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枝野官房長官の会見全文〈21日午前〉

2011年4月21日13時56分

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 枝野幸男官房長官の21日午前の記者会見は次の通り。

 【冒頭】

 まず警戒区域の設定について申し上げる。東京電力福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内の皆さんには大変なご迷惑とご不便をかけている。この地域においてはプラントもいまだ安定していない現時点においては、放射線量の多い少ないにかかわらず、安全上の大きなリスクが懸念されるため、決して立ち入らないで頂きたいと繰り返しお願いしてきた。今般、関係自治体との調整も整ったことから、この区域を災害対策基本法に基づく警戒区域に設定することとした。先ほど、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策本部長から福島県知事及び関係市町村長に対する指示を発出した。22日午前0時をもって警戒区域として設定される予定だ。これにより、緊急事態対応に従事される方や市町村長が一時的な立ち入りを認める場合を除き、当該区域への立ち入りが禁止されることとなる。この結果として、20キロ圏内にお住まいであった方の防犯上の懸念にも応えることになればと思っている。

 一方、一時立ち入りについて、着の身着のままで避難された住民から強い要望をいただいている。また、公益上の理由から立ち入る必要性の高い場合もある。こうしたことを踏まえ、その進め方について検討を進めてきたところだ。その結果、個別の家庭については、安全確保に万全を期すとともに、まずは希望する世帯を一巡するという観点から、次のような考え方で実施する。まず一世帯あたりの代表者1名に絞った上で、20キロメートル圏内への立ち入りはバスを利用し、集団で行動して頂く。安全上必要な装備をした上で立ち入り、帰る際にはスクリーニングを確実に実施する。持ち出し品は必要最小限のものとし、在宅時間は最大2時間程度と考えている。なお、立ち入りができなければ著しく公益を損なうことが見込まれる法人等、役場も含むが、個別に判断の上、立ち入りを認める。今後、この基本方針に基づいて、後ほど文部科学省から公表される予定の20キロメートル圏内のモニタリング結果を踏まえ、さらに、立ち入り直前にもモニタリングを実施するなどして安全の確保に万全を尽くし、具体的な実施手順について、関係自治体と調整しながら、早期に実施する予定だ。避難している皆さまには引き続き大変なご不便をかけるが、こうした手順で一時的な立ち入りが可能になるのでこれについてもう少し順番をお待ちいただくようお願い申し上げる。

 次に東京電力福島第二原子力発電所に関する避難区域の見直しについて申し上げる。第二発電所については、冷温停止状態を維持している。しかし、冷却系統は2系統のうち1系統が依然として使用できない。非常用ディーゼル発電機についても修理中のものがあるなど完全には復旧していない。一方、現時点において、原子力緊急事態宣言を発令した3月12日時点と比較して、原子炉が冷温停止に至っているなど、重大事故が発生することによるリスクが相当程度低下してきている。このため、原子力安全委員会の意見も踏まえ、一定の安全対策が確保されていると判断されることから、先ほど、原子力災害対策特別措置法に基づき原子力災害対策本部長から福島県知事及び関係町長に対し、東京電力福島第二原子力発電所にかかる避難区域を第二発電所の半径10キロメートル圏内から半径8キロメートル圏内の区域に変更し、8キロメートル以遠の区域を避難区域から解除する旨の指示が出されたところだ。

 【警戒区域】

 ――警戒区域を設定した上でどういう措置をとるのか、現在の避難地域と並行する形で出すのか。

 避難指示は避難指示として原子力災害対策特別措置法に基づいてそのまま継続するが、それに加えて災害対策基本法に基づく警戒区域とするということだ。具体的には警察等によって、従来20キロ圏内の主要道路の入り口は警備しているが、これが法に基づいて立ち入り禁止であるということを前提に対応してもらう。できるだけ警察においても、災害派遣で多くの都道府県警察から協力頂いている中だが、できるだけさらに態勢を強化したい。

 ――災害対策基本法は、警戒区域に設定し立ち入りを禁止できるという規定だが、改めて立ち入り禁止の指示は国として行うのか。

 当然立ち入り禁止区域にするために警戒区域にしたということだ。

 ――もし立ち入った場合の法的運用はどうなるのか。

 この間の避難指示の状況も同様だったが、まさに住民の皆さんの安全確保のための指示であり、警戒区域の設定だ。安全のためにそれぞれの皆さんにこれに従って頂きたいのがまず何よりだ。そうした中で何とか一度、自宅に戻りたいという要望について、何とか同時に一時立ち入りの基本方針を警戒区域の発出と同時に間に合わせることができたので、何とかこの手順に従って対応して頂きたいと強くお願いするのが第一だ。当然のことながら、そうした皆さん以外の方が入るのは法に基づいて厳しく対応したい。住民の皆さんについてはできるだけ法に基づいた行政的な措置等を採らないで済むように、住民の皆さんのご理解を頂きたい、というのが今日の時点で申し上げられることだ。

 ――地元への説明では3キロ圏内については一切の立ち入りを認めないということだがどうか。

 最終的にはこの後、午後ぐらいに発表されると思うが、文科省で20キロ圏内のモニタリングも進めている。そうしたことを踏まえて、線量の高いところ、そして原発のプラントの状況を見ながら不測の事態が生じた場合でも、安全確保できるのはどの範囲のどういうやり方か、ということで決めていくことになる。ただ、現状のプラントの状況を考えると一定のリスクがあるのは間違いないので、その場合にどれぐらいの時間で避難できるのか、あるいは万一、大量の放射性物質が出たときの影響等を考えたときには、まずは3キロ圏内を除くところについて対応させて頂くということにならざるを得ないのではないかと思っている。

 ――震災発生から1カ月以上たっているが、立ち入り制限の判断が遅かったのではないか。

 これは両方の意見があると思う。もっと早く出すべきではなかったか、それから一方では住民の皆さんに対してはこうした最終的な強制力の担保のある手法まで必要なのか。ただ、この間、避難指示に基づいて避難をして頂くと、立ち入らないで頂きたいというお願いのところで大部分の皆さんはどなたも残してきた自宅のことが心配だという気持ちであろうと思うが、そうした中にもかかわらず、多くの皆さんにはそれを十分理解頂いて対応して頂いてきたと思っている。ただ残念ながら、若干十分な安全対策を取らず、なおかつ万一入っている途中に原発の状況が急激に悪化する等があったときに連絡が取れない状況で、独自に入られているという方が少なからず報告されているという状況の中では、気持ちは十分に分かるが、そこで万一のことがあってはいけないので、そうした状況を踏まえて、やむを得ずこういった措置を取った。

 ――地元から要望あってこういう検討をしたと思うが、政権内には当初から立ち入りを制限すべきだとか、立ち入る可能性があるとの発想はなかったのか。

 立ち入る方がいるかもしれないと、ただ警察にも入り口等いろいろ配備をしてもらっている中で、何とか強制力の担保のある手段ではない形でも理解を頂くことが、まずは無理に、しかも原発事故という住民の皆さんには直接かかわりのない事情で避難を頂いているわけなので、できるだけ状況を理解頂くなかで対応していくのが一義的原則ではないかという判断をしてきた。

 ――第二原発の避難区域を10キロから8キロに変えることで外れる自治体があれば教えて欲しい。8キロに変えたのは、第一原発の避難区域とかぶるからか。

 第一原発からの避難区域から外れる、重なってない地域が2キロ分ほどある。それよりもさらに狭くできるのかどうかということの判断はありうると思うが、しかし現実問題としては第一原発からの20キロの避難指示、警戒区域が出ているので、そこと重なっていない部分についてどう考えるか、という判断であれば必要十分であるということで、その判断をしたということだ。詳細な町名は改めて確認して報告する。

 ――一時立ち入りについて、自治体と協議しながらというが、いつぐらいから実施できそうか。

 政府としてはすぐにでも始めたい。住民の皆さんの気持ちに応えればという思いだが、警察、自衛隊の協力の準備、お願いする準備も進めているが、同時に地元の地理等あるいは集落の状況などを十分把握されている自治体の皆さんにも協力頂かないと、現実的に難しい。そのあたりを今回方針を明確にしたので、自治体の皆さん、そして避難されている皆さん、集落単位でとか、オペレーションを具体的に組んで頂くなかで実施される。ただ、公益に基づく役場とかについては、別途の手段で安全性を確保して進められる。こういったできるところから数日中には始めたい。

 ――一時立ち入りが全住民について完了するメドは。

 自治体の皆さんの協力を頂ける状況とか気象状況等、風向き等にもよるが、原発の状況が特段の悪化がなければ1カ月から2カ月程度の間には、希望される方を一巡したいと思う。

 ――今回は短時間で1世帯あたり一人ということだが、複数回の立ち入りは検討するのか。

 まずは希望されている方を一巡、立ち入って頂くということを最優先したい。その上で、いろんな希望があると思う。その一巡している間にその要望と安全状況、実際に立ち入って頂くことを積み重ねることによるオペレーションの積み重ねを踏まえながら、一巡後のことについても考えていきたい。

 ――罰則規定とも絡むが、今すでに残っている人がいるが、説得作業をどうするのか。継続して残っている人はそれなりに被曝(ひばく)している可能性もあるがどう対策をとるのか。

 まずは法律上もさらに厳しい形になったので、ということを説明しながら説得して理解を得ることにまずは全力をあげたい。警察の皆さん等に全力を挙げて頂くことになる。それからそこに1カ月余りいたということの被曝量については、周辺地域の放射線量、今回20キロ圏内もやっているので、それも踏まえ一定の推定ができる。それを前提にもし必要があるような線量を受けている可能性があれば、当然医療関係の対応をお願いすることになる。

 ――警戒区域の範囲内の人口と3キロ除いた場合の一時立ち入りの対象人口は。

 実務的にもし必要であれば張り出し等で報告する。

 ――一時立ち入りの具体的方法だが、どういう人が付き添い、どういう安全確保策をとるのか。

 装備品等は当然国において手配して対応する。立ち入りをするにあたっての車等の手配は国でしっかり対応したい。その中で地元の地理的事情について一定の認識がないといけないので、どの程度自治体の皆さんに協力が得られるのかの個別の自治体ごとにつめていくことになる。

 【計画的避難区域】

 ――計画的避難区域、緊急準備避難区域についての発表はいつぐらいがメドか。これが遅れている理由は。

 できるだけ地元の皆さんの要望に安全性を損なわない範囲で応えるというオペレーションを努力している状況にある。方針を発表してから時間もたっているので、できるだけ早くというのは、かなり切迫している状況だと思っている。

 【原発事故の賠償】

 ――先ほど総理と福島知事が会談。知事から原発の損害賠償について「国にしっかりと対応して欲しい」と要請があった。国の対応をどう考えているか。

 当然のことながら、まず損害賠償はしっかりと被害を受けた皆さんに支払われることが重要だ。それについては東京電力同様、国もしっかり責任を持っている。東電と国との関係という意味のなかでは東電が一義的に責任を持っているが、国としてもしっかりと被害者の皆さんに補償がなされるよう責任をもって進めたい。

 ――政府内には東京電力の支払額に上限をもうけるべきだとの声もあるが、事実上、国費を投入して東電の経営を支える格好になると思うが、国費を投入することの考え方は、どうやるべきだと思うか。

 途中のプロセスにおいては東電がしっかりと補償して、なおかつ電力供給という責任を果たしていくことを支えていくために、国がしっかり支援しないといけない側面がある。最終的には、しかし、東電においてやはり一義的なところの負担はお願いをすることになるだろう。

 【レベル7引き上げ】

 ――レベル7引き上げの後、長官が周辺に対し「オモテでは言えないが、かなり早い段階でレベル7の事故とわかっていた」と語ったと、つまり政府が隠してたという一部報道があるが、事実関係は。

 何度も申し上げているが、京ベクレル単位の放射性物質が放出されている可能性があるということは、これはシミュレーションSPEEDIの発表の時、一緒にそういったこともくっついていたと思うし、その認識はあったが、それは可能性であって決して蓋然性が確からしいものではないということを言ってきた。私自身もそう認識してきた。ましてやそれがレベルいくつに相当するとかの話については、その時点で全くなく、レベル7に相当するという可能性が高い、ということは発表の前日に認識したものだ。従って、おたずねの週刊誌の報道については全く事実無根であるし、なおかつ当該週刊誌サイドから私に対する取材も一切なく、あたかもそれが真実であるかのような報道が一方的になされたものだと思っている。私自身は、私個人の信用名誉にかかわることであれば、まあ週刊誌の報道いろいろとすべて事実と違うことについて対応していたらたまらないくらい色々あるので、基本的には直接の対応をしない線でやってきたが、今回は私の信用名誉にとどまるのであれば構わないが、原発事故に関する政府の発表内容に不信をいたずらにあおるものであるし、結果的に多くの国民のみなさんに事実に基づかない内容で大きな不安をかき立てるものだと思っている。従って代理人を通じて文芸春秋社に対し、事実に反することを公にし、以後誤った報道をしないよう文書によって強く求めたところだ。

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