2011年5月4日0時34分
被災後、活動を自粛していた岩手県の社会人ラグビーチーム、釜石シーウェイブスが3日、釜石市立陸上競技場で練習を再開した。大漁旗を手にしたサポーターが見守るなか、約30人が笑顔で汗を流した。15日には盛岡市で関東学院大と対戦する。
「うわ、きつい」。選手から声が上がる。久しぶりの本格練習で出た悲鳴だった。今季は出遅れたが、ゼネラルマネジャー高橋善幸さん(46)は「釜石を背負って全国制覇を目指す。自分たちのラグビーを通じて、あきらめない被災地の姿を見てもらいたい」と力を込める。
神戸から駆けつけた元メンバーのアンドリュー・マコーミックさん(44)は「選手たちの安否が確認できたのは震災から6日目。街の様子にはショックを受けたが、仲間の元気な姿がうれしい」と笑顔を見せた。
チームは、藤原誠選手らの自宅が損壊し、家財道具や練習道具が流された。職場が被災して復旧に追われた選手も多い。クラブを支える企業の多くも深刻な打撃を受け、収入減が見込まれている。不安を抱える選手たちを、全国から届いた支援の声や物資が支えている。(奥田薫子)