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枝野官房長官の会見全文〈20日午後4時〉

2011年4月20日18時55分

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 枝野幸男官房長官の20日午後4時の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭】

 私から2点報告がある。1点は、菅総理の福島県訪問について。総理は4月21日、木曜日、日帰りで自衛隊のヘリコプターによって福島県入りし、福島県知事と会談するとともに、福島県庁内の原子力災害現地対策本部の激励、田村市や郡山市に避難されている方々の慰問を行う予定。なお、天気が悪い場合、ヘリコプターが運航できない場合には訪問を見合わせる予定。

 もう1点。今朝の一部報道で、原子力発電所の避難地域や屋内退避地域の方に雇用調整助成金が支給されないとの報道がなされた。このこと自体は誤りではないが、正確にはこうした地域については、雇用保険の特例の対象としていて、休業中であっても休業とみなして失業手当を支給するという特例措置が講じられている。雇用調整助成金による事実上の支援を行うか、雇用保険による失業給付によって事実上の支援を行うかということについては、いろいろと対象によって使い分けていて、そうした中で、こうした事業そのものが営めないという状況にあるみなさんについては休業を失業とみなして失業保険を給付するということだ。

 ハローワークの窓口でのこうした説明が適切でなかったものと考えられることから、先ほど、厚生労働省に対し、私からハローワークの相談、申請の場において徹底するよう指示したところだ。従って、ぜひ、当該地域、原発の避難地域や屋内退避地域のみなさんの中で雇用保険の被保険者であったみなさんについては、事業所が休業ということで収入がない場合にはこの対象となりえるので、避難先のハローワークも含めてハローワークにぜひ問い合わせをいただきたい。

 【魚介類の摂取制限・出荷停止】

 ――コウナゴの出荷停止について。判断の基準になった今月18日の検査以前に、7日と13日にも暫定基準値を超えていた。茨城県沖でも基準値を超えていた。出荷停止の時期と範囲について、どういう経緯でこういう判断になったのか。

 具体的には、主に農林水産省と厚労省で実務的に相談いただいたので、詳細はやはりそちらにおたずねいただきたいと思っている。私が承知しているのは、野菜の場合もそうだが、一カ所ごとたまたま出たのか。それとも、当該地域においてそういった数値がある程度エリアとして出ているのかについて、しっかりとした判断をした上で指定をしていると。しかも、特に今回の場合は操業を自粛しているので、福島県においても、茨城県においても。従って、いずれにしろ食卓にのぼる心配はない中で、まさにエリア、地域としての広がりをもって規制をかける必要があるのかどうかを、いくつかのデータが集まるのを待って判断を福島についてはしたということだ。

 【復興基本法】

 ――復興基本法について。震災復興担当大臣を置く、置かないについての考えは。

 人事なので、これは総理の専権事項だと思っている。どういった形で復興の全体についての調整を行う役割、どういった形でどの閣僚が担うのかについては、最終的に総理が専権的に決めることだと承知している。

 【閣僚増員】

 ――内閣法の改正について。政府としては、3人増員したいのか。野党との協力関係を作っていきたいのか。

 まず大臣を、ではなくて、大臣、副大臣、政務官、補佐官について、できれば増員を国会にお願いしたいということだ。それについての考え方は政府として変わっていない。ただ、もちろん、国会で決めることなので、与党の方で野党とも相談、協議していると承知している。

 政府としては、これだけ増員していただければ望ましいということについての考え方の提示はしているが、最終的には国会で了解いただかないとできないことなので、了解が得られるのであれば、必ずしも政府として当初申し上げた数にこだわるものではなく、できるだけこの震災に対する対応とそれ以外の業務とが非常にかぶって過重になっている部分があるので、そこについて調整をさせていただければありがたいという考えだ。

 【復興基本法その2】

 ――体制を考える上で、実質的なトップを置くのか、置かないのかは、今の段階で決めておく必要があるのではないか。

 復興基本法については、基本法について、まず政府としての法案の考え方については整理をして、事務的作業は進めている。一方で、これについては政党間の相談で、場合によっては議員立法というような話も進んでいることも承知しているし、また、国民新党の亀井代表がいろいろ努力いただいているという話も承っている。

 こうしたことによって、最終的な形が今、固まっているわけではないので、従って、どういう方をどういう位置付けで置くのか。何らかの形で震災、復興についての調整というか、全体を見る担当者が必要であるということは当然だと思うが、どういう形でどういった方に位置づけでお願いをするのかについては、そういったことを待たないと具体的な話には最終的にはならない。

 【警戒区域の設定】

 ――午前中の会見で、警戒区域の設定について自治体と協議中だということだったが、福島県から警戒区域に設定してくれと言われたのは3月末。いまだに答えが出ていない理由は。

 一つには、県からの要望についてはその時点から承って、それを大変重く受け止めて対応していると同時に、関係する市町村とも相談をしているというのがこの間の経緯としてある。それから、特に防犯の見地からということについては、区域の指定に関わらず、警察において取りうる対応はしているところであり、事実上、入り口、道路などについては警察などが体制として可能な範囲内で対応しているので、特に防犯という観点で県から要望をいただいたことについては、できることは順次進めながら、最終的に警戒区域の指定が必要かどうかという最後の詰めをしている。

 ――関係市町村と相談するということだが、難航する理由があるのか。

 それぞれの自治体のいろいろな事情、立場があるので、各自治体との具体的な相談や調整の話について、内閣の側、政府の側から申し上げるべきではない。

 ――警戒区域の発令の仕方は即実施か、幅を持ったものになるのか。

 最終的にそういったことも、まさに自治体との調整だけではなく、実際に警戒区域を指定したら、それに応じたオペレーションをさらにとらないといけないので、そうした準備も含めて最終調整している。どの時点から発動するのかしないのか、できるのかできないのか含めて調整している。

 ――明日、菅首相が視察して、福島県知事に対して警戒区域の考え方を表明するのか。

 少なくとも総理が行かれるまでの時点で、内閣で調整が済んでいることとか、進めてきていることについて当然、知事に説明するのは一般論として当然だろうと思う。

 【一時帰宅】

 ――一時帰宅は1世帯1人、という報道があるが。

 一時立ち入りについても、いろいろな段階におけるいろいろな状況がありえるので、色々な意味で地元とも相談しているし、実際にどういうオペレーションで安全確保しながら入って頂けるかということを総合的に調整している段階で、最終段階だが、今指摘のことも検討、考慮の中にあることは否定しないが、何か決まったわけではない。全体のパッケージとして一時立ち入りについての考え方を、最終的に出来るだけ早くまとめたいと思っている。

 【桜井財務副大臣の首相批判】

 ――桜井財務副大臣の総理批判について、その後連絡はあったか。

 ございません。財務大臣において適切に対応されるものと思っている。

 【警戒区域の設定その2】

 ――総理の福島訪問は、避難している地元の声を聞いて、警戒区域の指示を出す判断をするという趣旨か。

 具体的には今回、メディアの注目も集まっていたが、今回新たに計画的避難区域の指定を相談している地域の状況について、私も直接首長、村長、町長と話をした。同時に原発事故にあたっては、早い段階で着の身着のままで避難せざるをえなかったみなさんが避難所に多々いる。こうしたみなさんの生活をしっかりと支えていくという、政府としての重い責任があると考えている。

 特にこうした点について実情を出来るだけ直接把握、認識させて頂きながら、さらにしっかりとした強力な対応進めていきたいということが、今回の福島訪問の一つの意味だと思っている。そのことと、一時立ち入り、警戒区域の設定は直接にはつながらない。

 【防災指針】

 ――政府が原発事故発生時の防災指針を年内に見直すとの報道があるが、事実関係は。

 原発事故は今回の事故が予測できたかどうかの評価は別として、少なくとも十分な予測に基づいた準備ができていなかったことは間違いない。従って、それ以外の原発についても、災害はいつ来るか分からないので、この間も電力のバックアップなどについて緊急措置はすでに実施している。こうしたことは今回の事故の検証待たずに進めていけることは進めないといけない。今指摘のことは具体的に決定したとか、私の所にこういうことで決定するのでということで検討しているという報告が上がってきている段階にない。

 ――防災指針見直しは、年内に終えたいという考えか。

 防災指針の見直しということとして、具体的に取り上げて検討しているという報告はまだない。ただ、今回の原発事故を踏まえて、できることについては直ちに着手し実施していく必要があるということは、関係部局で共有している。

 【被災地の建築制限】

Q:岩手県が津波被害の沿岸地域が復興計画をつくるまでの間、建築制限する災害危険区域に設定するが、津波被害地域の居住を規制する必要性についてどう考えるか。

 岩手県で、現行の法律制度に基づいて県民の安全確保の見地から様々な議論、相談がされていると承知している。今回の被害を受けた地域の実情や声を、まずは第一義的に、国としては復旧・復興に取り組む必要がある。地元の状況、事情に国以上に十分に熟知され、県民の安全に責任を持つ知事を中心に、いろいろと努力されているものと思っている。

 国としてはそうした地域の取り組みの中で、国として制度に問題があるという指摘があれば、国としてやれること、やるべきことについて地元と相談していくということになるが、今の指摘は報道などを通じて県の努力というか、議論は承知しているが、国の方で何か制度を変えるべきだという具体的な指摘を頂いている段階ではない。

 【スクリーニング指示】

 ――ある役所が福島県から転入してきた人にスクリーニング指示をしたとの報道あったが、差別や偏見に対する対応は。

 昨日もある市役所の話があった。ただ、詳細を見るとすでに改善していたもののようだが、なかなか十分な理解が進んでいない段階で、本当に福島のみなさんには、今回の直接の被害だけでも大変苦労をかけているところ、いわゆる広い意味での風評的なところで、大変な苦労かけていること、大変申し訳なく思っている。

 そうしたことのないよう、少なくとも行政関係については、さらにしっかりと繰り返し徹底していきたい。同時にメディアにも理解、協力頂きたいのは、放射性物質というのは、しっかりと対応しなければならないものだが、今回の事故にあたっては20キロ圏内のみなさんには、事故の早い段階で避難をして頂いた。それ以外の地域の放射性物質はしっかりとモニタリングしている。さらに20キロ圏内に入って作業しているみなさんについては、私が先日立ち入った場合もそうだが、そうしたところから高い濃度の放射性物質を外に出さないようにということで、万全の措置をするべく努力しているところだ。

 食品などにも厳しくモニタリングして高いレベルの安全性の観点で問題あるものは流通させないようにしている。福島から来られた方、福島県から運び出されたものについて、他の地域のみなさんが心配されるような状況にないんだということを科学的根拠に基づいて、できるだけ広く報道、周知をして頂けるよう協力お願い申し上げる。

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