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枝野官房長官の会見全文〈24日午後〉

2011年5月24日22時34分

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 枝野幸男官房長官の24日午後4時の記者会見の内容は次の通り。

 【東電経営・財務調査委員会】

 「東京電力に関する経営・財務調査委員会について報告する。今般の東京電力福島第一原子力発電所の事故への対処については、政府として第一に迅速かつ適切な損害賠償のための万全の措置。第二に原子力発電所の状態の安定化及び事故処理に関する事業者などへの悪影響の回避。第三に国民生活に不可欠な電力の安定供給という三つを確保しなければならないと考えている。

 これらをふまえつつ、政府は東京電力の経営財務を調査することにより、東京電力が最大限に行いうる資産売却などの経営合理化の内容を明らかにし、東京電力に対し政府が支援を行う際、国民負担の極小化をはかることが必要であると考えている。

 このため、経営財務に精通する有識者をもって構成する東京電力に関する経済・財務調査委員会を開催することとし、本日、閣議決定した。この調査委員会は、海江田原子力経済被害担当大臣のもと、東京電力の厳正な資産評価と徹底した経費の見直しのため、経営財務の調査を行い、政府はその調査を政府の支援に活用する。

 調査委員会の委員は資料の通りで、委員長は弁護士の下河辺和彦さんにお願いした。今後、委員長と相談しながら、第1回会合をなるべく早く開催することとしたいと考えている。なお、事務局は内閣官房の原子力発電所事故による経済被害対応室の中に、仙谷官房副長官をリーダーとする東京電力経営・財務調査タクスフォースを設ける予定だ」

 ――経営・財務調査委はいつぐらいをメドに結論を出すのか。

 「委員会を立ち上げて委員長あるいは委員の皆さんも決まった。具体的には委員長の下、委員会の皆さんと相談をして具体的な段取りを決めていくという段階に入っている。政府の立場としては、しっかりとした調査を行って頂く一方、出来るだけ早くはっきりしているところから報告頂きたい」

 ――被災者にとって、どういう調査が求められるか。

 「今回の事故で被害を受けられている皆さんとの立場との関係では、東京電力であれ、政府であれ、しっかりとした補償がなされるということこそが重要だ。政府として、迅速かつ適切に行っていくと繰り返し申し上げてきている。むしろ、今回の経営・財務調査委員会の大きな意味は、電力料金であれ、税金であれ、国民負担に影響が及ばないように最大限のことをしなければならない。そうした観点から、資産評価、経費見直しということを最大限行って頂くことによって、電力料金や税金によっての国民負担につながらないようにして頂くことが委員会の役割だ」

 【調査委の権限】

 ――午前中に発表した事故調査・検証委員会(事故調)もそうだが、法的強制力がない。調査権限をどこまで認めるのか。

 「まず経営・財務調査委員会については、東京電力からは、これちょっと文言を正確に記憶していないが、全面的に協力するということの確認書を頂いている。こうしたことに全面的に協力をして頂くことが支援の前提になっている。当然協力頂けるものというふうに思っている。それから事故調査・検証委員会については、政府関係者は閣議決定に基づいて閣議決定に従う義務がある。これは法的裏付けのある強制力をもっている」

 ――東電については強制力があるのか。

 「東京電力の、少なくとも現時点においては事故が収束していないわけであり、事故に至った原因、あるいは事故直後の対応について、しっかりと検証を行うことは今後の事態の悪化を防ぐということのために必要なことだ。一般論としては、原子炉等規制法に定める経産相の権限もある。これは当然閣議決定に基づいて全面協力をして頂いて、その権限が必要なら行使して頂くということになる。最終的には原子力事故の対策本部長としても指示権限というものも、最終的な担保としてある」

 ――事故調は政府側も検証対象になるため、自民党の石原幹事長は行政の外に事故調を置くべきだと言っているがどう考えるか。

 「まず政府としてしっかりと検証を行うということは、いずれにしても必要なことだ。当然、完全な第三者から外部からの検証ということも否定するものでないが、政府として検証を行うということはいずれにしろ必要だ。その時に内閣の下ではあるが、これまでの原子力行政、あるいは今の内閣そのものとも、できるだけ独立性を確保した形で検証を行って頂くという位置づけをしたつもりだ。

 さらに、外部という、半分内部かも知れないが、国会が国会の判断でとか、あるいは国際機関の立場でそれぞれ検証をされることについて否定するものでない。それが二つや三つあることが何か問題あることだと思わない」

 ――経営・財務調査委だが、一民間企業に政府が介入するのはどうか。

 「支援しなくていいんだったらこんな検証しない」

 【賠償スキームとの関係】

 ――結論を出すのは、原発賠償に関する法案や賠償スキームを動かす条件になるか。

 「必ずしも条件だとは思わないが、国会にどの程度の理解が頂けるかということとも絡んでくるが、一般的に言えば、実際に東電の財務状況はどうなってるんだと。東電の自助努力でどれぐらいの資金出せるんだ、というようなことについて、政府として一定の見通しをお示しできない状態で国会の理解頂けるかどうか。これはむしろ国会のご判断だ」

 ――株主責任の是非や銀行に対する債務の取り扱いも検討対象か。

 「閣議決定を確認頂ければと思うが、東京電力の厳正な資産評価と徹底した経費の見直しのために経営財務の調査を行うということなので、この範囲に含まれることは調査の対象だ。この範囲から外れているものは、調査の対象ではない」

 ――資産評価して東電が債務超過に陥っている時は、法的整理することもあるのか。

 「これから調査を行う。特にセンシティブな問題なので、仮定のお尋ねにお答えするのは控えたほうがいいかと思う」

 ――資産査定の結果、政府の支援スキームの変更はあるか。

 「先日関係閣僚会合で決定したスキームを前提に、国民的理解を得て進めていく前提として行っているものなので、絶対にとは申し上げないが、基本的にはこの調査を踏まえながら前回決めたスキームを実施していく」

 【経営・財務調査委と事故調の立ち上げ経緯】

 ――経営・財務調査委の委員長を下河辺氏にした理由は。

 「こうした経営の状態の調査についての様々な経験お持ちだ。企業再生を担当した産業再生機構の取締役、産業再生委員会委員なども務めている。こうした経営財務の調査、それを取りまとめして頂く上で適任であると判断した」

 ――事故調が立ち上げまで時間かかった理由は。

 「国民の目線に立った中立的な立場からの検証をして頂こうということであり、特に中立的な立場からの検証を行って頂くためには東京電力、あるいは従来の原子力行政との関わり具合ということについてはしっかりとした検証が必要。チェックというか。そういったところについて直接的な利害関係のお持ちに経験のない方にお願いをしたいということで一定の時間を掛けさせてもらった」

 【事故調の権限】

 ――事故調に罰則規定がないのに、実効性を担保できるか。

 「むしろ罰則の有無というのは、特別職の我々はちょっと直接意味はないかも知れないが、閣議決定に基づいての国家公務員にはそれに従って、協力をする義務があるので、それにきちっと対応しなければ、少なくとも公務員法上の懲戒の対象になりうるという担保はある。

 従来、検証そのものをできるだけ公開性を持ってと考えていたが、委員長においてもそういった考えだと聞いているので、公開性を持って検証行うことが何よりも国民の皆さんの目という何よりも厳しいチェックがかかっていくものと思っている」

 【事故調の調査見通し】

 ――事故当初から議事録などがないことによる調査への影響は。

 「正確に言うと、ない部分がある、というのが正確だろう。これはどこまで言っていいのか分からないが、例えば、危機管理センターにおいては膨大な量の書類が作られて回覧、配布されて、そこには東電や経済産業省原子力安全・保安院から報告された事故や何らかの指示がされたことについて、共有するためにそうしたものにしっかりと書かれて、書類として残っている。

 ただ、3月11日から数日間は、まさに大変緊迫した状況の中だったので、誰かがメモをとって正確にきちっと記録するというゆとりのない中での議論、判断という局面があったことは否定しない。

 ただ、前後の様々なしっかりと記録されている事項から記憶を喚起すれば、それなりのものはしっかりと検証できるのではないかと。例えば私も今回いろいろ問題なっている12日夕方6時からの打ち合わせについては、記録をしっかりチェックすると、その時間帯、私は記者会見をしていたので、どうもその部分についての記憶がないなと思っていたが、そういったことが確認できたりとかということで、できるだけ正確な事実関係の整理をできるようにしていきたい」

 【事故調の調査方法】

 ――聴取も公開するのか。

 「もう一つ、独立性ということがある。大きな方向性は閣議決定して、その上で委員長に委嘱するので、そういったところについては、基本的に政府として公開性を持ってとお願いするが、具体的な委員会の運営について、逆に検証を受ける側の私とかがこういうやり方でやってくださいとか申し上げて、こちらが主導して決めるのは、独立性の観点から問題がある。公開性を持ってやって頂きたいという大きな方向性をお願いした上で、具体的な運営は、委員長以下委員会の皆さんに委ねるべきだろう」

 【事故調のメンバー確定と初会合】

 ――事故調のメンバーはいつごろまでに決めて、何人ぐらいになりそうか。

 「委員長と相談してというか、委員長の判断で決めて頂くのがいいだろうと思っている。委員長の下で適任者を決めて頂き、もちろん、お願いしていくとかロジは事務方も手伝うが、ただできるだけ早くと思っているので、ここから半月も1カ月もかかったりという単位ではない」

 ――初会合もそれぐらいか。

 「できるだけ早く。1週間程度の間には、と期待をしている。これもスタートして委員長が決まったので、こちらが直接的にここでやって下さいというレベルではない」

 【北方領土】

 ――韓国の国会議員が国後島を訪問したことの対応は。

 「サハリンから国後に向かう飛行機に搭乗したという報告まで受けている。こうした行為は、北方領土に関する我が国の基本的立場からは、到底容認できるものではない。大変遺憾である」

 【事故調、経営・財務調査委トップについて】

 ――事故調、経営・財務の両委員長と首相、官房長官は面識あったのか。

 「どちらの委員長も私は面識はない。総理も確認しているわけでないが、こういう方で、ということの報告を上げた時のやりとりから私が判断する限りは、面識はないと思われる」

 【原発への海水注入】

 ――3月12日午後6時の対応だが、政府資料だと首相が「海水を注入しろ」という指示の記載あるが、首相指示を認識している人がいるとしか思えないが。

 「何らかの形で、総理からそういう指示が出たと読み取れるようなメモが作られ、おそらく危機管理センターで配布、回覧されたんだと承知している。そのことの、どういう意味づけでそういうメモになったのかは現時点で判断できていないが、時期の大変色々緊迫していろいろなことが同時に起こっている状況なので、午後6時の会議は大人数ではなかったので、真水がダメだったら海水を入れるということで、東電の側が実際に海水を入れようとすると、1時間単位の時間がかかるということの報告もあったとも聞いているので、そうしたことの中で、入れるにあたってのリスクはないかということの議論、検討がされていたということと、入れられるんだったら早く入れた方がいいということで、指示をしたと受け取られるようなメモが残っていることには矛盾はない」

 ――メモがあったということは、何らかの経路で東電に伝わった可能性は考えられるか。

 「そこのところは午後6時の会合、私自身は直接出ていないが、会合自体に東電の方が入っていたと聞いているので、もし伝えるべきことがあればそこで伝えていただろうと思う。私自身いま確認しているものではない」

 ――メモが作成されたということは、そこにいた東電の方が指示だと受け取った可能性はないか。

 「その会議に出ていないので、その会議についての正確な記憶喚起をした上で、細野首相補佐官が報告している。それ以上のことは承知していない。ただ、中にいた者がメモを作ったのかどうか自体わからない。中での話を報告を受けた者がはしょってというか、省略してメモを作ったという可能性もあるのではないか。私自身は具体的な事情は承知していない」

 ――メモは見たのか。

 「その時点で見た記憶はない」

 【発送電分離】

 ――経営・財務調査委では、発送電分離に踏み込んで調査結果をまとめることはあるのか。

 「ここは厳正な資産評価と徹底した経費の見直しのため、という目的の範囲に入るかどうかということで下河辺先生はじめご判断いただくことだと思うが、一般的にはまさに政策論、制度論なので、売ったらいくらになるかという試算ぐらいは出てくるかもしれないが、売るべきかどうかについては、ここでの判断ではない」

 【北方領土】

 ――韓国の国会議員の北方領土訪問だが、これまでに韓国政府に遺憾の意を伝えたのか。実際に訪問しているようだが、対応策は。

 「まさに残念ながら、国後に向かう飛行機に搭乗したということが確認できているので、北方領土に行かれたものと思われるので、それを受けて、政府の対応についてはいま検討している。ただ、なお、この間、韓国政府はこの件についてまったく関知していないと。つまり、韓国政府として日本の基本的な立場と矛盾したことをおとりになるという立場ではないということについては確認をしている」

 【布川事件】

 ――布川事件の判決の受け止めと取り調べの全面可視化についてどう応えるか。

 「判決については、言い渡されたことについては承知をしているが、個別具体の裁判所の判断なので、官房長官として所感を述べることは控えた方がいいのではないだろうかと思っている」

 ――取り調べの全面可視化は。

 「一般論として、この事件自体が結審などをした上で、そういったことについて検討したり意見を申し上げたりするのが、私の立場かと思う」

 【海水注入】

 ――12日午後6時の対応について、関係者が記憶のすりあわせをしたが、その部分の議事録はあるのか。口裏合わせをしているのではないか。

 「そういったことのないように関係者、一堂に集まった上で、少人数でバイでしたりすると、そういった疑念を持たれたりしてはいけないということを配慮して、記憶の喚起、お互いの記憶状況の確認をしたと聞いている。議事録という言葉はなかなか難しいが、政策決定のプロセスについては行政が絡んでいるので、公文書として作れるならば作らなければならないと思うが、まさにそれぞれの何か意思決定をするとか、行政行為を行う場ではないので、お互いにそれぞれの記録がどうなっているのかを持ち寄ったという場なので、若干、議事録とかをつくるべき会合とは性格が違うのかなと思っている」

 【事故調の公開性】

 ――事故調を公開することで、言いたいことを言えなくなることはないか。

 「その点についても含めて、畑村委員長を中心にこの後、委員の中に司法関係、いまのような視点についての経験、配慮がどの程度必要かという知見についてお持ちのメンバーの方にも入っていただこうということについては、畑村委員長もそういうお考えだと聞いているので、そうした委員会の中で今のようなこともご検討されて、最終的には判断されると思う」

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