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放射能汚泥、処分に苦慮 埼玉の自治体「国は方針を」

2011年6月28日0時34分

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 東京電力福島第一原発事故の影響とみられる放射性物質が、県内の下水処理施設で次々に検出されている。東日本大震災から3カ月半以上が経過し、下水汚泥や焼却灰は山積みされ、たまり続けている。

     ◇

 埼玉県秩父市金室町の市下水道センター。汚泥の焼却灰から1キロ当たり1万ベクレルを超えるセシウムが検出されたため、作業員が着用する防じん服を急きょ購入し、作業衣とマスク、手袋も用意した。

 1日に出る焼却灰は200〜300キログラム。これまでセメントの原材料として受け入れた業者は搬入を拒否している。貯留槽からあふれた焼却灰1.5トンは、特殊な袋に詰めて建屋内で保管している。

 国は8千ベクレル〜10万ベクレルの場合、「住民の年間放射線量を10マイクロシーベルト以下にすれば埋め立て処分できる」という基準を示している。しかし、この基準で処理してくれる業者や埋め立て場所は見つかっていない。

 橋本賢司所長は「国は埋め立て場所を確保するなど、方向性を示してほしい」と訴える。

 下水汚泥から100ベクレル前後のセシウムを検出し、セメント会社から拒否されていた皆野・長瀞町、横瀬町は、検出量が比較的低いこともあり、セメント会社の受け入れが始まっている。

     ◇

 さいたま市浦和区の市下水処理センターでは、下水汚泥を収容していた貯留槽(1700トン)が数日前に満杯になった。現在は緊急措置として、処理前の下水を一時的にためるタンク(1500トン)で保管しているが、2カ月半でいっぱいになる計算だ。

 センターから出る汚泥は1日約5トン。これまではセメント原料として県内外の2業者が引き取っていた。しかし、2社は「自社基準の放射性物質含有量を超えている」として受け入れを拒否。他の業者も受け入れてくれないという。

 センターが今月15日、脱水汚泥の放射性濃度を調べたところ、1キロあたりのセシウム134は314ベクレル、同137は336ベクレル、ヨウ素は不検出。国が埋め立て可能とする範囲内だが、埋め立て場所はない。

 新たに埋め立て場所を造ったとしても、住民の反対が予想される。センターでは今後、汚泥を脱水して袋詰めにし、施設内に保管する方針。担当者は「場所には限りがあり、1カ月持つかどうか」と話している。

     ◇

 県下水道局が管理し、汚泥を焼却灰にする設備のある5カ所の水循環センター(下水処理施設)も、対応に苦慮している。焼却灰を引き取っていたセメント業者が、「品質確保」を理由に受け入れを休止。5月中旬以降、密封できる袋に詰め、各センターの敷地内で保管している。

 県内で1日に出る焼却灰は約44トン(実績ベース)。敷地が広いため、当面は保管に問題はないという。池田秀生局長は「今すぐあふれるような状況ではないが、困っているのは他の自治体と同じ。国の新しい基準を確認し、対策を考えたい」と話している。

 同局は、下水汚泥を固形燃料(バイオマス燃料)化する施設を和光市の新河岸川水循環センター内に建設する方針だが、今回の原発事故による影響も今後検討するという。(奥山郁郎、上田雅文、藤谷浩二)

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