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枝野官房長官の会見全文〈5日午後〉

2011年4月5日20時34分

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 枝野幸男官房長官の5日午後の記者会見は次の通り。

 【冒頭】

 「まず残念ながら1検体、魚から放射性ヨウ素が検出されたという問題を踏まえて、本日、原子力災害対策本部から原子力安全委員会に対して魚介類の放射性ヨウ素について、飲食物摂取制限に関する指標に示されていないことを踏まえ、当面、飲料水および牛乳品以外の食品として暫定規制値が示されている野菜類と同一の暫定規制値とすることについて、緊急に助言を要請した。原子力安全委員会から助言を受け、直ちにその助言結果を原子力災害対策本部、厚生労働大臣に伝えた。魚介類の放射性ヨウ素については、暫定的に野菜類と同一の規制値を準用するよう対応方針を示した。厚生労働省においては直ちに対応する旨の報告を受けている。詳しくは厚生労働省にお尋ねいただければ」

 「次に被災地向け広報について。明日4月6日から新たに地方紙に震災関連の政府からの生活情報を掲載することとした。岩手、宮城、福島の地方紙17紙、約200万部に週2回掲載していく予定だ。なお、震災の被害が激しい避難所には壁新聞、比較的軽いところには今回のような地方紙の掲載ということで被災地の、特にネットを使えない方に関して、直接紙媒体で政府からの情報を届けていくことになる。今後とも毎日のラジオ放送、週2回の壁新聞、地方紙により、被災地に向けた情報をきめ細かく発信していくことに努めたい。なお、明日、壁新聞の第2号を始める。今回、福島県には原子力発電所事故の関係で特に気を付けるべき点などを記載した福島版の壁新聞を追加的に配布する。なお、官邸ホームページは各府省の震災に関する情報サイト約110件とリンクしている。ホームページの利用者は1日約150万件、累計で3700万件に上っている。ツイッターのフォロワーは31万人になっている。こうした各種ツールを通じて、さらにきめ細かく、被災地の皆さんに情報を伝えたい」

 「三つ目は、政府における義援金の受け付けについて。未曽有の災害である東日本大震災を受けて、被災者の方々に支援を希望する国内外の声が政府にも数多く寄せられている。民間の赤十字、各種団体が義援金の受け皿として努力しているところだが、政府に対して直接受け皿となるようにという要請・要望もこの間多々きている。こうした状況を踏まえ、政府としての義援金の受付窓口を本日から設置することとし、これにより今回の被災者に対する各方面からの支援の機会を拡大する。なお、あくまで政府は預かるもので、義援金は地方自治体を通じて被災者の方々に届ける」

 【魚介類の基準値その1】

 ――野菜と違い、魚の摂取制限の対象の考え方についてどう考えるか。

 「まず、現段階では検出されている茨城沖のコウナゴについては、漁業者の皆さんの自主的な判断で出荷、漁自体をやめている。今後、規制が必要だという状況になった場合、それぞれ水揚げ港と同時にどういった地域を漁場としているかについても、把握できると農水省から説明を受けている。当然、魚は動き回るが、モニタリングなどによってどういった地域にリスクがあって、どういった地域が安全であるのか、かなりしっかりと把握をしながらやっていかなければならない」

 ――対象地域を越える魚も出てくるのは。

 「もちろんそういった事態はあり得るから、広範な地域でモニタリングを行うことになる。その結果として、当該地域では高い数値が出ているけども、例えば隣の所で出ているのか、出ていないのか、そういうところから判断する」

 ――食物連鎖の観点からはどう考えているか。

 「当然その可能性はあるわけなので、専門的な見地からさらにきちっと整理をして分析をして、報告頂こうと思っている」

 ――コウナゴの規制はしないのか。

 「現時点では直ちに規制をするということよりも、出てきているのは1検体なので、しっかりとモニタリングを行って全体の状況をしっかりと把握したうえでやっていきたい。現時点では、そうした地域で出てきているコウナゴについては食卓に上る可能性がない、ということを前提にしっかりとモニタリングして対応していきたい」

 ――茨城沖で漁をした漁船が銚子で水揚げを拒否されたことについては。

 「しっかりと情報提供を政府、農水省としてもやっていかないといけない。今回もいくつもの魚の種類、茨城県沖といっても何カ所もモニタリングを行って、そのうえで1検体、しかも、専門的にも非常に小さな魚であると。その生育とかの状況から考えても、そこでヨウ素が出てきているからといって他の所で出ていないということには合理性もあるということだ。従ってそうした過剰な一種の風評被害につながるようなことは冷静に対応して頂きたいが、そうした対応して頂くためにも、農水省を通じて、しっかりとした情報の提供を関係者にして参りたい」

 【汚染水の放出】

 ――海への放出について、韓国などが反発しているが、政府の対応は。

 「まず、当然、国連海洋法条約で海洋汚染を防止する一般的義務を日本も負っている。今回のことが直ちに差し迫った汚染の影響を周辺各国に及ぼすものではない。ただ、今回は原子力という非常に関心の高い問題なので、原子力事故早期通報条約があって、これの関連規定に基づいて国際原子力機関(IAEA)及び関係国に自発的な情報提供をしている。昨日、原子力安全・保安院からIAEAに対して事実関係の通報もしている。外務省から4日、定例の外交団向けブリーフィングの中でも今回の措置を説明している。また、すべての外交団向けに外務省から出しているFAXでも報告している。韓国大使館からは外務省に対して事実関係の照会があった。当然事実関係をしっかり説明した上で、国際法上の関係はどうなるんだ、という問い合わせもあったので、今のように国際法上直ちに問題が生じるとは考えていないということを伝えたが、近隣の国をはじめ関係国は当然、関心が高いと思うので、外交ルートを通じた適切な説明をさらに徹底したい」

 ――韓国自らが海域の調査をしたいとの意向があるが、その対応は。

 「申し出があれば、関係省庁、これは外務省と農林水産省になるのか、あるいは外務省限りでいいのか、意向を踏まえたところで、ご相談いただくことになる」

 【魚介類の基準値その2】

 ――魚の産地表示が水域特定できない場合、水揚げ漁協ないしは県名になるが、仮に水域が茨城県沖の場合に、例えば静岡で水揚げすることも今後は想定されうる。魚の産地表示について、今後考えないといけない点は。

 「まず、野菜などについてもそうだが、いわゆる風評によって安全なものが売れなくなる、あるいは値段が大幅に下がるというような事態は、これは生産者あるいは漁業関係者にとってだけではなく、本来安全に食に供されるべき農林水産資源がいかされないことになって、広い意味で社会的な影響がある。政府は、そういうことをできるだけ防ぐための努力をさらにしなければならないと、反省も込めて思っている。そうしたことのなかでは、まさに放射性物質が一定程度含まれている可能性のあるものは、流通に乗らないんだということをしっかり徹底することは、漁業関係、水産関係のみなさん含めて共通の目標、目的だ。そうした観点から、農水省において漁業関係者ともしっかり相談しながら、暫定基準値を超えるようなものがあれば絶対流通にのせないということについて、いま指摘いただいた表示の件を含めて、検討し、相談していきたい」

 ――「広範な地域でモニタリングを行う」とは、どの範囲のことか。

 「それは農水省と保安院などで具体的な調整をして、できるだけ広範、多岐に、可能な限りにということで報告をうけているので、そちらの方に問い合わせて下さい」

 【南相馬市の避難計画その1】

 ――松下経産副大臣が、事務次官連絡会議で、20〜30キロ圏内の屋内退避の南相馬市の住民1万8千人について、一両日中に避難計画をつくると表明した。これは避難指示を拡大するということなのか。

 「いえ。その問題とは別次元として、当然屋内退避エリアになっているということは、何か原子力発電所の方で、事態が悪い方に急激に悪化した場合には、場合によっては退避を頂く可能性がある。その場合に備えて、しっかりとそのオペレーションは事前に想定しておく、ということの流れのなかでの話だと聞いている。そうしたことは、それぞれの自治体ごとにしっかりと経済産業省の方で相談し、支援すべきところを支援したなかでそういう対応をとって頂くのは大変望ましいことだと思っている。そうしたこととは別次元で、退避エリアについて科学的分析もかなり進んできているが、それを踏まえて判断をしていかねばならない」

 【原子力安全・保安院の独立】

 ――原子力安全・保安院について、地元知事らが分離して独立した機関にして欲しいという。何か大枠の方向性は。

 「今、現に原子力発電所の事故に対する対応は、現在進行形で原子力安全・保安院を含めて総力あげて事態の収拾に取り組んでいるところだ。今の段階で組織論をどうこうすると、率直に言っていろんな意味での余裕はない。事態が収拾したうえで、そうした段階で様々な声と今回の事故についての検証を踏まえ、対応していくということだ」

 【海域の影響調査】

 ――汚染水の流出は続く。現場の周辺の海域における放射性物質の流れや、想定される海域の影響範囲についてマップの作成を東電や関係省庁に指示する考えはあるか。

 「指示の前段として、そういう技術、能力、情報があるのかどうかを把握したい。気象の場合ならある程度、そういったものがあると想定されるが、海でどの程度対流、海の水の流れなどについてのデータが政府として、あるいは国内の様々な機関で把握できるのか、これは調べたいというか、調査したい」

 【農水省への事前報告】

 ――鹿野農水相は汚染水の放出について「農水省に報告がなかった」というが、事実関係は。

 「事実関係として、報告がどの段階で大臣に対して、どの段階であったのかを私は承知していない。当然、関係大臣には事前に報告すべきだと思うので、もし前後関係が後になっていたとしたら、それはしっかりと確認して整理して、今後そういうことのないようにしたい」

 ――まだ鹿野大臣からその件について話はないのか。

 「私のところには来ていない。もしかすると、事務レベルのところで指摘などがあるのかもれない。いずれにしろ、しっかりと事実関係をはっきりさせたうえで、こうしたことについては関係すると思われる省庁にはしっかりとあらかじめ連絡しないといけない」

 【義援金の配分】

 ――義援金について、配分される時期的なメドはあるのか。

 「とにかくできるだけ早くということで、関係機関、赤十字や共同募金会と相談しながら、なおかつ国として各県単位の前段階で、国の方で一定の役割を果たさないと、これだけ各県横断的になっているので、前に進まないということなので、その作業はかなり早急に進めている。そんなに遠くなく、各都道府県のレベルに、作業を進めてもらえる段階に持っていけると思う」

 【電力使用制限令】

 ――電力の供給不足について、海江田経産大臣が大口需要家に対し、法律に基づいて、電力の使用に制限をかけることが必要と発言した。長官はこうした制限が必要だと思うか。検討はどこまで進んでいるのか。

 「まずは、こういったことについては、国民の皆さん、大口需要家ということであれば、大口需要家の皆さんにそれぞれの事業に影響を与えないやり方で、電力消費量の抑制、特にピークの抑制について、協力をお願いをするということがまずは基本ではないかと私は思っている。その上で、大口需要家の皆さんに協力を頂けるとしても、じゃあ協力をしたところだけが協力をして、それ以外の人はどうなんだということも当然出てくると思うので、当然検討、考慮の中には入れなければいけないと思っているが、まずは基本は、個人もそうだが、まずは実際の今の供給体制を踏まえて、それぞれ事業なり、生活なりに一番影響を与えない形での協力のいただき方を相談させて頂くことが、まず前提にならなければいけないと思っている」

 ――対策がなくても、夏場の需要が多い時期を乗り切れると考えているのか。

 「様々な形で、需要を相当程度抑制をする、あるいはピークを分散させるというようなことがなければ、現状の供給量では、夏場においては電力需要をまかなえない、というのはほぼ間違いない。ただ、それに対して、需要をどうやって抑えるのかということにあたって、はじめから強制的なことをというよりは、まずはそれぞれの事業や生活に一番影響のないやり方で、抑制に協力をお願いして、そしてそうした協力を踏まえた上で、考えていくのが私は物事の順番ではないか。計画停電については、地震発生直後に、供給不足ということがあったので、計画停電という、一種強制的なやり方で、かなり不便、無理をかけたので、特に夏場の需要の伸びに対しては、まずはそれぞれの事業の観点から、一番事業計画など、影響を与えないやり方での協力をまずはお願いするところから始めていきたい」

 【米原子力空母】

 ――アメリカの原子力空母ロナルド・レーガンが撤収するという報道があり、これに対して、放射能汚染から避難するためではないかという観測も出ているが、日本政府はアメリカ側からどういう説明を受けているのか。

 「少なくとも、いま指摘されたような理由は全く聞いていない。この間、震災の救援、救難活動に対し、大変な協力を頂いてきた。米軍として協力を頂いた。その一つの拠点として、当該空母は大変な活躍をして頂いたと思っている。そうした協力の一つの区切りということもあるんだろうし、あとは米軍の中のいろんなオペレーションのことではないかと思う」

 【東電の賠償問題】

 ――東電の賠償について、海江田大臣が会見で週内にもチームを作ると述べたが、どういうものになるのか。

 「いま、原子力事故による様々な影響を受けている皆様に対する対応、これは原子力災害対策本部の下に、いわゆる生活支援的な部分についてのチームを作って動かしている。その上で、今後、賠償の問題になり、長期化した場合の経済的損失をどうするのかという大変大きな課題を抱えているということの中で、どういう態勢でそれに対処していったらいいのかと、補償とかの話になると、一義的に東電の話を政府としてどうバックアップするか、それを超えて政府として直接やるべきこともあるだろう。様々な観点があるので、今の段階で具体的にどういう態勢でということは、いま詰めている段階だ」

 【公明党との協力】

 ――先ほど総理が公明党の山口代表に会った。公明党も補正予算に協力する姿勢を示した一方で、山口代表は総理から具体的な協力の方法は提案を受けなかったというが、今後どのように協力していくつもりか。

 「協力をいただくわけだが、そうした協力を頂けるとおっしゃっていただいたことは、改めて大変力強く、感謝申しあげる。具体的にどういった形で、公明党の補正予算に関する意見を、政府としての決定に集約、反映していくのかについては、この間も政党間のチームを通じて、あるいは幹部の方から様々な要請をいただく形で、公明党からの意見や情報については、大変有意義なものが多く、それを活用させていただいている。今後も公明党を含め、各党の意見や情報をできるだけお寄せいただいて、それを踏まえた対応をしていきたいと思っているので、それについては一義的には政党間の協議の枠組みというか、そういった形で対応していただくことになろうかと思うが、それについては党ともしっかり相談し、具体的な手順とか、やり方を決めていきたい」

 【大連立その1】

 ――公明党、自民党に政権入りしてもらう大連立についての考えは。

 「それは私に対してですか? 私はここ数日来、何度か申しあげている通り、こうした大変大きな災害を前にして、各党ともすべての政党が国会についてもすでに協力頂いているし、この間も様々、有意義な意見、情報をお寄せいただいている。また、震災対策については、党派を超えて協力をするという大変ありがたい発言も繰り返しいただいている。私はそれをしっかり受けとめて、そうしたことの中で、様々な情報や意見を十分に生かさせて頂く中で、震災対策に万全を期していくというのが政府の役割だと思っている」

 【南相馬市の避難計画その2】

 ――各省連絡会議での松下経産副大臣の発言だが、20キロ〜30キロ圏で着手しているのは南相馬市だけか。

 「それぞれの自治体ごとの事情もあるので、残念ながら若干遅れたが、経産省が各自治体とできるだけ直接、本省で把握できる形で、情報や意見のやりとりができる構造ができてきているので、それぞれの自治体の事情や意見を踏まえながら、対応していただいているので、それぞれの自治体でどういう対応しているのかを、了解なく、私から、中央政府から申しあげるべきではない」

 ――南相馬は準備が整ってきているということで発言したのか。

 「直接、南相馬の市長さんなどと、そういった話をされているのが松下副大臣なので、そういったことを踏まえて発言されたのではないかと思う」

 【大連立その2】

 ――連立をめぐる長官の数日来の発言は、大連立は不要だという認識か。

 「必要だとも不要だとも申しあげていない。申しあげている通りだ」

 【首相のぶらさがり】

 ――総理のぶら下がりについて。長官はやらない理由について、平時よりも判断することが多いとしているが、総理は昨日も20時前に公邸に戻っている。理由としてそぐわないのではないか。政府が国家的な危機を唱える一方で、トップが国民に説明しない理由はどういうことなのか。

 「国民に可能な限り、直接総理から発信すべきことは発信することが必要であるということは、総理室のほうにも私からも申しあげている。なお、官邸におるか、公邸におるかで、ある種の部分の仕事は官邸でないとできない、事務方の相談など、その他については官邸でやることが合理的であると思うし、私もそうしているが、じゃあ公邸に帰ったから仕事してないかといえば、必ずしもそうではないことは皆さんも承知かと思う」

 ――現状のあり方は健全か。

 「それは総理室で、総理の日程を踏まえて判断されている」

 【北朝鮮制裁の延長】

 ――今朝の会見で、北朝鮮の制裁決議延長を冒頭で説明しなかった理由は。

 「いつも閣議、閣僚懇の内容については、件数と閣議、閣僚懇で大臣発言があった場合の、発言の項目について報告するのが、閣議についての報告の従来の慣習、慣例だと思っているが、それにのっとって行っただけだ」

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