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「節電で熱中症」ご注意 専門家、注意呼びかけ

2011年6月9日15時1分

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図:節電の夏の熱中症予防のために拡大節電の夏の熱中症予防のために

 東日本大震災の影響で電力不足が懸念される今年の夏。エアコンの使用を控えたり、設定温度を引き上げたりするなど職場や学校、家庭でも節電が求められるが、心配なのが熱中症だ。暑さに弱い高齢者や持病のある人はもちろんだが、「従来は発症しなかった人もリスクが高まる可能性がある」と専門家は注意を呼びかけている。

 気象庁の6〜8月の予報によると、記録的猛暑だった昨夏ほどではないが、東日本から西の地域は平年より暑くなりそうだという。

 医師やスポーツ生理学研究者、建築士らでつくる日本生気象学会は、ウェブサイト(http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/index.html)でこの夏の熱中症対策の公表を始めた。健康な人は6月中に暑さに強い体をつくることを勧める。やや暑いと感じる環境で、1日30分ほどの汗をかく運動を週3回、1カ月ぐらい続けると効果的だという。

 屋外ではなるべく直射日光を避け、信号待ちの際も建物の陰に入る。速乾性素材の服・うちわや扇風機などを使い、首の後ろや額などを水にぬらした布やアイスバッグ(氷袋)で冷やして体感温度を下げる――などの対策も紹介している。

 温度だけでなく湿度も影響するため、学会幹事の田中英登・横浜国立大教授(環境生理学)は、「屋内では風通しをよくして湿度を下げるように心がけて」とも話している。

 記録的猛暑だった2010年、厚生労働省がまとめた熱中症による死者は、7〜9月で1648人。09年の187人、08年の530人に比べ多さが際だち、暑かった07年の842人のほぼ2倍だ。熱中症で救急搬送された人は昨年7〜9月で5万3843人。09年(1万2971人)の4倍超だった。総務省の分析では、平均気温が上がると搬送者も増える傾向だという。

 日本救急医学会が昨夏、全国の救命救急センターなど94施設から集めた1780人のデータを分析すると、梅雨明けの7月下旬に発症者が集中していた。平均年齢は49.4歳。特に女性の場合は70〜80代が生活のなかで、10代が運動中などでの発症が目立った。

 昭和大学の三宅康史准教授(救急医学)によると、炎天下で作業・運動をした人は当日に体調を崩すが、高齢者は日中の猛暑と熱帯夜を繰り返した3、4日後から弱って、より重症になる。「エアコンを効果的に使うとともに、尿の量が減っていないか、食が細っていないかなど、周囲が『予兆』を見守る必要がある」と話す。

 三宅さんは「外で働いている人は、休息時に一度涼しい環境に逃げ込んで体を冷やすことで体調をリセットできていた。それができないとなると、今まで熱中症にならなかった人が新たになる危険性が増える」と心配する。(熊井洋美)

     ◇

【節電の夏の熱中症予防のために】

            (日本生気象学会の提言から)

(1)夏前から暑さに強い体作りを心がける

(2)こまめに水分と塩分の補給、のどが渇く前に補給を

(3)屋内は軽装、逆に屋外では日傘や帽子で日射対策

(4)首や頭に水でぬらしたスカーフや冷却グッズを

(5)すだれや打ち水で住まいも対策を

(6)信号待ちでは日陰に入るなど外出時も注意

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