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枝野官房長官の会見全文〈8日午前〉

2011年4月8日14時4分

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 枝野幸男官房長官の8日午前の記者会見は次の通り。

 【宮城県沖地震】

 「まず、昨晩発生した宮城県沖を震源とする地震についてご報告申し上げる。マグニチュードその他については、関係機関から公表しているので繰り返さないが、今後、場合によっては震度5弱から6強となる余震が発生する可能性もある。ぜひ、こうした余震に対する警戒は引き続き怠りないようにお願い申し上げる次第です。政府においてはすでに3月11日に設置されている官邸対策室において、私をはじめ松本防災大臣、福山官房副長官、瀧野官房副長官がただちに参集するとともに、内閣危機管理監をはじめ関係省庁局長級による緊急参集チームが官邸に参集をして対応した。被害の状況については、本日になり余震によって山形県で1人の方が残念ながら亡くなったという報告をうけている。現在、さらに被害状況の把握に努めている。また、火力発電所等が止まっていることで、広範囲で停電が続いている。高速道路の一部通行止めも続いている状況と報告を受けている。原発は一部において外部電源の遮断や、冷却系統の停止が報告されたが、いずれも復旧したとのことで、現在は安定的に冷却が継続されているほか、モニタリングポストの値に異常は認められていない。なお、六カ所再処理事業所については現在、外部電源が遮断しているが、非常用ディーゼル発電機による給電が行われている。当分この非常用ディーゼル発電機による給電が確保されるための燃料は確保されている、との報告をうけている。詳細は保安院に問い合わせしてほしい」

 【閣議】

 「次に本日閣議の概要について。一般案件8件と政令人事が決定された。大臣発言として蓮舫大臣から、規制制度改革にかかる方針等について、総務大臣から特別交付税の特例交付について、外相からニジェール共和国新政府との関係について、厚労相から義援金配分割合決定委員会の設置について、菅総理から海外出張不在中の臨時代理について発言があった。閣僚懇では、私から被災地における安全・安心の確保対策について、および東日本大震災の黙祷(もくとう)について申し上げた」

 「この閣議で閣議決定があった規制制度改革の方針について、若干の報告を申し上げる。本日決定した規制制度改革の事項は昨年10月以降、行政刷新会議のもとで議論してきた事項のうち、現時点で政府内部で調整が済んだ10分野・135項目、さらには国民の声の受付に提出された規制改革提案を受けた改革事項66項目を加え、計201項目の改革方針を決定した。これらのほかに調整中の事項も数多くあるが、3月11日の震災をうけて、これらの調整に残念ながら十分な時間エネルギーを割くことができない状況の中にある。そのため、この時点で決定できるものを決定するという対応をした」

 「本日の閣議に先立ち、昨日行政刷新会議を持ち回りで開催し、本年の行政事業レビューおよび、今春をめどに論点整理を行うことにしていた特別会計制度については、各府省の震災対応状況を見つつ、改めて作業方針、スケジュールを検討することにした。行政刷新会議の諸課題については、東日本震災への対応に政府一丸となって取り組んでいる現状をふまえ、当初の予定を変更して取り組まざるを得ない。しかし、行政刷新の重要性はいささかも変わらないどころか、むしろ高まっている。震災からの復旧復興に多大な財源を要することを考えれば、不要不急な予算や事業の見直しをより一層徹底することが不可欠だ。また今後、今回の地震による被害の要因等の全体像を評価整理していく中で、これまで表面化しなかった行政の対応や組織などの課題もみえてくることが想定される。行政刷新への本格的な取り組みを再開する際にはこれらの点も考慮にいれ、より広い視点視野で進めていって頂くよう、行政刷新相とも相談している」

 【特例交付額】

 「次に震災への対応としての平成23年度の特別交付税の特例交付額の決定について。今回の特例交付額は762億円。被災団体に対して704億円、被災地域に対する応援をした地方公共団体に58億円を交付する。従来、特別交付税は12月と3月に交付する仕組みだが、今回は大規模災害発生時の特例交付の制度を適用して、まさに特例として4月早々に交付する。詳細は総務相にお尋ね頂きたい」

 【電力需給対策本部】

 「閣議に先立ち、電力需給対策本部を開催した。詳細は経産相、節電啓発等担当大臣からの発表があるが、概略を申し上げる。計画停電による大変なご不便を皆さんにおかけし、またそれに加えて大変な節電へのご協力いただいている。気候が暖かくなってきたこと等で、計画停電の執行をせずに済む状況が続いている。しかし、今後夏になると、冷房需要が伸びて電力需要が高まってくる。東京電力、東北電力管内での大幅な供給力の不足が見込まれる。これに対して臨時緊急的な措置として今回取らせて頂いた計画停電によることなく、これを乗り越えていきたい。計画停電は国民生活、産業経済に大きな影響を与えることから、計画停電によることなく、需給のバランスをしっかり取っていくことを目指していかなければならない。そのため、4月中に需給対策パッケージをとりまとめることとしている。その取りまとめに向け、本日の本部では、供給力の回復増強に向けた対策とともに、需要側においても大口の産業需要からビル等の業務分野、さらに一般の家庭に至るまですべての分野について、それぞれ必要となる節電量の目安を示すとともに、考えられる対策の骨子を掲げ、決定した。骨格を議論のスタートとして、対策の具体化を図っていくことになる。私自身繰り返し申し上げているが、まずはそれぞれの立場の自主的な取り組みが優先されるべきである。特に産業界においては計画停電が経済に影響を与えてきている。今後、節電にご協力頂くにあたっては、産業経済に大きな影響を与えないよう、そのためにどういう取り組みが一番影響与えずに節電という意味で効果的かということは、それぞれの事業者、業界が一番理解されていると思うので、それぞれの皆さんの自主的な取り組みに対して、政府としては様々な知恵、アイデアを含めて協力するということをまず前提、第一義におく。関係業界、事業者等にご協力のお願い、あるいは必要があれば調整にしっかり臨んでいくのが基本だ。個人、小規模の事業者には様々な知恵、工夫の仕方について、政府として色々と伝えられることがあったらお伝えしたい」

 【首相の被災地訪問】

 「総理の被災地の訪問について報告する。総理は4月10日に日帰りで他用途支援機U4で宮城県入りし、石巻市内の被災地、避難所を訪問するとともに、仙台市内の陸上自衛隊東北方面総監部を訪問し、自衛隊を激励する予定だ」

 【宮城県知事との会談】

 「最後に、さきほど宮城県知事がおいでになり総理と会談した。宮城県知事、昨日の余震で県内は大変な影響をうけている中だが、政府、総理に対してしっかりと要望をお伝えしたいということで、宮城に戻られたと聞いている。知事からは詳細な要望書を頂いたが、特に3点ご発言を頂きご要望をいただいた。要望項目を特別立法という形でできるだけ立法化をして取り組んでほしい。二つ目には、今回被災を受けた地域は地方自治体の財政力が相対的に弱い地域が多い。従って財政的な支援をしっかり行って欲しい。三つ目は、被災地が元気になるためには日本経済全体の元気が必要である。過度な自粛はやめて経済全体、景気全体を良くする行動をするよう政府としても国民の皆さんに働きかけて欲しい、という3点の要望を特に頂いた。総理からは3点ともしっかり対応したいと。特に3点目については東北の産品を買って、経済をしっかり回すことも含めて、震災に全国民的に取り組んでいこうということを自分からも呼びかけていきたいというやりとりがあった」

 【原発への影響】

 ――今後の余震で原発が影響受ける可能性は。

 「すでに私や経産大臣からも数日前にご報告させて頂いているが、全国の原子力発電所について、今回の福島第一原発の事故を踏まえて、緊急に取りうる対策について経産省、原子力安全・保安院として各電力会社に指示指導して、それに対する対応を進めさせて頂いている」

 【補正予算】

 ――宮城県の村井知事との会談で、総理が「2次補正はかなり大きくなる」と述べたが、規模は。

 「今の段階で具体的な規模を想定しているわけではない」

 【宮城県沖地震その2】

 ――六ケ所の第一電源の復旧の見通しは。

 「基本的には東北地方の各地で大規模な停電が起こっていることの回復が前提になる。これについては、詳細は経産省の方にお尋ね頂ければと思うが、何とか今日中には火力発電所が止まっていることについて。復旧させるべく努力をしていると聞いている」

 【福島第一原発】

 ――3月11日の地震発生直後に1号機の核燃料の露出直前まで水がなくなっていたという報道がある。

 「すでに原子力安全・保安院が2号機について見解は公表している。その時点ごとに保安院と東京電力から報告された状況についての分析、見通し等はいずれもすでに公表している」

 ――1号機は。

 「すでに公表されているものを確認頂ければ。報告されている事実は公表している」

 ――12日未明に1号機について報告がなかった。

 「正確にこういう分析であるという確定的な報告等については、2号機の分析結果、見通しについては公表されているとご承知かと思うが、こうした形で正式に保安院、安全委員会、東電から報告のあったことについてはいずれも公開している。ただ、状況が日々刻々、分刻みで変化していく中で、早い段階から冷却が止まれば、そう遠からず、炉心が水から出るということについては、そういう仕組み、システムになっているということは認識を当然しており、だからこそ早い対応を東京電力に求めてきた。何時の時点で具体的にどこがどういうということについては、報告されている公開されている情報なので、すべて公開されている」

 ――ベントの指示と燃料棒露出の関係は。

 「申し上げたとおり、すでに出している保安院の2号機の予測のように、冷却の機能が止まれば、温度が上がって水が蒸発して、冷やされない、水から燃料棒が露出する状況になる。同時に圧力が上がる。従って圧力を下げるための手当てをしなければならないし、急いで冷却を回復させることをやらなければならないということについては、原子炉の状況として当然の前提になる基礎的な知識になっているので、当然そういったことに至らせないための最善の努力を進めていこうという前提の認識の下で、菅総理はじめ関係者が対応していたということは当然だ。ただ、どの時点で何時ごろ、どういう風になりそうだという具体的な報告があったのは、公表されている2号炉についての保安院の報告だ。これは具体的に報告されている」

 【家庭の電力需給対策】

 ――電力需給対策について、家庭、小口についての実効策は。

 「大口もそれぞれの事業者、業界、場合によっては地域の自主的な取り組みの中で、特にピーク時の消費電力を抑えることにまずはご協力頂きたい。それについては政府として出来るサポートをしながら、それについてはそうした努力を進めて頂くことをまずやっていく。そして同じように、中小の事業者、家庭、個人も出来る範囲の中でできる具体的なやり方について、政府としてご紹介できるようなことについて、あるいはご協力できることについて、ご協力しながらその努力を求めていくということで、この夏のピークを乗り切るという基本的な方針を固めていきたい」

 ――一部閣僚が電気料金の値上げに言及したが。

 「現時点で対策本部としてそうした方針は決めていないし、そうした具体的な検討もしていない」

 【首相の被災地訪問その2】

 ――総理の視察の狙いは。

 「石巻は前回、予定していたが天候で行けなかったこともあったので、できるだけ早い機会に改めて、ということが必要だろうと。大きな意味では、何度か申し上げているが、もちろん総理官邸にはあらゆる現地の情報が報告という形では必要があれば上がってくるが、やはりこうした大きな震災の実情、状況というのは、現地を直接見させて頂くということについて、そうした上がってくる間接情報について、より具体的に認識をするために有効であり必要なことだろう。また、すべての被災者の声を聞けるわけではないが、間接的に上がってくる情報以上に、直接被災されている人の声、あるいはおられる状況、事情等を直接見させて頂くことは、対策を進めていくうえで大変有意義なことだろう」

 【政治主導】

 ――政治主導の観点から、1カ月の対策の中で成果や手応えはあるか。

 「従来から申し上げているが、政治主導というのは、政治家だけで何かをするのが政治主導だと申し上げてきていない。官僚システム、それぞれの公務員、国だけでなくて地方公務員、公務員だけでなくて関連する機関、それぞれの担当する皆さんがそれぞれの役割、責任を最大限発揮してもらう。政治が国民から直接選ばれているという立場で果たすべき責任を果たしていく。従来は本来政治が果たすべき役割についても官僚に依存していたのではないか。そういったことをやめて政治が果たすべきところは政治が果たしていこう、ということが政治主導という言葉の中でやってきたことだ。震災における状況においては、政治が政治としての役割を果たすと同時に、今回も自衛隊の皆さんが象徴だが、国家公務員もそれぞれの担当において総力をあげてやっているし、消防はじめ国にとどまらず、自治体はじめとして自治体職員、例えば、私が直接話している中では、独立行政法人の放射能関係の研究所の先生にも不眠不休の協力をいただいている。まさにそれぞれの立場立場での総力をあげる活動をしている。政治主導うんぬんということは全く関係ないとは言わないが、そういう次元の話ではない」

 【犠牲者への黙祷】

 ――閣議、閣僚懇の発言について、枝野さんの「犠牲者への黙祷」とはどういう話かということかということと、「過度な自粛」に対して総理が言及したという話もあるが、事実関係を。

 「私の発言だが、来週の月曜日が震災発生からちょうど1カ月になる。震災で家族、友人などを亡くされた皆さんにとっての悲しみは1カ月で区切りになる性質のものではないが、1カ月を迎えるということで、一つの節目として各府省一致して、月曜日、1カ月目の震災発生時刻に哀悼の意をささげる意味で、そのことを通じて、これから復旧復興に向けて、それぞれ役割を果たしていくという決意を込めて、黙祷をささげましょうということを各府省にお願いした。過度の自粛については、閣僚懇で、特に結果的に過度の自粛というものが経済を悪化させて、復旧復興に向けた経済的な力が弱くなってしまう。結果的に過度な自粛することがマイナスになってしまう側面があるというような指摘も閣僚からあって、そうしたことも踏まえ、かつ、被災地の心情、それぞれに自粛している国民の心情も踏まえながら、政府としての対応を考えていかなければならないといった趣旨の議論があった」

 ――総理からの発言か。

 「閣議、閣僚懇については具体的に誰がどう申し上げたかということは基本的には申し上げない」

 【震度計】

 ――7日夜の地震について、震度計が復旧していなかったため、石巻市などで震度情報を得られなかったということだが、余震の可能性を呼びかけていた気象庁の対応について見解を。

 「事実関係について調査したい。被災地の状況で設置自体が困難であったのか、それとも出来るのにやらなかったのかということで違う。事実関係を調べたい」

 【補正予算その2】

 ――1次補正の内容を固めるデッドラインはいつごろか。

 「そういったことを視野に作業を進めているが、事務処理の日数も最大限頑張ればどれぐらい短縮できるか、ということとのかねあいもある。いま具体的にこの日ということは申し上げないほうがいい。そうした努力も最大限、財務当局にはやってもらうことを前提に、広範に必要なものは取り組むということを前提にして詰めをしている」

 【外国籍の献金問題】

 ――総理が外国籍から政治献金を受けて返金したとの報道についての事実関係は。

 「報道は承知しているが、それ以上別に総理から報告を受けているわけではない」

 【ネット上の書き込み】

 ――長官の震災後の働ききぶりについてネット上で「枝る」という言葉が出ていた。

 「そうしたネット上にそうした書き込みがあることについては承知している。ただ、震災に対する政府の対応というのは、私に限らず事務方を含めて、政府に限らず、多くの関係者が最大限の力を発揮すべく努力してきていた。政府の立場からは今回の被害を受けられた皆さん、いずれも生活に大きな打撃を受けて困難な状況の中で苦労されている状況だ。政府の一員として、皆さんに対して申し訳ないという思いを持ちながら、1カ月仕事してきた。これからもそうした思いで仕事にあたっていかなければならない」

 【参院議長の政権批判】

 ――西岡参院議長が菅内閣を批判していることについてどう考えるか。

 「報道は承知しているが、直接話を伺っていないのでコメントすることはできない」

 【過度な自粛】

 ――どういうものが過度な自粛と考えるか。

 「村井知事からの話、あるいは閣僚懇で話題に出たことについて申し上げたが、では政府としてどう呼びかけるのか、呼びかけないのかということは検討させていただきたい。基本的には国民それぞれの被災者に対する思いの中で出てきている状況だと思っている。それについて、政府として申し上げることが適切であるのかどうかを含めて考えなければいけない問題だ。政府としてどう考えているか、ということではなくて、客観的な事実として経済への影響の視点で指摘があったという報告と、村井知事から話があったという客観的な事実について申し上げた。政府としてどう考えるかということについては今のような状況だ。少し考えて、政府として何らか国民に申し上げたほうがいいことがあればそうしたいが、ちょっと検討したい」

 【空調の設定温度】

 ――クールビズという政策をやってきたが、前倒しや設定温度を変更する考えはあるか。

 「まず今日大きな骨格を決めた。これに基づいてそれぞれに協力をお願いする。それに対して政府にできることを具体的に詰めていく段階だ。当然、いま指摘されたことについては検討、対応の一つとしての対象になろうかと思うが、具体的には今日の決めた骨子に基づいてこれから詰めていく」

 【風評被害】

 ――海外での風評被害についてどう対応するか。

 「外務省を通じて在日大使館、在外の日本大使館を通じて、まずは客観的な事情、状況を適切に各国に伝える。あるいは我が国において外国プレスに対しても、できるだけ具体的に状況について報告していくことを強化していかなければならない。それに加えて、この間、若干、各国から私などの所に政府ルート以外のところから入ってきているのは、海外の報道機関の当該国において報道されている中身については、相当事実と異なる報道がなされているケースが少なからずあるという報告が上がってきている。これについては在外公館において相当きちっとモニタリングをして、事実と異なる報道についてはかなり厳しく対応してもらわないと風評を止めることができない。外務省に指示したい」

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