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2011年8月28日5時33分
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居住禁止長期化「納得できぬ」 福島、首相に不信感

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 東京電力福島第一原発事故に苦しむ福島県で、菅直人首相が二つの「通告」をした。原発周辺の一部地域では長期間、居住が難しいという見通し。そして、放射能に汚染された廃棄物の中間貯蔵施設を県内に置くこと。退陣直前の首相の口から示された方針に、住民や自治体には不信と困惑が広がった。

 第一原発から約2.5キロ、福島県双葉町細谷地区の山本安夫さん(60)は26日、妻の秀子さん(61)と一時帰宅したばかりだ。田畑や自宅周辺は草が伸び放題だったが、「できるなら戻ってきたい」と改めて思った。その翌日の菅首相の発言。安夫さんは「ひょっとして(また住める)と思っていたのに。希望を打ち砕かれた」と話した。

 双葉町で生まれ育ち、昨年9月に定年退職した。自宅を改築したばかりで、趣味の農業を続けるはずだった。「あすあさって辞める人に『住めない』と言われても、納得できない」

 同県大熊町の小林末子さん(73)の自宅も第一原発から3キロ圏内。9月1日に一時帰宅する予定だ。「帰れないなら3回は行きたい。もうあそこで暮らすのは無理ね」と淡々と話した。気になるのはこれからの生活のこと。どこに住むのか、土地や家は国が買い取ってくれるのか。今は同県郡山市の賃貸住宅で娘と住むが、「誰も知っている人がいなくてさみしい。大熊の人とまた一緒に暮らせるようにしてほしい」。

 同県喜多方市に避難している大熊町の石田博之さん(47)は第一原発から約2.5キロの自宅で父(80)と娘(19)と暮らしていた。「国が責任を持って除染した上で、『それでも放射線量が下がらないので』と言うならまだ分かるが、ただ帰れませんでは納得できない」と憤った。

 廃棄物の中間貯蔵施設の設置については「原発周辺につくるのはやむを得ないと思うが、出来てしまったら確実に帰れなくなるという現実が迫る」と話した。

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