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枝野官房長官の会見全文〈19日午前〉

2011年5月19日13時10分

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 枝野幸男官房長官の19日午前の記者会見全文は次の通り。

 【発送電分離論】

 ――昨日、菅首相が発送電分離に前向きな考えを示したが、今後の話し合いはどういうスケジュール感でやっていくのか。

 「まず原発事故の収束に最大限の力を注がなければならないという状況であると思っている。そして、同時に今回の事故の原因等について徹底的な検証を行う。そして検証の結果を踏まえて、昨日、総理がお話しになったような今後の原子力行政、あるいはエネルギー行政についての議論に進んでいくというのが大きな軸であろう」

 ――安定的な電力供給ができなくなるとの懸念もあるが、どう配慮していく考えか。

 「もちろん安定的な電力供給を確保することは政府としての大きな責任だ。しかし、各国の例をみても様々な形態がある。様々なそうした諸外国の例なども踏まえながら議論を進めていくということになろう」

 ――首相は原発の再稼働について「安全性が確認されれば認める」と発言したが、安全性の基準は何か。

 「現在、各電力事業者において、緊急安全対策を実施して頂いている。そうした緊急安全対策の内容や実施状況を国としてしっかりと確認をした上で、地元の意向も踏まえつつ、運転再開について検討していくという段取りだ」

 ――新たに国際的な議論をした上で基準をつくるとかの見通しは持っているか。

 「これからIAEAをはじめとして、今回の日本における原発事故を踏まえた国際的な議論もあるだろう。それから、当然、事故の原因等に関する政府としての検証もそうしたことの中で何らかの議論が必要な事項等が、あるいは見直しが必要な事項が出てくる可能性もある。ただ、これは今後の予想に過ぎない。その時点で考えうる万全の安全対策で安全性を確認しながら進めていく」

 ――1〜3月期の国内総生産(GDP)が発表され、年率でマイナス3.7%だったが、今後の景気対策は。

 「今回の結果は大震災の影響も相当程度、この中に入っているものだろうと受け止めている。当面はこの大震災の影響によって弱い動きが続くとは思われるが、一方で、復旧に向けた作業はもちろん、地域によって状況、進行程度には違いはあるが、間違いなく復旧に向けた動きは進んできている。それに基づいて生産活動が回復し、そして景気が持ち直していくことは期待されている。下ぶれ要因になりうる可能性のある電力供給の制約やサプライチェーンの建て直しの遅れなどが生じないように、しっかりとこうした面を含めた復旧の作業をしっかりと進めていきたい。一方で、中期的には17日に政策推進指針に基づいて、閣議決定をした政策決定指針に基づいて潜在的な成長力を回復できるような議論を再稼働させた。この作業をさらに加速してまいりたい」

 【ハーグ条約】

 ――ハーグ条約への加盟について。

 「本日、ハーグ条約に関する関係閣僚会議を開催した。これまで副大臣会議で検討してきた結果を踏まえて、ハーグ条約締結に必要な法律案を作成する際に盛り込むべき事項について関係閣僚の了解が得られた。これを踏まえて、明日の閣議において、きちっと締結に向けた準備を進め、必要となる法律を作成することについての了解を得る予定で、閣議決定をして政府としての意思決定をしっかりした上で、その詳細については発表したい」

 【東電の賠償枠組み】

 ――東京証券取引所社長が、長官の債権放棄を求めた発言について批判した。

 「まず東証社長の発言については直接、詳細や状況をうかがっていないので、それに対する直接のコメントは避けたい。しかし、東電については今回、政府において特別なスキームを決定した。この特別なスキームは国民負担、特に税の負担等を極小化することを目指しているものだが、しかし、国として責任をもって関与するという中身になっている。そのことが前提としてある以上は、そうしたことをしなくてもいいんであれば、しなくて済むのであれば、それは純粋に民間対民間の話かもしれない。しかしながら、被災者に対するしっかりとした賠償を行うこと、それから、収束に向けた関係者の努力が今後もしっかりと継続されること、そして、首都圏に対する安定的な電力供給を行うことという三つの公的な目的のために国としても一定の支援を行うという限りにおいては、普通の民間企業とは違うというのは当然ではないか」

 ――電気事業連合会が、このスキームは政府が賠償責任を果たしていないと批判したが。

 「今回決定したスキームでは、他の電力会社に東電の今回の賠償についての負担を求めるものではない。今後、起こらないように万全を期するわけだが、残念ながら今回こうした原発による事故が生じて、多くの皆さんにご迷惑をかけていると。そうした将来のことに備えた負担をお願いするというスキームをつくったもので、直接的に東電の賠償についての負担をお願いするものではない。それから、国においては、何度か申し上げているが、賠償すべき損害額がどの程度になるのかということ自体が、国においてしっかりとした責任を果たして、どういった形での収束をすることができるのか、あるいは被害の程度をどの程度拡大することを抑えられるのかにかかっていく。この間も、そしてこれからさらに被災者の皆さんの生活をしっかりと支援していく。あるいは、万が一にも被害が拡大することのないように、例えば土壌の改良等については政府の責任において多々進めていく。そのことによって結果的に被害の拡大が抑えられれば、その分だけ賠償額が小さくなるという形で、国が被災者の支援のために行うことが結果的に賠償額を小さくして、東電の負担が小さくなるという関係にあるので、決して国として今回の事故の責任を東電のみに負担をさせようとするものではない。東電という事業者の立場からの責任の果たし方と、それから国民の生命、財産を守るという国の立場からの責任の果たし方。それぞれが全力を尽くすことによって被災をされた皆さんに対するトータルとしての補償は十全なものになっていくと考える」

 ――賠償額を削ることで国の責任を果たすというのは理解するが、仮に削る額が多くても国が身を削って特別会計などを充てるなどの議論が聞こえてこないが、議論がまだ早いという認識なのか。

 「特会を始めとして、様々な国の財政面のところにおいてどういった対応ができるのか、それは東電の経理にもかかわる部分がある。引き当て、事実上の引き当てに該当する部分があるとか。そういうことについても今後しっかりと検討していく」

 ――長官の債権放棄をめぐる発言で金融機関は、放棄したら株主訴訟のリスクもあるとしている。それを踏まえないで言っているとの批判もあるが。

 「繰り返すが、私は国民的な理解を得られるかと聞かれたので、それは得られるのはなかなか難しいんじゃないですかという趣旨のことを申し上げた。これから具体的には当事者である東京電力が、様々な、それは貸手に限らず株主も含めて様々なステークホルダーの皆さんに当該東京電力の政府からの支援がない場合の財務状況を前提にして様々なご協力をお願いしていくと。そのことについてしっかりと報告を頂いて、国民の皆さんに公開する。そして国民の皆さんのご理解が得られなければ国としてのスキームが前に進むことは民主主義社会なのでない。そうしたことの中で合理的な収束が得られていくと思う」

 ――金融機関のロジックではそもそも債権放棄が不可能だと、株主訴訟になってしまうと言っているが。

 「金融機関がどういうロジックを持っているのか直接コメントする立場にない。私が申し上げているのは、国民的な理解が得られるかと言われたら、得られないでしょうねという私の見通しを申し上げた。そして国民的な理解が得られなければ、国として東京電力を支援することは民主主義社会である以上できない。従って、国民的な理解が得られなければ、支援が受けられないということを前提にして様々なステークホルダーの皆さんがそれぞれ民間の立場で判断をされることだろうと思っている」

 【震災をめぐる発言】

 ――首相が昨日、飯舘村の議会要望を受けた際、「皆さんも地元有権者から突き上げというか大変な要請を受けている」と発言した。首相ないし政府は、被災者の要望を突き上げと思っているのか。

 「そういった認識は持っていないし、総理がどういうことをどういう文脈で言ったのか私は承知していない」

 ――内閣官房参与の平田オリザ氏が「汚染水放出はアメリカの指示」と発言したのちに「勘違いだった」と訂正した。参与が軽々しく発言することをどう考えるか。

 「『不用意に誤った発言をしてしまい申し訳なく思っている』という旨の連絡はあった。まだ海外にいるか今日くらいに戻られるのかそこまで詳細を承知していないが、いずれにしても経緯等についてはしっかりとご報告を頂かないといけないと思う」

 【発送電分離】

 ――昨日の首相会見での送電発電の分離について、今後すべての電力会社を対象に議論するのか。

 「昨日総理が言ったのも、いろいろなことが選択肢としてありうる中での議論を進めていくということ。その選択肢としていろんなものがありうるということで、これからまさに今回の事故やその影響も踏まえて、エネルギー基本計画を中心に議論を始めていこうということであるので、それについては予断を持たずに議論を進めていこうと思う」

 【参院議長の退陣要求】

 ――西岡参院議長が昨日、今日と新聞で退陣を要求していることをどう受け止めるか。

 「様々な政治家の方が、政治家だから政局を含めていろんなことを言うのは、ある意味当然だろうと思うが、今内閣を預かっている立場としては、現に避難生活を余儀なくされているたくさんの皆さんがいる。あるいは震災、原発事故の影響で大変なご苦労されている皆さんがたくさんいる状況の中で、政府として果たしうる責任を最大限果たしていくということに尽きる」

 ――西岡議長の退陣要求だが、内閣としての責任を果たすのはわかるが、立法機関の長がそれを理解していないということで、政府が立法府の議長に説明する考えはあるか

 「先程言った通り、それぞれの政治家の皆さんが政局について、それぞれの立場からいろんなご意見があるのはある意味当然だろうと思う。政府としては、政府としての責任を果たしていくことに尽きる。その政府として果たすべき責任の中に、国民の皆さんにこの間の対応の経緯とかそういったことについてさらに十分なご理解を得られるような説明を尽くしていくのは当然だと思う」

 ――今回の議長の発言は政策的というより政局的側面があるということか。

 「いずれにしても政治家の皆さんがそれぞれの立場で様々な政治的なご見解を述べるのは当然だし、様々なご意見はご意見としてしっかりとどなたのご発言であっても真摯(しんし)に受け止めながら、しかし政府としての責任をしっかり果たして参りたいと思う」

 【与野党会談】

 ――昨日、岡田幹事長と仙谷副長官、自民党の大島副総裁と石原幹事長が会談し、自民党から期限付きの大連立話を持ちかけられて岡田幹事長が断ったとされる。期限付き大連立についてどう思うか。

 「報道は承知をしているが、別に幹事長等から報告とか相談はない。報告とか相談が必要であれば当然そういったことがあるだろうと思う」

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