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留学生続々帰国 8割去った千葉の大学「経営に影響も」

2011年4月11日23時44分

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 震災で来日をキャンセルしたり、一時帰国したりする留学生が急増している。福島第一原子力発電所の事故以降、各国政府が帰国を促すなどしているためで、大学側は引き留めに懸命だ。一方で、留学を続ける「知日家」もいる。

 アジア学生文化協会(東京都文京区)が運営する都内8カ所計約300室の留学生寮は、ガラガラの状態になっている。例年は約200人が入れ替わり、マレーシアや中国などから来た学生たちで満室になる時期。だが、今年は出ていくばかりで、ほとんど入ってこない。

 寮生の「日本脱出」が始まったのは3月12日、約200キロ離れた福島第一原発で爆発事故が起きた直後からだった。自らチャーターしたらしいワゴン車にあわただしく乗り込む寮生たちに、事務局長の佃吉一さん(61)が声をかけると、「成田空港に行く。飛行機がすぐに来なくても、2〜3日は空港で寝泊まりして待つ」と話したという。

 同協会の日本語学校の1年コースの学生を中心に、入寮キャンセルも続出し、佃さんは「長期的に日本留学が先細らないか」と心配する。

 城西国際大学(千葉県東金市)は、917人の留学生の8割が一時帰国している。ほとんどは中国人で、両親から呼び返されたケースが多いという。

 このため、留学生については4月15日の授業開始を5月10日に遅らせた。留学を中止した人への授業料返還も検討している。担当者は「学生の約2割が留学生。もし戻ってきてくれなかったら、経営に影響が出かねない」と話す。

 キャンパスが被災した東北大(仙台市)では、約1500人の留学生の大半が震災後に帰国した。岩手大(盛岡市)も約200人の8割が一時帰国している。

 影響は関西、九州にも及ぶ。神戸大(神戸市)では、米、豪、オーストリアの大学との協定で来るはずだった交換留学生10人のうち、7人がキャンセル。立命館アジア太平洋大(大分県別府市)でも、4月に来日する予定だった28人の交換留学生のうち、13人がキャンセルし、5人は来日を9月以降に延期した。

 こうした中でも、比較的冷静なのは長期留学生たちだ。4年前に来日した東大工学部のマレーシア人男子学生(24)は母国の両親や妹から頻繁に帰国を促されるが、日本にとどまる。「海外メディアの報道は危険を強調しすぎていると思う。放射線量を見ても、今のところは大丈夫」と話す。

 日本で学ぶ留学生は昨年5月時点で約14万1千人。政府は2020年をめどに「留学生30万人」の目標を掲げている。文部科学省学生・留学生課の担当者は「安全に関する正しい情報を発信し、技術水準の高さなど日本の良さをアピールしていくしかない」と話す。(花野雄太)

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