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震災復興税を提起 構想会議議長「国民全体で負担」

2011年4月15日1時23分

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 東日本大震災からの復興ビジョンを描くため、菅直人首相が発足させた復興構想会議(議長・五百旗頭真〈いおきべ・まこと〉防衛大学校長)が14日、初会合を開いた。巨額の復興財源をどう確保するかも課題だ。五百旗頭議長は、「震災復興税」が必要ではないかと問題提起した。

 首相は首相官邸で開かれた会議冒頭で「ただ元に戻すという復旧ではなく、改めてつくり出すという、創造的な復興をお示しいただきたい」と要請した。

 続いて、特別顧問となった哲学者の梅原猛氏があいさつ。「天災」や「人災」という言葉に触れたうえで、今回の震災について「私は『文明災』だと思う。原発が人間の生活を豊かにし、便利にする。その文明がいま裁かれている」と指摘した。

 その後、議長の五百旗頭氏が議論の基本方針を提示。いかなる党派・勢力にも偏らない▽被災地主体の復興を基本にして国としての全体計画をつくる▽創造的復興を期す▽全国民的な支援と負担が不可欠▽明日の日本の希望となる青写真づくり――の5項目を確認。会議初回は約2時間半に及んだ。

 五百旗頭氏は「全国民の支援と負担」の項目で「震災復興税」に言及した。会議後の記者会見で「復興に要する経費は阪神大震災の比ではない。国民全体で負担していくことを視野に入れなければならない」と語り、議論のテーマに取り上げる意向を示した。

 会議は23日以降、原則として毎週土曜日午後に開催。その合間に19人のメンバーからなる検討部会(部会長・飯尾潤政策研究大学院大教授)を週に1〜2回のペースで開き、専門的な議論を深める。5月中旬をめどに検討課題を整理し、6月末ごろに第1次提言をまとめる。年内に最終提言を出す方向だ。政権は提言をもとに政府方針を策定し、必要があれば立法化に取り組む。

 官邸内から若手有識者の起用を求める声が上がったため、下部組織として検討部会も発足した。首相が議長を要請した五百旗頭氏の意向で、御厨貴(みくりや・たかし)東大教授と飯尾氏の2人が両会議の「つなぎ役」となることも決まった。

 課題は多い。この日の会合で、五百旗頭氏は福島第一原発について「今も危機管理的な状況にある」として、復興ビジョンの対象から外す意向を示した。だが、参加した複数の委員から「原発問題も徹底して話し合いたい」との異論が出された。

 終了後、福島県の佐藤雄平知事は記者団に「まだ原子力災害が進行中なので、復旧・復興となかなか割り切れない。ある意味で歯がゆい」。委員の赤坂憲雄学習院大教授は「宮城や岩手は復興に向けてかじを切っているが、福島は原発問題の収束点が見えず、非常に苦しんでいる」と感想を語った。「原発の専門家もメンバーに加えるべきだ」という意見も出たという。

 被災地の宮城県はすでに「住宅や公共施設などの高所への移転誘導」と明記した復興基本方針の素案を策定。政策課題を網羅した要望書を首相側に提示している。北海道東北地方知事会や新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)など、様々な団体から復興提言が寄せられており、どう取り込んでいくかも難しい課題だ。

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