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「生涯被曝100ミリ基準」 食品安全委の事務局案

2011年7月22日1時25分

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図:被曝線量と体への影響拡大被曝線量と体への影響

 放射性物質が人体に与える影響を検討していた食品安全委員会の作業部会で21日、「発がん影響が明らかになるのは、生涯の累積線量で100ミリシーベルト以上」とする事務局案が示された。食品だけでなく、外部環境からの被曝(ひばく)を含む。平時から浴びている自然由来の放射線量は除いた。この案を軸に来週にも最終結論を出し、厚生労働省に答申する。ただ厚労省からは「基準づくりは難航しそうだ」と、戸惑いの声があがっている。

 東京電力福島第一原発事故を受け、厚労省は3月17日に食品衛生法に基づき、放射性物質に汚染された食品の流通を規制する暫定基準を設定。この基準の科学的根拠を得るため、食品からの被曝による健康影響評価を同委に諮問していた。

 同委は当初、食品だけからの被曝レベルを検討。国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の元になった論文を含め、様々な国際的な研究を精査した。だが食品とその他の被曝を分けて論じた論文は少なく、「健康影響を内部と外部の被曝に分けては示せない」と判断。外部被曝も含め、生涯受ける放射線の総量を示す方向を打ち出した。宇宙からの放射線など平時から浴びている自然放射線量(日本で平均、年間約1.5ミリシーベルト)は除く。

 生涯の累積線量を目安に考えるということは、例えば、緊急時に一時的に20ミリシーベルトを浴びたら、残りの生涯で被曝を80ミリシーベルト以下に抑えるのが望ましいとするものだ。

 また、子どもや胎児については成人より影響を受けやすいという研究があり、事務局案では「留意が必要」としている。

 ICRPの考え方では「100ミリシーベルトを浴びると、発がんリスクが0.5%上がる」とされる。

 外部被曝も含めた形で結論を出すことに委員の一人は「本来は原子力安全委員会など他の政府機関でやるべきだが、他がやっていないので仕方ない」と話す。

 緊急時を想定した現行の暫定基準は、食品からの年間被曝量をヨウ素やセシウムなど核種ごとに割り当て、全体で年17ミリシーベルトを超えないように設定されている。

 食品安全委の答申が出れば、厚労省は食品ごとの基準を改めて検討することになる。担当者は「年間被曝量で答申されると想定していた。生涯累積線量だと、若者から高齢者まで年代ごとに摂取量を考えなければならず、作業に時間がかかりそうだ」と話した。

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