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枝野官房長官の会見全文〈15日午後〉

2011年4月15日21時59分

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 枝野幸男官房長官の15日午後の記者会見は次の通り。

 【冒頭】

 「2点報告する。まず、本日、東京電力より私に計画停電、電力需給調整について報告があった。電力の供給面で進展が見られた。本日、東京電力から私あてに供給力増強の経緯と今後の見通しについて報告があった。それによれば、火力発電所の地震からの復旧や老朽火力の夜間も含めた連続運転などによる揚水発電の活用などにより、4月8日に本部で取りまとめた今年の夏の電力需給対策の骨格で求めていた500万キロワット程度の供給量の積み増しができる可能性が高くなり、5000万キロワット前後の供給力を達成できそうであるという報告があった。これに対し、私から大幅な需給ギャップ発生の可能性がある中で、老朽火力の連続運転といった異例な方法を活用するということなので、万が一にも安全性や運転に支障が生じることがないように万全を期して欲しい、その上で、国民生活や経済への影響を最小限にするため、供給力をさらに積み増しができないか精査、努力をして欲しい、それらの結果を来週後半に再度報告するように、ということを求めた。当面、その精査の結果を待ちたいが、このプロセスは、需給量の節減と供給力の積み上げにより、夏場に生じる需給ギャップを解消しようとするものだ。供給力の積み上げ努力と同様、需要抑制についても骨格で示した目安をもとに、広く関係者にご協力を頂く作業を進めているところだ。政策パッケージの今月末をめどとした取りまとめにあたっては、精査した供給力の見通しを反映した形で、需要抑制の必要量を決めていきたい」

 「もう1点。第4回日中韓サミットの開催日程の決定について。5月21日、22日に東京において開催する。菅総理が主催し、中国から温家宝国務院総理、韓国から李明博大統領が出席する予定だ。アジア太平洋地域の安定と繁栄について大きな責任を担う3国が、首脳のリーダーシップの下、幅広い分野で対話と協力を一層強化することを目的としている。平成20年12月に福岡で第1回が開催されて以来、毎年3カ国が持ち回りで開催し、今回は我が国が2度目の議長国となる。3国間の協力及び地域国際情勢に加えて、特に東日本大震災を受け、原子力安全及び防災などの分野での協力の強化についても議論される予定だ」

 【電力の供給力増強】

 ――500万キロワットの積み増しが可能というのは、いつからできるのか。

 「需給ギャップが生じそうな見通しは、冷房需要が増えてくる7月、8月。この時期に向けて、需給調整が必要だということでやってきているので、その7月、8月に向けて回復ができそうだという見通しの報告を受けた」

 ――夏場の電力不足解消に向けて、どう評価しているか。

 「供給力を増やすことは、まず東京電力が積極的かつ主体的に努力して頂くのが、節電をお願いする以上、大前提になっている。この間の努力は一定の評価ができる。しかし、なお、まだ需給ギャップは埋められていない。節電、様々な工夫でピーク時の消費電力を抑えることについて、関係者の協力をお願いする状況は変わっていない。政府としてはその努力を進めるための作業を進めると同時に、東電がさらに供給量の積み増しができないかどうか、ギリギリまでの努力を進めてもらう」

 【原発事故の収束】

 ――内閣委員会で、原発の収束見通しを今月中に出すことを目指していると述べたが、その見通しは放射性物質が出なくなって、放射線量が低くなって、避難を解除できるのがいつごろかまで含めて出るのか。

 「まずは、技術的にどういう形でやれば、どういうふうに、順調にいけば進むということを東電中心にいま、早急に見通しを出すようにと総理が指示しており、このことを踏まえて申しあげたものだ。どういう形で、どういう内容の見通しが、技術的なところで出てくるのかを見た上で、それに基づいて、安全性の観点からの避難などの指示などについて、どこまでの見通しを出せるか決まってくるので、現時点でその見通しについての具体的なイメージまでは申しあげることができる段階ではない」

 ――周辺地域の放射線量の推移までは出ないということか。

 「まさに技術的に、原子力発電所のプラントについての見通しを急いで出してくれと。それが一定の時期に出てくることを期待しているので、どういう中身で出てくるかということを踏まえた上で、そこからさらに一定の検討が必要なのか、それともそれを受けて、あることは言えるのか、そういうことが初めて判断できる。現時点ではその見通し自体がまだ来ていない。そこから先のことは責任を持って申しあげられない」

 【東電の仮払い】

 ――東京電力の仮払いで避難住民への一定の支援は決まったが、農業、漁業、事業者への仮払いについて、今後どういう方針でいつまでに支払うのか。

 「特に収入が断たれている事業を営んでいる皆さん、農林水産業にとどまらず、こうした皆さんについては生活のための資金と同時に、こうした事業を営んでいる上での様々な資金繰り等が必要になる。当然、最終的な補償の決着まで、そうしたことを待てないのは明らかだ。ただ一方で、当座の生活資金ということについては、取りあえず1世帯あたりということで、一定の判断というか、一定の仮払いができるが、こうした事業継続のための資金がどの程度必要かはそれぞれ業種ごと、個々の事業者ごとに異なっているので簡単ではない。しかし、その必要性が高いということは間違いない。具体的には、農林漁業に関しては、農林水産省が一番、事業の運営の実態についても把握しているし、中小企業は経済産業省中小企業庁が一番把握しているので、そうしたそれぞれの実態を前提にして、最大限できることについて、最大限のスピードで対応するように順次指示を、この間も指示をしてきているが、さらにそのスピードアップをするように指示をしたい」

 ――東電の仮払いの前に、国が肩代わりするような形で仮払いを行うこともあり得るのか。

 「技術的には色んなやり方があって、形式がどうであるかよりも、実際にどういうやり方をすれば一番早くキャッシュが届くのかということだと思っているので、形式についてのこだわりは全くない」

 【復興構想会議】

 ――復興構想会議について、オールジャパン態勢のために他県の知事も入ったほうがいいのでは。

 「指摘のような意味では、専門委員に森・長岡市長、全国市長会の会長だ。被災市町村と被災をしていない市町村との間の連携、協力について、この間もかなりの尽力を市長会の皆様にして頂いており、ご自身も長岡なので、新潟の地震の経験もあることを踏まえて、森市長会長に専門委員に加わってもらっている。被災地については、私は県知事が軸になって頂くことが復興に向けて重要だと思うが、それぞれ被災の市町村が、市町村ごとに状況が相当大きく違っているので、むしろ森市長会長中心に、全国の市町村の様々な英知を協力を頂くことを軸に考えて、そうした体制はとっている。ただ、提案なので、様々な都道府県知事の意見や経験を生かす方法は検討していきたい」

 【復興債】

 ――きょう玄葉大臣が復興債に言及したが、長官はどう考えるか。

 「復興財源の在り方については、当然政権としては、震災前は党内、閣内に色んな意見はあっても、政権として一つの明確な方向性を持って、内閣が構成されて進んできている。しかし、この新たな事態を迎えて、従来とはけた違いの財源を必要とする状況の中での財源確保の在り方については、もう各界、各層に様々な意見があると思っている。従って、各界、各層で十分な議論と検討が今後なされるべきであると思っており、それはある意味でも閣内においても、一つの方向性が内閣として固まるまでの間、幾つかの意見があって、それが国民の前でしっかりとオープンに議論されることは、私はいいことではないかと思う。玄葉大臣の意見は一つの意見だ。ただ、私自身は、そういった意味では、いまの立場はそうした閣内の様々な意見を取りまとめる側の役割なので、私の意見は最後に申しあげたほうがいいと思っている」

 【与野党協力】

 ――国民新党の亀井代表が述べているような復興実施本部に与野党が入って検討する構想は、どのように考えているのか。

 「政府としては、これまでも野党の皆さんには、大変な協力を頂きながら震災対応にあたってきている。今後も野党の皆さんの様々な意見、提案、情報を私どもとしても十分に生かしていく中で、国をあげての事態なので、協力を頂いて進めていけるものというふうに確信をしている。協力を頂く、頂き方については、相手の立場、意見もあるので、そうしたことについては、与党の立場で亀井国民新党代表も努力をされていると承知しているが、具体的にその努力の成果を踏まえた上で、内閣としての対応が決まってくる」

 【モニタリング】

 ――原発から半径20キロ圏内で放射線のモニタリング行うと長官は言っていたが、どういう機関が実施しているのか。

 「機関については、この手のモニタリングについては、いろんな機関が行って、その集約は文部科学省においてして下さいという指示はしているが、そこまで直接私は把握してない。ただモニタリングは進めていて、集約をして、公表をまもなく出来るというような報告は受けている」

 ――現在のデータは福島県と共有しているのか。

 「いま集約のプロセスなので、集約されて公表される段階で、多分共有することになる。逆に、文科省においていろんなところから情報を集めていることはあるが、集約した上で整理して報告したいと聞いている」

 ――メドは。

 「集約の作業の問題なので、近くということでの報告を受けているので、出来るだけ早いほうがいい」

 ――そのデータを生かして立ち入りを強制的に制限する措置も検討したいと言っていたが、それも現在進めているのか。

 「いま、立ち入りの規制をかけるべきではないだろうか、という意見が一方である。一時立ち入りについてできないだろうかということの検討も進めている。その両者について、どちらもだが、一つには現時点の放射線量がどうであるのかという問題と、原発が収束しているわけではないので、リスクは相当低くなっているものの、特に周辺10キロ、20キロ地域には影響を及ぼすような悪化の事態がまだ想定されているので、その両面で考えなければいけない。基本的には20キロ圏内については、原発のリスクが下がっているとはいえ、急激な悪化というリスクがある以上は、そこについての判断には直接にはなかなか今の時点では影響しない」

 【与謝野大臣の発言】

 ――自民党時代から原発を推進してきた与謝野大臣が「推進してきたことは間違いではない」「原発の安全性についてベストなものをつくった」と発言したが、こういう認識をどう思うか。

 「それは与謝野大臣の個人的な見解だ。内閣としては、いずれにしろ今回の事態を受けて、事態がある程度の収束をした段階で、しっかりとゼロベースで検証を行う。その検証の結果に基づいて今後の原子力政策、エネルギー政策については一から議論するべきだと思っている」

 【原子力損害賠償審査会】

 ――いま文科省で原子力損害賠償審査会が開かれているが、開催発表は2日前だった。傍聴席は50席。結果としてネットはどこにも入れず、政府とマスコミと東電というずぶずぶの関係で密室で処理されると疑惑を生んでいる。今後もわずかな席しかないのか。

 「直前だったことについては、審査会を出来るだけ早く立ち上げて開いて方針を固めていくということは被災者との関係において最優先なので、セットできるタイミングで早い日程でセットしたということだ。周知のことを考えれば猶予期間をおいたほうがいいんだろうが、開けるのに開かないで猶予期間をおくということが許される状況ではない。それから、傍聴席については出来るだけ多くが傍聴できるようにということについて私から文科省に要請したい」

 ――ネットは1社カメラ1台おけばいいだけなのに拒まれた。

 「それについてはまず文科省に言ってほしいが、私からも公開については最大限の配慮をするように指示したい」

 ――次回は入れるか。

 「決定権は文科省だ。私の調整権限の中で、文科省に最大限の対応するように要請をする」

 【学校の安全基準】

 ――福島県内の学校の安全基準をめぐり、原子力安全委員会が成人の半分の10ミリシーベルト以下に抑えるべきだとしたのに対し、高木文科相が政府の見解でないとの姿勢を示しているが、この基準についてどういう考えか。

 「学校の安全について文科省が検討しているということについての報告はある。ただ、原子力安全委に助言を求めたという段階ではない。原子力安全委においても、学校再開の目安についての何らかの方針を決定したとか、文科省に伝達したというような事実もない。従って、文科省において、子供が長時間生活を営む場所なので、安全性を最優先にした中でどういった基準でどういった条件が整えば、学校再開できるのかということについては慎重に検討している」

 ――現場レベルではいろんな声がでているが。

 「いま、特に避難地域とかは別として、一定の放射線量があって、それによって長期間、学校などは体育の授業や休み時間とか外で活動する時間も多いとかを踏まえると安全性の観点から検討を行っているところだが、それも累積で長期間にわたってということが、学校に通っている子供はその学校に夏休みを除けば毎日通って相当な時間を過ごすということを前提に安全対策に備えているということなので、もちろんマスクはしないよりしたほうがいいということはあるが、いまそこで例えば1日、2日、1週間校庭を使ったからといって健康に被害を及ぼすような被曝(ひばく)になるという可能性のある地域は避難地域になっている。あるいは計画的避難地域として避難に向けた準備を進めている」

 【原発事故の収束見通し】

 ――原発事故の収束見通しは。

 「今の段階で指示したのは、出来るだけ見通しを具体的に早く出すようにということであり、それがどの程度の具体的なもので見通し出せるのか、どの程度先のことまで見通し出せるのかということについては、この段階で何かお答えできる段階ではない。もちろん不十分なものであればさらに具体的な見通しを出せということを求めていくことになるが、現段階で出来るだけ詳しく、長期にわたって見通しを立てることが望ましいということでとどまる」

 【自殺対策】

 ――福島県飯舘村で102歳の男性が避難を苦に自殺したのではとの報道がある。震災によって自殺した人は把握しているか。また悲劇を防止するための対策は図っているか。

 「報道については承知しており、大変お気の毒であるし、原発の事故による避難が原因であるとしたら大変申し訳ない。出来るだけそうしたことが起こらないように将来の見通し含めて住民にいろいろなことを説明していく、そして十分な対応をしていくということに努めていくと同時に、被災者に対してはメンタルケアの面についても初期のうちは直接的に命を救うということが大部分だったが、関係機関の協力を得て、メンタルケアも含めて順次強化が進んでいる。事柄の性質上、全体像を把握するということは困難だが、厚労省や自殺対策チームがあるので、状況把握するとともに、そうしたことを防ぐ努力を最大限進めたい」

 【復興構想会議その2】

 ――復興構想会議で、物流を含めた流通構造の改善を考えることはあるか。

 「復興構想会議には昨日、抽象度の高い内容だが、諮問をした。この諮問を踏まえて、どういう範囲のどういう議論をして、どういう中身の答申を頂けるのかということについては、諮問した側で介入を余りするべきではないのではないかと思っている。今回の震災によって生じている社会的事象について、親会議にとどまらず、専門委員、あるいはこうした場を通じていろんな皆さんから意見を聞いて議論進めると聞いているので、そうした中では、具体的に物流が入るかどうかは主体的に会議の皆さんに決めてもらうことだが、かなり広範囲の震災の影響や明らかになった事態について議論するものと期待している」

 【松本参与の発言】

 ――松本内閣官房参与について、首相発言の説明をめぐり民主党の渡部恒三さんが罷免、更迭すべきだと発言したが、政府としての考えは。

 「そうした重い指摘があることは承知している。そうした重い指摘があるということを踏まえた上で適切な対応するべく検討しなければいけない」

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