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枝野官房長官の会見全文〈8日午後4時過ぎ〉

2011年4月8日19時54分

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 枝野幸男官房長官の8日午後4時過ぎの記者会見の内容は、次の通り。

 【冒頭】

 2点報告する。まず1点は、食品の出荷制限の解除について。4月4日に公表した発動解除の考え方に基づき、福島県の喜多方市、磐梯町、猪苗代町、三島町、会津美里町、下郷町、南会津町において採出された原乳、群馬県で採出されたホウレンソウ、かき菜について、出荷制限の解除の申請があった。いずれの申請についても、本日の検査結果に問題がなかったと報告を受けていて、出荷制限解除の要件を満たしている。詳細については、厚労省、農水省から発表されるので詳しくは両省にお聞き頂きたい。

 もう1点。福島第一原発周辺の関係県では稲の作付けが行えるかを判断するため、水田土壌の調査を進めている。国に対して作付けに対する考え方を示すよう求めている。このため本日、原子力安全委員会の意見を聞いた上で、稲の作付けに関する考え方を決定した。詳しくは農水省から発表されるが、水田土壌の調査結果からみて、生産された米が食品衛生法上の暫定基準値を超える可能性が高い地域については稲の作付け制限を行うというものだ。

 具体的な地域については、土壌の調査結果を踏まえながら、今後国が関係県と協議して決めていく。また、作付け制限を行う場合は当然のことながら、適切な補償が行われるよう万全を期していく。いずれも詳しくは農水省に聞いて頂きたい。

 【災害時の自治体間協力への国の支援】

 ――被災地を他の自治体が支援しているケースがあるが、国の財政的支援の考えはあるか。

 まず、できるところからやるということで、今朝報告した特別交付税の交付についても、被災地域のみならず、受け入れの協力を頂いている地域についてもすでに特別交付税の交付を決定し、早ければ今日にも交付できると聞いている。さらに状況を把握しながら、当然受け入れ自治体の財政的な負担について考慮した対応をしていく必要がある。

 【原発2号機をめぐる報道】

 ――米国原子力規制委員会(NRC)が2号機について、燃料棒が圧力容器の底にたまっている認識を示したとの海外報道があって、経済産業省原子力安全・保安院は否定している。認識の違いが海外での不信につながると思うが。

 NRCと原子力安全・保安院との間ではこの間、かなり頻繁に具体的にお互いの分析認識について協議、すり合わせしながら事態に対応している。NRCの知見も借りながら進めている。当然のことながら、具体的に直接判断、見ることが出来ない状況については、専門家の意見が異なる場合もありうる。そうした場を通じて様々な意見、認識、判断を総合的に踏まえた上で、当然のことながら安全性の観点から一番危険度の高い見方を踏まえた、考慮に入れた対応を進めてきている。

 【放射能汚染水対応】

 ――韓国首相が、汚染水の放出の事前連絡がなかったことについて「日本は無能だ」と発言したが、抗議するのか。

 発言については報道で承知している。今外交ルートで発言の真意を確認している。いずれにしろ、関係諸国に対してあらかじめより詳細かつ丁寧な説明が必要だったと思っていて、そのことについては引き続き真摯(しんし)に受け止めたい。

 【廃炉問題】

 ――東芝が米国3社と廃炉に向けたロードマップを保安院に提出したが、政府の見通しはどうか。

 指摘の件も含めて専門家、学者に限らず専門的な技術を持っている企業も含めて、あらゆるところから様々な知見を借りて対応を進めてきている。ロードマップを提起していることも踏まえて、政府として出来れば出来るだけ具体的なロードマップを示したいという思いは従来から申し上げている。ただ、今、炉の状況そのものが完全に安定しているわけではないので、そうしたことも踏まえながら責任を持った見通しが政府として示せるか、検討しているところだ。

 【海外の過激報道への対応】

 ――高橋外務副大臣が、外国メディアの報道に誇張があると発言。外国メディアの報道に間違いはないと思うが、どこに誇張があるのか。

 外国のメディアの中に誇張されているものがあるという指摘をされたと思っている。そのことについては私も同感だ。外国メディアといってもすべて十把一絡げにして申し上げているわけではない。具体的に日本でも報道されていて、私も認識している例では、広島、長崎とあたかも同種であるような報道ぶりが外国のあるメディアでなされていたケースがあった。

 政府としては、少なくとも私が知っている様々な情報、データについてはすべて公表し、尋ねられれば伝えているが、当然メディアからはまだ不十分である、もっと持っている情報があるのではないか、という指摘のあることは一方で当然であると思っている。

 それを真摯に受け止めて政府としても私の気づかないところで、実際に過日、気象庁の情報についてあったので、私の気づかないところで止まっていることがないか、それについては各省に対して情報提供について指示をしたい。東京電力についてもそのことを求めていきたい。そのことと、一部誇張された報道があるという話は別次元の問題だ。

 【情報発信】

 ――原発の屋内退避地域で、物流などが混乱。政府の情報提供のあり方についてどう考えるか。

 原発事故が発生してから当初しばらくの間は、特に当該地域、その周辺のみなさんに対してのより詳細かつスピーディーな情報提供、あるいは現地の事情をふまえた相談などが必ずしも十分ではなかったということは大変申し訳ないという風に思っている。この間、経産省として地元の少なくとも首長、市町村長との連携、情報の伝達、意見の交換についてしっかり行うようにということで、まだ必ずしも万全ではないかもしれないが、それについては当初に比べれば相当改善してきている。

 20〜30キロ圏内の地域のみなさんに対する、そこにとどまっているみなさんに対する物流についても、それぞれの地域ごとの状況、事情がだいぶ異なっているようであって、当該地域の市町村役場、市長や町長などとできるだけ密接に情報の疎通をしたうえで、必要があれば政府として直接届けることを含めて、この間対応してきているところだ。

 【作業員の健康被害】

 ――福島原発の復旧作業に従事している人で現在までに亡くなった人、入院された人が何人か。被曝(ひばく)量が100ミリシーベルトを超える人の数は。

 入院をされた方ということではご承知の通り、たまり水に足をつけてしまって、という方、この方が入院を数日されたということは把握をしている。それ以外の方について、私は報告がないので、そうした方はいないという風に認識しているが、念のため会見が終わったら、改めて東京電力に確認したい。被曝線量については、基準値を超えたりとか、超えそうになっているケースがあれば、当然、これまた報告があると思っているが、現時点でそうした報告はないが、これについても念のためこの会見の後確認したい。

 【水道水の汚染】

 ――今週末、首都圏では雨の予報。雨によって水道水が汚染されるのではとの懸念が出ているが、どう考えているか。

 雨については事故の発生の早い段階の時期でもお尋ねがあったが、その時期以上に大気中の放射性物質の濃度は低くなっているということはこの間の様々なモニタリングの結果で明らかになっている。早い段階でも、雨にぬれたからといって、人体に影響を及ぼすということの可能性はないだろうということを専門家のみなさんの助言をふまえて申し上げたところだが、そうした意味では、その可能性はさらに低くなっている。

 ただ、気になる場合には、レインコートなどで雨が直接体に触れないというような対応をすれば、さらに万全であるが、そうしたことがなく、仮に雨にぬれることがあったとしてもそのことが人体に影響を及ぼすような放射線量を体に受けることはないだろうというのが、この間の大気中、空気中の放射性物質の量、放射線量の分析から専門家のみなさんから承っているところだ。

 水についてはさらに、最初の雨で、水道水に放射性物質が一時、基準値を超えたケースもあるということで、取水などについて、放射性物質を含んだ水が入らないようにということについての様々な工夫をこの間進めてきていると聞いているが、当然のことながら雨のある時とない時では可能性が違うので、このモニタリングについては厚生労働省を通じて、関係水道当局に対しては、しっかりとしたモニタリングを求めていきたい。

 【首相の外国人献金問題】

 ――菅直人首相の外国人献金の返還について、首相から報告はあったか。

 私はこれは、基本的には総理の、内閣総理大臣として菅直人さんの行動、対応というよりは、国会議員、衆院議員、菅直人さんの対応だと思うので、内閣官房というよりは、菅直人事務所、衆院議員菅直人事務所におたずね頂くことではないか。

 【会議乱立】

 ――震災後に立ち上がった政府の様々な対策本部は機能しているのか。整理・統合する考えはあるか。

 これについては様々な意見があることは認識している。ただ、震災対応も原発対応も省庁間にまたがる仕事がほとんどであり、またがっている複数の省庁間での連絡、連携、調整、そうしたことがいかにしっかりと機能するかということが求められている、そういった仕事が圧倒的に多いと思っている。

 それぞれに、例えばこれは大臣クラスでの最終調整が必要である問題があるとか、これは事務レベルでも次官級の調整が重要であるとか、局長級のが重要であるとか、それぞれ事柄の性格上違っていることがあるので、そうした様々な案件に対して機動的に省庁間の調整を図るという観点から、いわゆる本部とか、そういったものが、複数作られるということになっている。

 いずれにしろ、それらの仕事をしなくてはいけないわけで、それらのことをやる上では、複数の省庁の調整で、それが局長級であれ、次官級であれ、副大臣級であれ、大臣間であれ、何らかの場で会議を開いて調整をすることが必要になっているので、ある程度期間、一定期間が必要になっているテーマについては、私は本部を作る、あるいは何とか会議を作るということはむしろ効率を高めるための手段としてなされてきていると思っているし、逆にそうした本部とか会議とか設けていないもので、一時的、あるいは短期間でそのテーマについては一応収束するというテーマについては、臨機応変に関係閣僚を私が招く、総理が呼ぶ、などで調整をしているということになるので、そうしたケース・バイ・ケースで必要に応じて対応している。

 【医療支援】

 ――被災地の医療提供について、どんな課題があるか。

 被災地も広く、被災地ごとに今の状況もだいぶ違っているということがあるので、全体を通じての共通の問題点は必ずしも指摘しにくいところがある。ただ、一番圧倒的に深刻なのは、被害の大きかった地域、津波などで街の大部分が流されてしまっているように、地域においては家を失って長期にわたっての避難所生活が続いている。一方で、そうしたみなさんに医療提供を医療機関が少なくとも物的には、ものの面では相当損傷してしまっていて、そこに医療関係のみなさんが相当努力して苦労してやって頂いていると言いながらも長期にわたっているので相当、無理、負担がかかってきている。そういう地域だから応援をかなり、ボランタリーな意識でがんばって頂いている先生方も、あるいは看護師さんを含めてたくさんいるが、必ずしもそうした地域では人的な面でも十分な態勢になっていない。やはり被害が大きかった地域の中で、態勢が十分に、物的にも人的にも整っていない地域が少なからずあるということ、最低限ここについてできるだけ早く、最低限の態勢を整えたい。

 【警戒区域の設定】

 ――警戒区域設定について地元自治体と協議に入ったとの報道があるが、事実関係はどうか。見直しに入っていると公表してから結論が出るまで時間がたっている。住民に混乱をもたらしている。結論を得る時期はどうか。

 まず1点目だが、協議を始めているということであれば、逆に言うとずっと前から様々な協議を積み重ねている中で、例えば、避難地域の指定をするのかしないのか、あるいは退避エリアをどうするのかということに向けた、そのことに資する様々な情報提供というか地元の声というのは当初のうちは必ずしも十分でなかったし、今も完全ではないかも知れないが、地元自治体とは協議をしてきている。具体的にいつから協議をしているのかという線の引ける話ではない。地元の事情、状況をこの間随時承ってきている状況を踏まえながら検討している。

 後者の点については、確かに検討を始めてできるだけ早く結論を出してほしいというのは地元の気持ちだということは十分認識しているつもりだ。その一方で、住民の安全性の確保ということについての十分な検証、確認をせずに避難して下さいとか、避難しなくていいですというようなことを決めて発表して、数日後に変更になるということは、さらに迷惑をかけることになる。急いだほうがいいという観点を踏まえながらも、しっかりとした判断をしていきたいという思いの中で、もう数日中には一定の結論を出したいということで、最後の詰めをしている。

 【日米2プラス2】

 ――北沢防衛相が震災対応を理由に2プラス2の大型連休中開催に難色を示したが、どう考えるか。

 直接うかがってはいないが、基本的には外交日程については、震災はあったが、相手国もあり、あらゆる外交日程は一定の理由があって行うものなので、基本的には当初の外交日程を軸にしつつ、状況をみながら対応するということにしている。2プラス2についてもそういうことなので、今の段階で具体的に何かを最終的に確定させているわけではない。そのプロセスの中では様々な日本国内においても意見があるんだろう。

 【燃料棒露出】

 ――3月11日夜の段階で燃料棒が露出する寸前まで水位低下したということだが、首相は翌日に原発を視察している。危険性があった場所に総理が行ってよかったのかどうか。

 現地は東電の職員、関係企業の職員は事故の拡大を防ぐということで危険の中ではあるが、現地において必死の作業をしていた場所だ。そうした場所に総理が行くことは問題があると思わない。

 【出荷制限の解除】

 ――出荷制限を解除したものは、政府として食べたり飲んだりしても安全で心配することないと自信をもって言えるか。

 出荷制限を解除するということはそういうことだ。

 【外付け冷却装置】

 ――3号機の設計に携わった上原春男氏が、政府に対して原子炉の外付け冷却装置の提案をしているが、採用されるかどうか。

 採用の可能性があって、効果があるならば、それを進めるようにということで、そうした情報を担当部局というか原発事故対策統合本部のほうに私からも投げているが、最終的には技術的な問題なので技術的にお尋ね頂ければ。

 【原子炉の破損】

 ――3月28日未明に圧力容器の底が抜けているということがあった際、枝野官房長官は記者団から「格納容器も破損しているのか」と問われ、「破損していることはあり得ない」と答えた。ところが東電の武藤副社長は私の質問に「格納容器は堅牢だがケーブルを引き込んだゴムの所が破損していることはあり得る」と言った。長官がウソをついていないなら、情報が伝わるのが遅い。

 まず、私がその会見でどう申し上げたかというのは確認したい。私としては報告を受けている中で正確に報告し、答えるということでやってきているつもりだ。そうしたことの中で、必ずしも私が認識し、伝えようとしていた中身と受け止められている中身が食い違っているケースもあり得る。今の点については、後でメモを上げてもらえれば、どういう部分が食い違っているか確認して答えたい。

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