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枝野官房長官の会見全文〈13日午前〉

2011年5月13日13時36分

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 枝野幸男官房長官の13日午前の記者会見の内容は次の通り。

 【閣議案件】

 「閣議で一般案件など14件と法律案、政令、人事が決定した。大臣発言として、総務相及び菅総理から、国家公務員の給与について発言があった」

 【節電15%目標】

 「閣議に先立ち、電力需給緊急対策本部を開催し、夏の電力需給対策を決定した。4月8日に本部で骨格を取りまとめたが、それ以降、東京電力、東北電力管内の電力供給力積み増しの努力が行われてきた。その結果、骨格で示した目安を上回る供給量確保の見通しが立った。これを踏まえ、本年7〜9月の需要抑制目標について、大口、小口、家庭の種別に関わらず、昨年ピークに比べ15%の抑制を目標として頂くことにした。

 しかしながら、この需要抑制は決して簡単に達成できるものではない。今回の対策には広範、かつ、きめ細かに具体的な方策を盛り込んでいる。産業分野においては操業や営業の時間の調整、休業日、夏季休業の分散化などにより、生産量を落とすことなく節電を実行していく。自主的な取り組みを既に計画して頂いている企業もたくさんある。

 また、家庭については、特に契約アンペアの引き下げを推進したい。契約アンペアを引き下げれば当然のことながら一時期に使える電力量が強制的に抑制されると同時に、このアンペアを引き下げると基本料金などが引き下がるので家計コストの節減効果にダイレクトにつながる。このことの周知と希望者への電力会社による迅速な対応含めて家庭用についても節電の努力が感じられるように進めたい。

 政府としては、各府省など自らの電力使用の節電はもとより、電力需給対策促進のため、規制制度改革や広報・啓発に全力を挙げる。この夏は、復興・復旧の観点からも重要な時期だ。政府一丸となることは当然として、国民の皆さん、産業界の皆さんにご理解ご協力を頂いて乗り切って参りたい」

 【被災地の犯罪対策】

 「閣議前に犯罪対策閣僚会議があった。4月6日に決定した被災地などにおける安全安心の確保対策の進捗(しんちょく)状況及び5月11日に改定された確保対策の内容について報告が行われた」

 【新たな出荷制限】

 「出荷制限について、本日、原子力災害対策特別措置法20条3項の規定に基づき、福島県の一部で産出されたタケノコ。一部とは、南相馬市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、西郷村。この地域のタケノコについて出荷制限を設定することとし、福島県知事に指示した」

 【質疑】

 ――閣議で首相からあった国家公務員についての発言とは。

 「総務大臣から報告があると思うが、総務大臣からまずは国家公務員の人件費について、職員団体によく説明し理解が得られるよう十分に話し合って、一般職員の給与について平成25年度末までの間、俸給ボーナスの1割カットを基本とする国家公務員給与の引き下げを行う方向での交渉を開始したいとの報告があった。

 これを踏まえて、総理からは、国家公務員の皆さんが東日本大震災の対応を含め日夜公務に精励頂いている。しかし、厳しい財政事情にある。さらなる東日本大震災への対処などを考えれば歳出削減は不可欠であり、特に震災対応含め精励頂いている中ではあるが、国家公務員の人件費についても例外ではない。そこで今回の総務大臣からの提起を踏まえて進めていきたい。

 職員団体への交渉は総務大臣を責任者として総務省の政務三役が補佐して進めるように。そして、官房長官と公務員制度改革担当大臣、国家戦略担当大臣、財務大臣などの関係閣僚と必要に応じ協議を進めていくように。そして、特別職に属する自衛官などについては、総務大臣において別途防衛大臣と協議するように。特に、自衛官の皆さんにはこの震災対応について本当に大変なご尽力を頂いていることも十分考慮して、防衛大臣と別途協議するように、という指示をされた」

 ――地方公務員についての対応は。

 「国が直接的に給与について関与できる対象は国家公務員だ」

 ――政務三役の給与はどうなるのか。

 「従来から総理が言っていると思うが、一般職の公務員の皆さんとの話し合い、交渉などを踏まえ、当然のことながら、政務についても一定の対応が必要だろうと考えている。一般職の皆さんについての交渉を踏まえて、適切な段階で具体的な指示があるものと認識している」

 【原発のメルトダウン】

 ――昨日、東京電力が福島第一原発1号機でのメルトダウンを認めたが、政府の認識は。

 「『メルトダウン』という言葉が、多義的に、人によっていろいろな使われ方をしている。ここは注意しないといけないと思っているが、燃料の集合体が溶融して燃料集合体としての形状が維持できなくなり、溶けたものが重力によって下に落ちたという状況が、1号炉において生じている可能性が相当高い、ということは、昨日、東京電力から経済産業省原子力安全・保安院を通じて報告を受けている。

 そうした状況がより早く認識されることができればと思うが、原子炉の圧力、あるいは外側からの温度、周辺の放射線量などの把握の中で、この間の周辺住民の皆さんなどに対する安全対策などについては、このことが明らかになったことで改めて問題のあるところが生じてこないと思っている。

 ただ、こうしたことがより早い段階でより具体的に推測できる可能性がなかったのかということは、これは今後の検証においての一つの大きなポイントになるのではないか。また今後の事態収束に向けた対応については、こうした今回の判明した事実に限らず、様々ないろいろな当初の工程表想定の段階とは違った事実が判明したり、あるいは事態が変化したりということは一定の考慮をした上での工程表が作られていると認識している。

 特に、水の漏れが想定、予想されていた範囲よりも大きいという可能性がかなり高いということだと思う。これは、収束に向けては一つ大きなポイントだ。どういう所から、どういう風に水が抜けているのかについては、はっきりとしていないのでそのことをできるだけ早く調査して把握することが重要だ」

 【原発収束の工程表見直し】

 ――工程表の見直しは必至だと言っているのか。

 「元々が適宜、直接にはこれ細野首相補佐官にお尋ね頂きたいが、1カ月ごとぐらいには進行状況や新たに判明、把握した事実を踏まえて、常に見直しながら進めていくということだと思っている。そうしたことの範囲の中のことだと思っている」

 【原発事故調査委員会】

 ――原発事故の調査委員会はいつからスタートするのか。

 「本当にしっかりとした調査委員会で、国民の皆さん、あるいは国際社会の期待する調査を行って頂かなければいけない。今その立ち上げに向けた準備を進めているところだ。できるだけ早くスタートするのが望ましいと思う一方、しっかりとした期待に応えられる調査ができるような体制にしなければならないと思っている。もうちょっと時間を頂きたい」

 ――福島原発がまだ収束しない中、現在進行形の中で調査をする意味は。

 「最終的な調査、報告のような形は収束をした、しかるべく後でないとできないと思うが、なぜ事故に至ったのかというプロセス、あるいは事故発生から今日までのプロセスについてはできるだけいろいろな関係資料とか関係者の記憶などもできるだけ薄れないうちに、プラントが収束という最優先事項に影響を与えない範囲ではできるだけ早く始めた方がいいのではないかと思う」

 【東電の賠償枠組み】

 ――原発の賠償枠組みの決定は、閣僚懇談会で決定されたのか。

 「閣僚懇の場を生かして、この対応チームの関係閣僚会合として決定した」

 ――政府は公的資金注入の前提として銀行とステークホルダーの自助努力を促してきたが、地震前の東電の借入金について一切債権放棄なされない場合でも国民の理解を得られると思うか。

 「まず一つは3月31日だったと思うが、地震発生後にプラント収束の東電の責任ということも考慮されたのだと思うが、新たな追加融資がなされている。これについては、少し別に考えなければいけないだろう。そのことは、国民にも周知をしなければいけないだろう。

 それから、3月11日以前からの融資については、現時点では民民の関係なので発言には注意したいが、お尋ねのような国民の理解の得られるかといったら、それは到底できない、得られることはないだろう」

 ――公的資金注入が行われない可能性があるということか。

 「私はそう思っている」

 ――枠組みが昨日決まらなかった理由は。

 「昨日、私も『早ければ』と申し上げた。想定の範囲内だ」

 ――民主党への根回し不足では。

 「この問題は大変重要であり、広範な考慮すべき事項があり、様々な分野についての認識知識を前提にしないと作れない対応策であった。従って、政府において関係閣僚間での検討においても、相当な時間と議論を要したものだ。党において検討するプロセスにおいても様々な意見があって、一定の時間がかかったというのは当然のことだ」

 【復興基本法案】

 ――復興基本法案は4月中の提出を準備していたが、結果的に遅れた。政府と党の関係で遅れているのでは。

 「政府としては最大限急いでということで、4月中には条件が整えば法案が提出できるような準備は整えていた。ただ、これは法律の問題なので、政府が決めれば前に進むということではない。当然のことながら、国会の理解を頂かなければ前に進まない。政府として、政府限りでできるる準備は整えながら、国会においてできるだけ早期の理解を頂くための様々な努力を与党においてして頂く、あるいは与野党間で相談協議をして頂くということは当然のことであり、提出をした上で相談協議頂くこともあれば、今回については提出前に協議相談、努力をして頂いた。

 結果的に、それは残念ながら現時点で実っていないが、政府限りでできる準備は4月下旬にはできる準備は整えて、各党間の調整の段階について、出す前の調整か、出す後の調整かという違いに過ぎない」

 ――基本法案と内閣法改正案は、野党の協力を得られる見通しは立っているのか。

 「ぜひ野党の協力を頂きたいと思っている。意見の違いが少なからずあることは承知しているが、いずれにしても、与野党で一致できなくて前に進まなければ被災者の皆さんにご迷惑をおかけするということについては、認識共有している。与党においても、可能な範囲で柔軟な対応をして頂きながら、野党の理解を得るべく努力をさらにしてもらえるものと思っている」

 【原子力損害補完的補償条約】

 ――米国のエネルギー副長官が原子力損害補完的補償条約への日本政府の締結に期待を示したが、受け止めは。

 「そうした指摘があることは承知している。この条約についての批准について現在、加盟について検討中だ。事故の損害補償のための加盟国における積立金の制度を設けようというような側面についてみれば、今回我が国が事故を発生させたということを踏まえながら、前向きに受け止めるべき内容を含んでいる一方で、裁判管轄の問題であるとか、様々な内容を含んでいて、全ての論点について精査検討した上で判断したい」

 【原発事故調査委員会】

 ――事故調査委の人選は誰がやっているのか。

 「最終的には総理にお決め頂くことことだ」

 ――首相は調査の対象者だが、人選で首相に近い人を選べば、調査に影響が出てくると思うが。

 「もちろんそういう指摘を受けることのないように、第三者性を国民から見ても確保されていると理解頂ける方にお願いしなければいけないという大前提で、検討を進めている」

 ――首相が選ぶのは、第三者性を理解できる方法ではないのでは。

 「結局どなたがなるのかということについて、政府として責任をもって検証しようとすれば、最終的には総理が決めるということに政府としてならざるを得ない。政府が委託した第三者に人選してもらうとしても、政府が委託した第三者の人選についても、同じ問題が生じる。選び方の問題については限界がある。

 どういった方にお願いができるか。そうした顔ぶれによって、これならば第三者性が確保されて調査をして頂けるな、と見て頂けるよう方にお願いしたいということで検討を進めている」

 【東電の賠償枠組み】

 ――3月31日の追加融資は、なぜ違うのか。

 「3月11日に原発事故が発生した。そうした中で、事故のリスクというものも、広い意味では、それ以前の融資については当然のことながら考慮に入れて融資がなされるというのがマーケットの基本だ。

 事故によって生じた財務内容というものについてを前提にした中で、金融機関にも当然協力頂くものと思っているが、事故発生以降の状況の中においても、様々な判断というのは、様々な経緯状況が異なっているので、それはこうしたことの協力をどう東電が求められるのかということにあたっては、大きな考慮要素になるだろうということを申し上げている」

 ――政府として、保護する対象になるということか。

 「これは民民の関係だ。東電とそれぞれの金融機関との間の民民で東電が協力を仰ぐ。各金融機関がそれに応じるのかどうかという問題だ。政府としては、そうした努力の成果を踏まえて、東電を通じた被災者支援というやり方を前に進めるのかどうか。それとも違ったことを取らざるを得ないのかということの政府の判断は、民民の関係に介入するのではなく、それを前提に、政府としての対応の仕方が判断されるという性格のものだ」

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