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「原発さえなければ…」酪農家の男性自殺か 福島・相馬

2011年6月14日3時1分

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 福島県相馬市で酪農を営む50代の男性が、「原発さえなければ」などと書き置きを残し、首をつった状態で死亡していたことがわかった。捜査関係者や男性と親しかった複数の人によると、自殺の疑いが強いという。

 関係者によると、男性は40頭ほどの牛を飼育していた。3月の原発事故のあと、妻と2人の子どもが妻の母国のフィリピンに避難し、男性も家族のもとに向かったが、その後戻ったという。

 男性が不在の間、周囲の農家が分担して牛の面倒をみていた。その後、男性は牛を手放したという。

 知人の農家によると、男性は今月8日、牧場に草刈りを手伝いに来た。この時、昼食を取りながら「もうやる気がなくなった。子どもが一緒なら頑張れるが、迎えに行く金もない」と話していたという。

 男性の堆肥(たいひ)舎には、壁のベニヤ板にチョークを使った書き置きが残っていた。「原発さえなければと思います。残った酪農家は原発にまけないで頑張って下さい。仕事をする気力をなくしました」などと記され、家族らにわびる言葉が書かれていた。

 隣接する牛舎でも、黒板に「原発で手足ちぎられ酪農家」「やる気力なくした 6/10 pm1:00」などの書き置きがあった。

 関係者によると、男性は10日ごろ亡くなり、11日に発見された。

 男性の知人の一人は取材に「家族も出ていき、牛も手放して気持ちがなえてしまったのか。ひとごとじゃない」と話した。

 相馬市は、東京電力福島第一原発から半径30キロ圏外だが、市域の大半が警戒区域や計画的避難区域、緊急時避難準備区域になっている南相馬市の北に隣接している。

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