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枝野官房長官の会見全文〈20日午前〉

2011年5月20日12時59分

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 枝野幸男官房長官の20日午前の会見全文は次の通り。

 【冒頭発言】

 「閣議の概要について。一般案件等14件と法律の公布、政令、人事が決定された。大臣発言として、外務大臣及び法務大臣から国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に向けた準備について。菅総理から東日本大震災復興の基本方針および組織に関する法律等に関し、内閣官房長官を補佐する大臣政務官について発言があった。閣僚懇談会では、財務大臣から第67回平成24年の国際通貨基金世界銀行の年次総会の開催国となる意思を表明したことについて発言があった。閣議前に開かれた第17回緊急災害対策本部について報告する。本日の会議で東日本大震災にかかる被災地の生活の正常化に向けた当面の取り組み方針を決定した。被災者の生活の平常化のため、本格的な復興の取り組み段階に至るまでの向こう3カ月程度に取り組むべき事項をとりまとめた。主な内容は避難所の改善、ライフラインの復旧など。ポイントは居住環境の改善、がれき処理、二次災害防止策となっている。本日の閣議でハーグ条約の締結に向けた準備を進め、必要となる法律案を作成することを了解した。本条約は子の福祉を保護し、条約を適切に実施する観点から、昨日19日の関係閣僚会議で了解された事項を踏まえ、関係省庁の協力の下、法律案を作成することとした。なお関係閣僚会議で了解された事項は、外務省に新設される予定の中央当局の任務、子の返還命令のための裁判手続きにおける子の返還拒否事由について、法律案に盛り込むべき内容だ」

 【東京電力】

 ――今日、東電が決算発表する。東電のリストラ策に期待することは。

 「こうした大きな被害を受けている方がたくさんいる中で、避難している皆さんが納得という言葉は当たらないかもしれないが、そうした皆さんに向けて十分説明のできるような内容となることを期待している」

 ――説明のできるという判断はどこにあるか。

 「東電として、この時点で取りうる最大限の賠償に向けた資金捻出(ねんしゅつ)の努力がなされている、という姿勢が見られるかどうかだ」

 ――リストラについて、これまで協議はしているのか。

 「直接には経済被害対策担当の海江田大臣が東電と様々な話をされていると理解しているが、今私が申し上げたような趣旨は十分伝わっている」

 ――東電の社長人事も行われる見通しだが、事故収束がままならない中で社長が交代することについて、どう考えるか。

 「いろいろな報道が今日の朝刊でなされていることは承知しているが、東電からそういったことについての報告は受けていない」

 ――後任社長の内部昇格についてどう考えるか。

 「人事についての報道があったことは承知しているが具体的な報告は受けていない。現時点ではまだ国は東電に出資をしている状況ではない。基本的には一義的に東電が内部的に判断されることだ」

 【イスラエル】

 ――オバマ米大統領がイスラエルの占領地域を拡大した67年以前の境界線に戻すべきだと演説した。政府の考えは。

 「オバマ大統領の言ったことの文脈、真意について十分に把握をした上で、お話を申し上げた方がいい大変センシティブな問題だと思っている」

 【山口・上関原発】

 ――山口県での原発計画で、知事が、埋め立て免許の失効を検討しているが。

 「山口県知事から現時点で何らかの報告を受けている状況ではない。いずれにしろ当該原発に限らず、今回の事故を通じて得られた知見も反映した安全対策が講じられ、地元の理解を得つつ進めていくことが大前提になる」

 ――埋め立て免許の裁量権は知事にどの程度あると考えるか。

 「いろんな報道がなされていることは承知しているが、山口県知事から、何らかの報告なり相談なりを頂いている状況でもない。先ほど申し上げた通り、今回の事故を通じて得られた知見も踏まえた安全対策が講じられ、なおかつ地元の理解を得つつ進めていくことが重要である」

 【東電の取引先金融機関】

 ――全銀協会長が東電融資の関連で「債権放棄は頭にない」と発言し、長官発言を批判しているが。

 「直接どういうニュアンス、どういう趣旨、文脈でおっしゃったのか、うかがっていないので直接的なコメントは控えたいが、私が申し上げてきていることを含めてのスキームだと理解を頂くべきだと思っている」

 ――国民の理解を得られるか、という観点からはどうか。

 「最終的には国民の皆さんがご判断されることだと思っている。私がそれについてどういう風に思っているかということは既に何度も申し上げてきている」

 ――ムーディーズは債権放棄すれば東電の格付け7段階引き下げると。

 「従来から民間の格付け会社の様々な判断について政府としてコメントする立場にないと申してきている。特に現時点では国の支援等受けているわけではない民間会社なので、ましてや申し上げるべきではない」

 【ハーグ条約】

 ――ハーグ条約で国際社会にどうアピールしたいか。

 「子の福祉の観点から、こうしたハーグ条約が想定しているようなケースはまさにケース・バイ・ケースでいろんな事情、状況がある中で、子の福祉をどういう形で確保していくのかは、各国ともなかなかいろいろ難しい問題がある状況だと理解をしている。国際的に限らず、国内においても大変、本当にケースごとに事情状況が違う難しい問題だと思っている。そうしたことの中で国際社会、特に国境を越えるということになると、ますますその困難さがある中で国際社会の中で一定のルールというか基準がハーグ条約で作られている。我が国でも色んな意味で国際社会との交流が深まっている中では、こうした基準についてはできるだけ整合性を取ることが望ましい。そうしたことの中でしっかりと子の福祉が確保されるという担保も同時に今回合意ができた」

 ――子どもを連れて帰ってきた人の不安も根強いが。

 「これはいろんなケースがある。日本国内で生活していた中で、一方、元配偶者がお子さんを勝手に外国に連れていかれたケースもある。両方があり得るケースについての条約だ。そうしたことの中で特に今回の合意に基づいて、子の福祉等に、この条約の結果として悪影響を及ぼさないような手当て、配慮は十分になされている」

 【東電の取引先金融機関】

 ――与謝野大臣が債権放棄について「公共性を持った事業にお金を貸したことに貸手責任は理論上あり得ない」と長官の債権放棄をめぐる発言を批判した。閣内不一致ではないか。

 「私はいわゆる貸手責任ということだとは思っていない。国民的な理解が得られるか、というお尋ねがあったので、お答え申し上げた。それと民民ではないかという指摘があることに対して、国からこれから支援を受けようという話なんですから、国からの支援を受けなくて賠償をやって頂けるなら、それは完全に民民だが、国からの支援を受けるということは純粋民民ではないですよね、という趣旨のことを申し上げているだけだ」

 【SPEEDI】

 ――原発のSPEEDIのデータが、昨日夕方の福山副長官会見で、総理には上がってないと発言した。本当に上がっていないとすれば、何のためにデータを取り寄せたのか。

 「これは私も見ていない。福山副長官も見ていない。危機管理センターの幹部のところには、各省いろんな関連部局から情報がファクス等送られてくるのはコピーをとって配られるわけだが、そういうところにまったく上がってこなかった。まったく少なくとも政府とか危機管理センター幹部のレベルのところで全く共有されずにあった情報であるということだ。私も報道等をみて、どういうことになっているのかと問い合わせたところだが、官邸の担当部局のところにファクスはきていたが、そこの段階で止まっていたと報告を受けている」

 ――政府のこれまでの説明は、SPEEDIの元となるプラントの放出量が分からないから使えなかったということだが。

 「だから少なくともその何日か後の段階で、SPEEDIというのがあるようだがどうなっているんだと私が問い合わせた時に、放出放射性物質量がわかることを前提としたシステムなので、これは役に立たないという報告を受けた。私から、いや逆に放射線量、周辺地域の放射線量がわかっているんだから、それは逆算して放出放射線量が逆算できるのではないかというアプローチはないのか、ということが数日後にあった。その時点での私への報告も、その2日目の未明にそうしたファクスが届いていたこととどういった整合性があるのか、しっかりと確認をしたいと思う」

 ――政府は情報はすみやかに公開したいと言ってきた。SPEEDIを公表しなかったことをどう考えるか。

 「私などからは繰り返し、すべての情報は迅速に公開するようにと指示を繰り返している。少なくとも私の手元に来ているような情報は、少なくとも問い合わせがあれば公表するということでやってきた。しかしそもそもが情報そのものの存在自体が伝えられていないなかにあったことについては大変遺憾に思っている。ただ、こうした今回取り上げられている推測も含めて、単位1ベクレルが放出された仮定でどうなるのかとか、仮にこれくらい出ていたらこういうことになりそうだな、ということも、我々の承知しないところでいろいろ試算していたものがあるということを把握した段階で、それは全部出せと指示した結果として皆さんの手元に届いている」

 ――ファクスが来て上に上がってなかったというが、その情報はいらないという判断だったのか、何らかのミスだったのか。

 「そこのところについてはしっかりと検証を、我々自身としてもやりたいし、遠からず検証委員会を立ち上げたら第三者的にも検証してもらいたい」

 ――仮定に基づく試算とはいえ、避難指示を出す前に総理が見ていたら役だったのではないか。

 「少なくとも避難区域の指示等についての時に、そういった情報があればそれは意義があったと思う」

 ――長官はSPEEDIの存在を知らなかったが、原子力安全委員会という総理に助言する立場の部局は知っていたはずだが。

 「その点は常に私、例えば班目委員長などのそばにいたわけではないので、その辺のそういうやりとりがあったかどうかは承知していない」

 【EPA】

 ――首相が今朝のEPA閣僚会合で、欧州連合(EU)との交渉に意欲を示したがどう交渉に臨む考えか。

 「大きな包括的な経済連携については先日の指針のなかにもあるとおり、今回の大震災ということも踏まえ基本的な考え方は変えない。交渉するかどうかの決定時期については検討するということ。そういうなかで、バイの部分についてはいろいろな国内的な配慮を十分しつつ進められるところは進めていくと。特にEUとの関係は、むしろ農業問題等、今回の大震災を踏まえた丁寧な対応の検討が重要である部分と必ずしもダイレクトでない部分が少なからずあるので、そうしたことも踏まえながら検討していくことになる」

 【参院議長の退陣要求】

 ――西岡参院議長が退陣を繰り返し求めているが。

 「昨日も言った通り、政治だからいろんな政治家の方がいろんな意見を言うことはいろいろあるんだろうと思う。特に立法府の長であられるので、憲法の権力分立原則も踏まえて、直接的なコメントは避けるべきだと思う」

 【宮城知事の要望】

 ――宮城の村井知事からがれき処理プラント工場の建設を国直轄でやってほしいとの要望があったと思うが、どう対応するか。

 「村井知事からはがれき処理について要望を承った。かなり現場の実務的な手順の中で、今の仕組みでは困難が多いというよう説明を頂いた。それについてはしっかりと受け止めなければいけない。どういう形でそれを解決できるのか。宮城の事情と同時に県ごとに事情が異なっている。解決の仕方も、どういうやり方をするのがより迅速かつ適切にできるのか、ということについては少し検討しなければいけない」

 ――予算措置は。

 「がれき処理自体の予算措置はできている。むしろ制度、枠組みという行政手続きにこれだけ大規模な被害、がれきの量が想定しない中でできあがっている仕組みだ。これだけの膨大ながれきの量を処理するにあたって、より適切に迅速にできる方法がないかということの制度面の検討がまずは重要だ」

 ――仙谷副長官はがれき処理を国でやると表明しているが、検討しているのか。

 「今回の村井知事からの要望も含めて、どういったやり方が仕組みとして一番適切かつ迅速に進むのかということを検討している。今日、村井知事から具体的にどういうところに手続き上の困難があるのかという説明を頂いた。それを踏まえて検討を加速したい」

 【北方領土】

 ――韓国の国会議員が北方領土を訪問することについてどう考えるか。日韓首脳会談に与える影響は。

 「報道は承知している。事実関係を確認中だ。仮に報道が事実であるとすれば我が国としては遺憾なことだ。政府として適切に対応する」

 【原発の安全設計指針】

 ――原発の緊急安全対策は津波と外部電源対策が中心で原子力安全委員会の班目委員長も安全設計審査指針の見直しを表明したが、耐震対策は検討しているか。

 「班目委員長の発言については基本的には津波対策についての話の中での発言だと承知している。いずれにしても、今回の事故によって明らかになったことで直ちに手を打てることについては安全対策を進めている。さらに今後の検証も踏まえながら、常に安全の観点から必要なことについては対応していく」

 ――耐震対策について、地元から不安が広がっている。

 「緊急対策は津波対策として全電源喪失が起こらないように、ということの対策で一定の対応をして頂いているとの報告を受けている。地震と津波事故を踏まえたさらなる安全確保のための万全な策というのは、検証委員会も含めてさらに努力をしていかなければならない。さらに各事業者、保安院含めて、特に地元の安全に対する理解を得られるための、さらなる努力は必要だ」

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