何も決まってないし、具体的にしかるべきレベルで相談をしている段階ではない。これは、がれきの処理に代表されるような当面の措置についての一次補正や、当面の措置について必要な法律の制定などについては政府・与党で連携をとって、野党の皆さんとも相談させて頂きながら調整に入っているところ。その次の段階について、どういうタイミングで、例えば補正の規模や内容を確定できるのかについては、まだ方向性を明確にできる段階ではない。そうしたことが具体的になった段階で初めて具体的な検討をする必要がある」

 【温室効果ガス】

 ――震災の影響で、温室効果ガスの削減について未達成国に対する処分を免れようとする方針を政府が固めたと一部報道があるが。

 「一部報道があるが、現時点では今回の災害による様々な影響をしっかり把握する、同時にこの災害からしっかりと復旧していくということに全力を挙げている状況。それを超えたところで何かの方針を固めたり、検討したりということはない」

 【IAEA】

 ――ウィーンで開幕した原子力安全条約検討会議をめぐり、日本政府とIAEA共催のセミナーが非公開になるとの一部報道があるが、その理由は?

 「IAEAの会議ですね? だとすると外務省に詳細をおたずね頂きたい。直接官邸に具体的中身について報告が上がってはいない」

 ――経産省原子力安全・保安院も参加予定だ。

 「それは経済産業省におたずね頂きたい」

 【北朝鮮制裁】

 ――北朝鮮への制裁措置を延長した理由は?

 「正確に言うと、閣議で1年間の延長を決めた。それを踏まえ、私の方から執行に当たって関係省庁の密接な連携と厳格な対応をお願いした、というのが私の閣僚懇での発言内容だ。言うまでもないと思うが、北朝鮮については拉致問題についての進展に向けて努力する姿勢が今のところ全く見られないことに加え、砲撃事件以後も残念ながらそれに対する真摯な対応が見られない状況にある」

 「拉致問題の解決、そして核、ミサイルの問題を含めた解決については、まずは北朝鮮においてしっかりとした対応をとって頂くことが必要であり、そこに向けて我が国としては今日延長した制裁措置を含め、関係国としっかりと協調、連携しながら従来の姿勢をさらに強化して参りたい」

 【原発補償】

 ――東京電力が放射能被害を受けた農家や住民に仮払金を払う方針を固めたとの報道がある。東電から何か報告はあったか。

 「東京電力においては発電所の事故によって被害を受けた方々に、誠意をもってしっかりと補償を行って頂くべく政府としても指示しているし、東電としてもそういった姿勢を政府に対しても示しているところだ。特に全体の被害補償についてはともかくとして、まず当座の資金ということで、避難されている方々はじめ大変困っている状況だ」

 「政府の災害支援の枠組みの中でできることについての政府として緊急性をもってという意識でいま検討作業を進めているが、東電においてもそうした観点からの対応をするべく検討を進めて頂いていると聞いている。ただ現時点で最終的な決定をしてないので、内容について報告するのは、そう遠からず内容について当然政府としてもそれについては話を受けたまわらせて頂き、確定したうえで報告できると思う」

 ――原発の被害者は被災者生活再建支援法の対象になりうるのか。

 「この原発被害者の皆さんは、原発事故の被害を受けられた方という枠組みでの支援というか補償、広い意味での補償。それから、大きな意味での震災の影響をうけて、実際の生活に困っておられる方に対する政府としての支援という枠組みと、あえていえば二つの枠組みがかぶさって重なっているところだ」

 「最終的にその二つの重なりをどう調整するか、というのは将来的な課題かもしれないが、今の時点ではまず避難されている方を始めとして、被害を受けられている方の当面の生活ということをしっかりと支えることがなによりも優先だと思う。いま言った東電の方が主体として、政府として検討をもとめて東電が検討している側面と、それから政府の方で持っている今の枠組みについての対応、これについても現行法で最大限できる部分と、場合によっては特別措置法のようなものが必要なものと、両面から検討している状況だ」

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