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枝野官房長官の会見全文〈17日午後〉

2011年5月17日21時50分

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 枝野幸男官房長官の17日午後の記者会見は次の通り。

 【冒頭】

 「東京電力福島第一原子力発電所事故に関し、我が国政府と国際原子力機関(IAEA)との間の合意に基づき、5月24日から6月2日まで、国際的な調査団の我が国への派遣を受け入れることになった。調査団は事故にかかる事実関係の調査を行った上で、とりあえずの評価を行い、6月20〜24日にウィーンで開かれる原子力安全に関するIAEA閣僚会議において報告を行う予定だ。我が国としては、この事故について国際社会に対し最大限の透明性を確保すべく努めてきているが、この調査団の受け入れはその一環として、我が国の経験の各国との共有のためにも有意義なものとなると考えている。なお、6月20日からのIAEA閣僚会議で我が国から事故に関する現時点での評価や教訓についての報告を行うため、まさにこれは内部検証という意味になると思うが、原子力災害対策本部のなかにIAEA閣僚会議報告作成チームを事務レベルで設置した。細野総理補佐官の統括のもと、関係府省のメンバーによって外部有識者の協力、意見もうかがいながら作業を進め、6月初旬までには報告書を公表する予定だ」

 【首都機能】

 ――関西広域連合から今日、首都機能のバックアップ機能の構築で提言があったが、必要性をどう認識するか。

 「今日いくつか頂いた提言の一つが首都機能のバックアップ構造の構築だった。私からも今回の震災を官房長官として直面し、こうした大きな緊急事態においても、政府機能を十全に働かせることの重要性を改めて再認識して、東京周辺では官邸の他に立川にバックアップ機能があるが、果たしてそれだけで十分なのかどうか、私自身もいま検証というか検討している。こうした機能について、前向きな検討が必要だと申し上げ、ただ、こうしたバックアップ機能をどこにどういった形で置くかについては、他の地域からもいろいろと提案があるので、そうしたことを踏まえながら検討していきたいと申し上げた」

 ――関西は一つの候補としてイメージにはあるか。

 「まだどこが候補かという以前の段階で、今は都心部の他に立川にあるバックアップ機能、時間があればどこかで私が直接出向いて、こちらの状況等についても改めて把握をしようと思うが、それで十分なのかどうかということを、むしろ十分ではない可能性が高いという前提で、しっかりとまずは検証する。その場合にはどういう条件で考えればいいのかを考えていく。まずは、そういったことを考えていこうという段階だ」

 ――出向く場所としては関西も一つの訪問地になるか。

 「まだどこが候補地という段階ではない」

 ――出向くという意味か。

 「出向くというのは立川に出向いてみようと」

 【IAEA受け入れ】

 ――IAEAの派遣受け入れについて、細野統括チームと今後つくる事故調査委員会との関係は。

 「まずはIAEAにこの段階における報告を早急に行わなければならないということで、ある意味ではまさに事務レベルの内部的な現時点での報告書の作成作業をして頂く。いま一般的に言われているのは、広い意味では内部監査になるかもしれないが、内閣の責任において外部の有識者の皆さんに委ねた第三者性をもった検証を、これは一定の時間をかけてやっていくことになる。目的が大きく異なっている。むしろ、IAEAの報告書や報告書の作成プロセスも検証の対象になる」

 ――IAEAはこれまでも来日しているが、従来の来日と今回は何が違うのか。日本政府が収集している情報についてヒアリングするのか、現地周辺モニタリングなどもするのか。

 「中身の詳細は現在調整中だが、我が国の関係者とのディスカッションのほか、実際に福島原発にも訪問することになる見込みだと聞いている。従来、IAEAの関係者も日本に来ているが、IAEAとしての閣僚会議に向けたIAEAとしての一つのある程度のまとまりを持ったこの時点における調査報告書をまとめるという位置づけだと理解している」

 ――IAEAは調査が終われば日本を引き揚げるのか、政府の事故調査委員会のオブザーバーになるのか。派遣団の調査体制は。

 「派遣団の体制は、国際的な専門家及びIAEAの専門家おおよそ20人弱と聞いている。イギリスの首席原子力施設検査官のマイク・ウェイトマン氏が団長を務めると聞いている。IAEAの調査団以降の関係だが、内閣としての検証委員会を立ち上げた上で、そのメンバーの皆さんに最終的には独立して決めて頂くことが重要だが、おそらくIAEAは国際的にオーソライズされた国際機関なので、何らかの形で内閣における検証について関与して頂くことで国際的な透明性を確保することが望ましいと思っている。ただ、これは検証委員会を立ち上げ、そことIAEAとの相談をして頂く段取りになる」

 【金融機関の債権放棄】

 ――先週、長官が東電の金融機関の債権放棄を含む協力要請をした。株主や社債の減資などについてどう考えるか。

 「まず私が言ったのは、国民的な理解が得られるかというお尋ねがあったので、それについての見解を申し上げたものだ。そして政府としては、すべてのステークホルダーについて協力を東京電力としてされると聞いている。その協力の内容については、逐次政府に対し、同時に国民に対して報告をして頂く必要があると思っている」

 【原子力安全委】

 ――昨日、原子力安全委員会の班目委員長が原子力安全・保安院を強く非難した。メルトダウンについて保安院がいまだに原子力委員会に対して見解を示していないと。保安院が原子力委員会に物理的常識からありえない報告をしてくるとも発言した。全般的に、保安院の原子力安全委員会に対する報告の遅さが指摘されているが、見解は。

 「まず原子力安全委員会の班目委員長の発言は私直接、どういう文脈や趣旨で話されたのかうかがってない。当然、原子力の安全について原子力安全・保安院を含め、様々なチェックをすべき立場の安全委員会なので、そちらの意見は重く受け止めなければいけない。この間、残念ながらそれぞれの持っている情報あるいはその情報に対する分析の結果が、それぞれの関係機関から必ずしも順調に流通しなかった側面があることは反省も含めて、それは保安院に限った話ではない。そうしたことも、まず過去のことについてはこれから立ち上げる検証委員会等でしっかりと検証して頂き、その原因等を分析してそうしたことのないような体制を作り上げていかねばならないだろう。またそうした抜本的な議論を前に、内閣というか官房を含めてできるだけ迅速な情報の交流と公開がなされるようにさらに努力をしていかなければならない」

 【東電の格下げ】

 ――ムーディーズが東電を格下げした理由に「政府が東電をどのように支援するかが不明」としていることをどう受け止めるか。

 「まず民間の格付け会社の様々な評価や判断について直接政府としてコメントするべきではない。その上で、東電に対する支援の具体的な内容については、その前提になるのは東電による徹底した情報公開、財務内容、資産内容、経費の内訳の徹底した情報公開と徹底した例えば資産売却の方向付けであるとか、経費節減の方向付けであるとかという具体的なものが見えてこなければさらに進んだ中身について税金をお預かりしている立場としては踏み込むことはできない。まずは東電の努力にかかっている」

 【第2次補正予算案】

 ――今国会中に2次補正を提出する考えはあるか。

 「従来から申し上げている通り、この震災対応にあたっては補正は何段階か必要である。1次補正を各党にも協力頂いて成立して執行がスタートした。まずこの執行を進めていく。今後のことについては、日々いろいろなことが動いている。必要性に応じて遅れることなく対応していくということで一貫しているつもりだ」

 ――参院の平田幹事長が「1.5次補正」との言い方で海のがれき処理をあげているが。

 「具体的な所については、1次補正では対応ができずに、なおかつ具体的に必要性が明確で急ぐものがあれば、それに応じて補正を組んで国会に審議をお願いするということであり、何がということではなくて、その必要性は日々広い意味での緊急災害対策本部、特に生活者支援チームには様々な地元からの要望が集約されている。それに対して、今の本予算や補正で対応できるのか、予算措置がいるのかいらないのか、いる場合に、どの程度の緊急性を要するのかということは、それぞれについて日々検討している」

 【自然エネルギー基地】

 ――共産党委員長と首相会談の中で、首相が「自然再生エネルギーの基地を福島に作りたい」と発言したようだが、具体的には。

 「党首同士で直接会って話したことなので、私が補足説明する性格のものでないんではないかと思うが、けさ閣議で決めた成長戦略の検討においても自然エネルギーを推進していくことに向けた具体的な検討を内閣として進めていこうという状況の中にある。一方、これはそれぞれ地元の皆さんの意向、意見を踏まえていかなければいけないが、今回原発事故という地域にとって大変大きなご迷惑をおかけしていることの中で、希望、要望、地元の状況とのニーズが合致すればそういったことを進めていく上で福島県が推進する何らかの拠点の候補であることは間違いない。そういったことを前提とした発言があったのだろう。繰り返すが、県と相談してそういう方向で行こうということではない。これからまずは福島県も原発収束と被害の救済支援ということが何よりも県や地元市町村も全力を挙げている状況なので、その先のことについて県などにどういう要望があるのかニーズがあるのかということを相談する段階でもまだないだろう」

 【第2次補正予算案】

 ――現時点では2次補正提出を検討していないのか。

 「1次補正が成立した時点から、次の補正が何らかの形で必要であるということは想定している。それの時期については必要性を日々検討しながら、必要性が確認された時点で編成して提出して審議をお願いするということだ」

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