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枝野官房長官の会見全文〈7日午後4時過ぎ〉

2011年4月7日22時52分

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 枝野幸男官房長官の7日午後4時過ぎの記者会見の内容は、次の通り。

 【冒頭発言】

 「まず、私から1点。被災者のみなさんからの要望も強く、県ごとの対応がなかなか難しいということで、ご心配をおかけしていた義援金の配分について『義援金配分割合決定委員会』の設置が決まった。日本赤十字社、中央共同募金会などを通じて全国から寄せられた義援金を、被災都道府県に配分するため、各義援団体に厚生労働省が協力して、義援金配分割合決定委員会を設置することにした。詳細はこの後、厚労省から発表になるのでそちらに問い合わせ頂きたい」

 「政府としては、関係地方自治体からの声、あるいは被災者のみなさんにできるだけ国民のみなさんの善意の義援金が、特に当面の生活に大変困っておられるので、できるだけ早く、まずは第1次の配分の基準を決めて頂き、実際に被災者の手元に国民の多くのみなさんからの善意が具体的に届くようにして頂くようお願いしていきたい」

 【原発事故の避難区域】

 ――今の原発周辺地域は累積放射線量に基づいた分析がされているが、放射線量が低いとか、リスクが低いと判断された場合、解除される地域も出てくるのか。

 「これについては、今の段階で予断を与えることを言うべきではない。安全性の観点、それも累積による安全性と、そして原発が、今朝も言ったが完全に安定しているわけではないので、その両面からしっかりと、まずは安全性を最優先して進めていかなければならない。その点についての最終的な詰めをしているところだ。今の段階で何か予断を与えることを言うことはできない」

 ――原発から30キロ圏外でも、非常に高い濃度を検出した地域もある。3月23日以前は定点観測としての数値のデータがないという。今後累積(分析)するうえで、放射線量が高かったとされる23日以前についてはどのように考えていくべきか。

 「これは専門家のみなさんに、専門的に具体的なやり方を詰めてもらっている。それに基づいて検討、分析をしているところだ。当然、累積などのデータがとれる前の段階、あるいはすべての地点で、すべてのメッシュでできているわけではないので、そういったことを踏まえ、ほかのデータから類推できるものはしっかり類推をする」

 「それについては、できるだけ安全サイドに立って、累積量が実際よりも多いことはあっても少ないことがないように、安全サイドに立った形でしっかりとした類推をして頂いたうえで、一定の判断の裁量を頂きたいということで専門家のみなさんにお願いしているところだ」

 ――それによって避難指示をどうするかも変わってくるか。

 「当然そういったものに基づき、なおかつ累積での放射線量については、どういう基準で避難などを指示したらいいのかということの判断を含めて、検討して頂いているところだ」

 ――今回の退避範囲の見直しは、安全性の観点からだけの見直しか。生活できないといった社会的要因は考慮されるのか。

 「まずは安全性の観点から、専門的な分析と評価を頂くという作業を行っている。そのうえで、安全性確保ということに加えて、もちろん安全性が確保されないのに社会的理由で入って頂いて良いという方向にはなりえないが、安全性を確保したうえで社会的要因の要素を入れる必要があるかどうかは、最終段階で考慮することになると思う」

 【避難住民の一時帰宅】

 ――避難住民の一時帰宅は海江田経済産業相が「震災1カ月をめどに」と発言した。11日から始めるのか。

 「今朝も言ったが、ご要望が強いのでできれば実現したいし、実現ができるならできるだけ早くと思っているが、これは住民のみなさん大変期待をもって待っている。ぜひミスリードにならないように私も気をつけて申し上げたいが、必ずしも震災から1カ月なのでというような基準で決められる問題ではない。安全性の観点と、もうひとつは仮に実現できたとしても、いま避難している方に一斉に、どなたでもいつでもどうぞという形は、今の検討ではあまり想定してない。順番に段階的に少人数ずつ。というのも、今20キロ圏内に入って頂いている自衛隊や機動隊のみなさんは防護服を着用し、そして放射線量の測定機器をつけて安全に万全に配慮して作業をしている。住民のみなさんが、そうした地域に入って頂く場合も、当然のことながらそれと同様か、それに準ずるような対応が必要になる。それを前提に検討を進めている」

 「なので、すぐにでも一時的に中に入って頂けるというようなことの時期が、そんなに早いということは残念ながら、今の段階では必ずしも想定できない状況だ。できるだけ早く、順次、そういうことができる前提を整えたいし、そして少人数ずつであっても、できるだけ早くにそういうことを始めたいとは思っているが、例えば数日とかそういうレベルでそういうことを言えるかどうかについては、今の段階で予断をもって申し上げられない。残念ながらそういう状況だ」

 ――11日に実現するのは難しいということか。

 「11日に実施するということは少なくとも今の段階で上がってきている報告からはなかなか難しいだろうと思っている。そういった仕組み、枠組みの概略をできるだけ早い段階で固められないかというようなことで、できれば1か月ぐらいをめどにそういった方向性の骨組みぐらいはできないだろうかというようなことは、もちろん一つの節目なのであるが、具体的にどこまでどう詰めて、いつから始められるかについては今、予断をもって申し上げられる段階ではない。ただ、できるだけ早くそういったことが実行できるようにしたいということでは、最大限の努力を進めているところだ」

 【原発事故の避難区域その2】

 ――避難指示の基準となる放射線量については、一部報道で平時の年間1ミリシーベルトという限度を引き上げると。原子力災害時の50ミリシーベルトという基準と、それ以外の平時の1ミリシーベルトという基準しかない。長期の災害における新たな基準も必要なのではないかということで検討しているのか。

 「正確に申し上げると1ミリシーベルトという基準は、原発が平時において運転するにあたって、原発として周辺住民のみなさんに1ミリシーベルト以上の、年間ですね、放射線量を受けることにならないように安全に配慮した運転を行うべきであるという基準。住民のみなさんの安全確保の基準としては、原発の事故の際に50ミリシーベルト以上の放射線量を受ける可能性がある場合には避難指示を出すという基準になっている」

 「それは、一時的に大量に出るというケースを想定したものなので、長期的に累積される場合については、これまた最終結論が出る前に、それより上になるのか下になるのかという予断を今の段階で、予断をもって申し上げることはできないが、そういった意味で今の50とは異なった基準に基づく必要があるのではないかという検討をしていただいている」

 【原発事故対応】

 ――原発事故対応の初動でのベント指示が震災翌日の午前1時半で、原子炉等規制法に基づく命令が午前6時50分。もっと早い段階での措置命令を出せなかったのか。法律に基づく命令が必要だったのでは。

 「この間の時系列の詳細は海江田大臣が担当大臣として詳細というか、すべての時系列について把握をされていると思うが、そのことについて私も直接関与していたので明確に記憶しているが、東電側が自らベントをやると話の中でおっしゃられていた。やらないと言っていることに対しては行政権を行使して強制的に命じる必要があるが、当該企業の東電がやりますとおっしゃって、だからこそ、深夜の記者会見を海江田大臣が行って、ほぼ同時刻、5分後ぐらいに私がここで行ったが、その際、海江田大臣の記者会見は東電と同席をしてベントを行うと発表している」

 「したがって、その段階では命令を必要とする状況ではない。しかし、その後、行いますとおっしゃりながら実際に始まらないという状況が続いたので、なおかつ、それについて少なくともその時点ではなぜ始まっていないのかという明確な説明がなかった。そういう状況に対しては命令を出したという経緯だ」

 【放射能汚染水の海洋放出】

 ――政府として汚染水の海への流出についての考え方は。

 「本当に漁業者のみなさん、あるいは近隣諸国のみなさんにご迷惑とご心配をおかけしているわけだが、まずは何と言っても高濃度の放射性物質を含んだ水を海中などに出さないようにするためにメガフロートをはじめとして、あらゆる様々な手段でそうした水をどこかでキープをすることについて、東電と、それから政府としても最大限、一体的にできる手段については連動して進めているところだ」

 「ただ、そのための水をためておく場所をつくるために、相対的には低いけれども、高濃度の放射性物質の水を海中に出さざるをえないという状況については、この間何度か申し上げている通り、より高い濃度のもの、つまり、より海洋汚染について悪い影響を及ぼすものを出さないための措置としてやむをえないものとして行っているが、それを超えて出ていくことのないように今、最大限の努力をしているというところだし、また、今回、ピットのところからのひび割れから出ている分については止めることができたが、それ以外のところから高濃度の方のものが出ていないかどうか。出ているとすればどこからが経緯になっているのかについては引き続き、全力で探している。可能性については様々な可能性を考慮して検討を進めている」

 ――低濃度の汚染水については。6日夕方までに6千トンが海に流されたが。

 「これは相対的に低濃度のものについては、高濃度のものが相当の量ある。残念ながら、これの量がどの程度今後増えるのかというのは、まさに放水、注水をしている状況で、ある程度いまの高濃度のものをどこかに移してからでないとはっきりしない。その高濃度のものが受け入れ場所がないということで、それこそあふれ出てしまったら、あふれ出るという状況が継続するようなことになってしまったら、それは海洋に対する影響は、いま残念ながら流出、放出させていただいている相対的には低いものに比べて、圧倒的に影響が大きいので、まずは高濃度のものについての受け入れ先をしっかり確保するということについて優先させてやらざるをえない」

 「同時に、原因になっている元の部分のところもそうだし、それ以外のそうした水をキープする場所の確保などについて、メガフロートをはじめとして様々な可能性を検討している状況だ」

 【放射能汚染水の水位】

 ――原発2号機のトレンチにたまっている水の水位だが、東京電力が今日午前7時までの24時間で5センチ上昇したと発表した。経済産業省原子力安全・保安院は、一度上昇したが元の水位に戻ったと発表。どちらが正しいのか。

 「詳細は双方にあらためて詰めておたずねいただきたいと思うが、私のところには一度増えて、それが戻った。時間的にどうこうという経緯までは正確に今、手元にないが、一度増えた、上昇したけれども戻ったとの報告は受けている」

 【原発事故への海外の協力】

 ――原発対応についての海外からの技術協力について。ドイツ、英国、米国はがれき撤去に無人ロボットの提供を表明しているが、現地では動いていない。オペレーションに支障があるのか。

 「原発の対応にとどまらず、今回の震災に対しては各国から様々な人、あるいは資材などの提供についての申し出をいただいている。こうしたお申し出についてはできるだけ生かさせていただくということで、対応させていただいているところだ」

 「原発についても同様だが、ただ、提供して頂けるという、提供されるものや人の能力、現地の状況との食い違いというものはありえるわけで、その点については福島原発事故対策統合本部で、場合によっては外務省なども通じて現地のニーズと調整をさせていただいているので、個別についてはそちらで確認をいただければと思う」

 【クリントン長官の訪日】

 ――先ほど松本外相と枝野長官が会ったが、クリントン氏の訪日は固まったか。

 「最終的に固まったという報告はいただいてないが、報道もされているようで、そういった趣旨は、打診というか相談はされていると思う。外相との話で別に出たわけではない。より大きな意味での今回の震災をうけての今後の外交についての、かなり大きな話をご相談させていただいた」

 【日米協力】

 ――原発事故の対応は日米が連携。その課題は。日本側として期待するところは。

 「米国にはもう震災直後、そして原発事故の発生などから大変積極的かつ有意義なご協力の申し出と実際のご協力をいただいているところだ」

 「特に原発ということについては、まさに政治的にいえば、とにかく米国の持っているあらゆる能力について、今回のことに役立つものはお借りしたい、使わせていただきたいという姿勢で一貫してやらせていただいているし、これは事態が収束しない限り、まったく変わるものではない」

 「そのうえで具体的金額、ポイントについてはまさに実務的というか、専門的な現場の状況とか、放射能の状況、原子炉の状況などを踏まえて二国間で進めていくものなので、政治の立場から、官邸の立場で重要なのは、そこの意思疎通がしっかりと行われるようにということについてはさらに徹底をしてまいりたい」

 【1次補正予算】

 ――(昼ごろ首相官邸で)政府と民主党の幹部で集まっていたが、補正予算の規模は。

 「最終的に固まっているものはない。規模についても前にも申し上げたが、できるだけその時点までに可能なものを積み上げて、という風に思っており、まさに歳出について、これはまさに現地のニーズに応じて、日々対応しているもの。それについて補正に計上する必要があるものについては、ぎりぎりまで積み重ねられるものは積み重ねていくということだ」

 「おおむねの規模はいろいろと報道されている規模があるが、最終的にどのレベルになるのかというのは、まさに全体のスケジュール、いつ提出するかということと、作業との関係で決まると思っている。そのうえで日程などについては、野党のみなさんにもご協力いただかなければならないもので、ご協力いただけるという大きな方向性の話もいただいているので、野党のみなさんとも国対あるいは幹事長などとご相談いただきながら、最終的に固めていくことになろうかと。できるだけ早いほうがいいだろうとは思っている」

 ――出席者が4兆円程度と規模にも言及した。さらに上積みされる可能性あるのか。

 「現時点での、各省で行っていることなどの積み重ねの一つの概算の規模の方向性としては、今のような話はあろうかと思っているが、最終的に各省のものを精査する話もあるし、それからまさに積み重ねが今後増えていくことは否定してないので、そういう意味では確定的なものはではない」

 ――財源は。野田財務相は赤字国債に否定的だ。

 「閣内にも、与党の中にもいくつかの意見があるのは間違いないので、それについていま集約を図るべく努力をしているところだ。私は今後のことはともかくとして、今の段階では、国債に頼らない形でまずはこの1次補正については組むのが望ましいのではないかと思っている」

 ――赤字国債に頼らない方がいいとの考える理由は。

 「今後もこの震災については、対応のためには多額の財源を必要とすることになる。それについては、今後もその財源捻出については努力をしていかなければならないと思っているが、特に最初の1次補正という段階なので、できるだけ国債に頼らない形で財源を捻出するという努力をできる限りやっていくことが必要ではないかと、私は思っている」

 ――特例公債法が成立していないというのも理由か。

 「いや。まずその国会のこと以前に、できるだけ今後も多額の財源をこの復興に向けては必要としている状況にあるので、まずは政府の姿勢として、できるだけ国債などに頼らない中で努力をしていく」

 「しかしながら必要な財源をしっかりと確保していくと。大変苦しい、厳しい状況ではあるが、その厳しいことの両方をしっかりやっていくのだという姿勢は重要だと思っている。とくに1次補正については救援、救済、そして復旧という間違いなく必要なことについて、支出についてはある意味はっきりしているというか、積み重ねで必然的に出てくる世界なので、そこの部分について国債によらないという努力をまずはしっかりしていくことが今後についてはいろいろあるにしても、まずは政府の姿勢としては重要だと思っている」

 ――国債を出さないと財源はない。どこから出てくるのか。歳出を組み替えるのか。

 「それについては財務相と党のほうでかなり詳細な検討をしていただいている」

 ――赤字国債に頼らずとも可能であると。

 「私は望ましいと申し上げた」

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