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枝野官房長官の会見全文〈27日午後〉

2011年4月27日18時47分

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 枝野幸男官房長官の27日午後の記者会見は次の通り。

 【冒頭】

 「2点報告する。まず、原発事故による被害の救済について、本日も一刻も早く被害を受けている皆さんに100万円の仮払いに加えて、しっかりとした補償を本当に早急にしてほしいという旨を福島県知事から強く要請、要望を電話で受けた。原子力損害賠償紛争審査会は11日に設置され、これまで2回の会合を開催してきた。福島県知事の強い要望を受けて、私からも改めて審査会の審査の更なる迅速化をお願いしたが、これまでの議論において、迅速な被害者救済の観点から、政府指示による避難や出荷制限など緊急性が高く、賠償の範囲として蓋然性(がいぜんせい)の高いものについては、整理がつき次第、順次損害の範囲を指針として示すこととなっていると報告を受けている。明日、第3回の審査会が開かれる予定だが、これまでの審議を踏まえ、一時的な指針案の取りまとめを目指すこととなったと聞いている。ぜひとも地元の皆さんの強い声、被害を受けている皆さんの現状を踏まえて、早急に指針案をとりまとめて頂きたいと、重ねて私の方から要請、指示した」

 「もう1点は出荷規制の解除について。本日、栃木県の那須塩原市および塩谷町以外の地域で産出されたホウレンソウ、福島県の県南8市町村で産出されたブロッコリーなどアブラナ科の花蕾(からい)類。福島県会津及び南会津地方の17市町村で産出されたキャベツ等の結球性葉菜類について、出荷制限を解除することとし、栃木県知事及び福島県知事に指示した。詳細は厚労省、農水省にお尋ね頂きたい」

 【学校の放射能対策】

 ――福島県の一部の小学校で、放射性物質の検出によって校庭の土を削る作業が行われているが、学校ごとに違う対応に不安の声も高まっている。

 「それぞれの学校あるいは県や市町村などの行政、教育委員会単位で、できるだけ子どもさんたちに普通の状態と同じような生活を営んでもらいたいという観点から、様々な努力をして頂いているものと認識している。安全性という観点からは文科省から指針を示したところであり、それに従ってもらえば、かなり保守的に判断をして安全性を確保した指示を出している。ただ、校庭の利用を1日1時間にというような方針を出しているところだが、更なる手当てをすることで、そうした制約なく子どもさんに校庭等を使って頂けるというようなことに向けて、努力されているところがあることについては、そういった努力を余儀なくさせていることに大変申し訳なく思うと同時に、前向きなものとして受け止めたい」

 ――文科省の使用基準が出ているが、不明確という声がある。今後、基準を詳細に考えるということはあるか。

 「この指針を示した時には、文科省から福島の方に出向いて色々説明させて頂いたという報告を受けている。それぞれの学校、教育委員会等との間の意思疎通の中で、必要があれば検討したい」

 【汚染水の貯蔵プール】

 ――総理が全漁連との面会で、原発の敷地内に大型プールを建設すると伝えたようだが。

 「汚染水のキープ、流出させないための手当てを始めとして、原発の収束に向けて工程を着実に進めるための具体的な細かい手法等については、色々な事を同時並行で進めたり、検討したりしていると報告を受けている。そうしたことの一つを紹介したのではないかと認識している。具体的にそのやり方で間違いなくいくとか、そのやり方になる可能性が高いとかということじゃなくて、色々なことをあらゆる可能性、あらゆる手段を検討していることの一つとして報告したのではないか」

 ――馬淵首相補佐官は地下に大規模な遮断壁を埋め込む方針を明らかにしているが、これと同じか。

 「馬淵補佐官が言ったことも一つの選択肢、検討している手法の一つとしての報告は私も聞いている。総理が言った事がそれとイコールかどうかは確認していないが、色々なことを同時並行でできることは進めているという状況だ」

 【液状化の救済策】

 ――液状化の救済策の検討状況はどうなっているか。

 「激甚災害法等の適用の範囲をどういう風に広げられるのか広げられないのか、できるだけ対応できる方向で、ということで実務的な検討が進んでいる状況だ。まだ政治的に決断するということで、それに向けての報告があがってきている状況ではない。ただ、ぜひ前向きに進めたい」

 【漁業者の安全基準】

 ――全漁連の要請で、漁業者の操業の安全基準設定に前向きな話をしたということだが、検討状況は。

 「要請を受けたので、そういったことも考えなきゃいけませんね、ということで答えたのではないかと思う。当然のことながら、そこで取って頂く魚の食品としての安全性等を確保するということ。当然、そのことを前提にして操業される方の安全を確保していくということなので、それを別の基準で、あるいはチェックが必要なのかどうか等については、今日の面会の話を踏まえて、具体的には水産庁等が安全委員会とも連携して検討して頂くことになる」

 【陸山会事件】

 ――陸山会の政治資金規正法違反事件の公判で、水谷建設元社長が小沢氏に1億円提供したと証言したが、民主党政権にどういう影響があると思うか。

 「現に進行中で、事実関係が争われている刑事裁判について、行政府の立場からコメントすることは権力分立の原則の見地から適切でないと思っている」

 【民主党結党13年】

 ――きょうは民主党結党から13周年だが、何か思いがあれば。

 「いま言われて気付いたぐらいなので、いま、震災、原発事故対応ということで特に精神的にはそれに集中している状況なので、いま言われて気付いたぐらいなので、あらためてという感想を申し上げる状況ではない」

 【汚染水貯蔵プール】

 ――汚染水をためるプールの件だが、いくつかのアイデアを検討しているということだが、これはできるという案はないのか。

 「できるだけ大量の汚染水を安全、確実にきちっと確保する。これもできるだけ早く新たな汚染水の発生が生じないようにという努力を一方で進めているが、場合によっては、より多くの量をためなければならないことになる可能性も含めてやっている。そうした意味では、例えばメガフロートについてとか、いま汚染水が移送されている建物についても、順次できるところから順次実行している形で、こうした場合については、これ一つやれば解決するという性質のものではないので、常に様々ななしうる方策を同時並行で検討し、できるところから着手し、ということの中にあるということだ」

 【知事の要望】

 ――昨日、東京、神奈川、埼玉、千葉の知事らが連名で仙谷副長官に、節電ポイント制の導入など夏の停電回避のための提言書を出したが、今後の対応は。

 「節電のポイント制については、その前にも上田清知事からも私も要請いただいた。それぞれ建設的ないくつかの提言をいただいていると承知している。すぐにすべてのことを導入できるかどうかは別として、特に目の前に迫っているこの夏の節電に向けて、コストも見なければならないが、実現可能性が高くて、なおかつ効果の大きいものについては、できるだけ実行したい」

 【自衛隊機の引き返し】

 ――東電の社長が自衛隊の飛行機でUターンした件だが、結果的に対策が遅くなり、危機管理上も問題はなかったか。

 「11日の夜から12日未明にかけては、それこそ電力の復旧ができないかどうかとかについて、電源車、あるいはそれに類するもの等についての緊急輸送を、これは自衛隊を含めて、できることがないかということであらゆる可能性を模索して、行動をしていた状況だ。東京電力から社長の決裁が下りないから判断できないなどというようなことの報告とか、そういったことはその間なかった」

 ――特に問題なかったということか。

 「いま申し上げた通りだ」

 【世論調査】

 ――最近の報道各社の世論調査などで、長官が総理候補の上位に名前が挙がっていることについてどう受け止めているか。

 「先日も世論調査についてお尋ねの時に答えたが、国民の皆さんの世論というのは国政を進めていくうえで大変重要なことであると思っている。世論調査もその世論というものがどこにあるかということを判断、推測する上での大きな要素であるのは間違いないと思っている。ただ、個別の一個一個の世論調査の具体的な数字が世論そのものとイコールであるかというと、そうではないと思っているので、個別の世論調査について一つ一つコメントすることは避けたい」

 【SPEEDI】

 ――放射性物質の拡散を予測するSPEEDIについて、原子力安全委はデータ不足を理由に予測を公表してこなかったが、システムを運用する原子力安全技術センターが原子力安全委の策定した指針にのっとって予測データを配信してきたが、データ不足はないと指摘している。データ不足としてきた原子力安全委の班目委員長の認識不足だった可能性は。過去と今後のデータのすべてを公表すると25日に発表しているが、どのような方法で公表するのか。

 「1点目についてだが、その発言がどういう趣旨なのか私も十分承知していないが、私が報告を受けているのはこれから申し上げるようなことだ。というのは、本来のSPEEDIは原子炉からどれぐらいの放射性物質が放出されているのか。そのことを前提にどの地点がどういうような放射線量、放射線の影響を受けるのかを推測するシミュレーターであると。ただ、今回の事故では、原子力発電所から放出された放射性物質の量が測定できていないという状況にあるから、本来の役割であるどの地点がどのくらいの放射線量になるかということは、そういった意味では使えないという報告を事故発生当初に受けた。これに対して、今日国会でも答えたと思うが、私からも、どこかの放射線量がこれぐらいならば、どれぐらいの放射性物質が出ているのか逆算できるんじゃないですかということを私からもお尋ねして、その結果として、いくつかの実測値、周辺地域の放射線量とか放射性物質の量とかから逆算して、SPEEDIを使って逆に放射性物質の放出量が推測できた、推測しているという状況。その限りにおいては、放射性物質の放出量という本来、予定している元になるデータがないというのは、今の段階でも変わっていない。ただ、今回いろいろなものが公表されるということにあたって、それは何なんだと、いままで私のところにも報告がなかったので確認したが、放射性物質の放出量が分からないので、1単位のものが出たとしたらどうなっているかという、まさに気象状況から出てきている数字、ある地点の放射線量というのは、まさにバーチャルの数字になるが、風向きでどういう所にどう広がるかについては本来の使い方ではないが、一応やっているということで、それはちゃんとそういったことも公表した方がいいんじゃないですかと私は申し上げて、公表することになった。そういった意味では、バーチャルの1という数字をおいて、それがどう広がるかということの、まさにバーチャルのシミュレーションはできるようだ。ということの違いではないかと私は承知している。具体的な公表の仕方はテクニカルな話なので、公表を所管するのは安全委員会でしょうか、文科省でしょうか、そちらにお尋ねいただければと思う」

 【自治体への損害賠償】

 ――原発の賠償の件で、福島県の佐藤知事が21日に総理あてに要望書を提出し、役場機能移転等の障害が生じているから、自治体が被った損害も賠償の対象にするよう求めているが、どう考えるか。

 「当然そういったことについて、原子力損害賠償紛争審査会において指針を出して頂く事になるだろうと思うが、法律の一般論としては、相当因果関係にある関係であれば、その影響、損害を受けた主体が公法人であるか、私法人であるか、私人であるかは関係ないと思う。ただ、もちろん、村役場や町役場とかも組織としても大きな影響を受けられていると思うが、まさに今、優先度の高い順番から審査会においても審議を頂いているし、実際にお支払い等のオペレーションもそういったところを優先せざるを得ない。逆に自治体等については様々な行政的な措置において、当面のつなぎみたいなことはできるので、ということの順番での対応になっていくかなと思っている」

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