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2011年9月15日5時48分
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除染対象、福島全土の7分の1 専門家が最大値試算

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写真:放射性物質を含んだ土砂などが置かれた仮置き場。青いシートで覆われ、周囲は土嚢(どのう)で囲まれていた=14日午後、福島市大波、小川智撮影拡大放射性物質を含んだ土砂などが置かれた仮置き場。青いシートで覆われ、周囲は土嚢(どのう)で囲まれていた=14日午後、福島市大波、小川智撮影

 東京電力福島第一原発事故に伴い、放射性物質の除染対象になる可能性のある地域は、最大で福島県全体の7分の1に当たる約2千平方キロに及ぶことが専門家の試算で分かった。除染土壌の体積は東京ドーム80杯分に相当する1億立方メートルに上る計算だ。中間貯蔵施設の規模と建設費に影響することから、政府は今後、除染地域の絞り込みや技術開発などによる大幅な減量化を迫られそうだ。

 森口祐一東京大教授(環境システム工学)が試算した。森口教授は、除染の考え方や手順などを盛り込んだ除染基準をまとめるために環境省が14日に初会合を開いた有識者による「環境回復検討会」のメンバー。

 森口教授によると、年間の追加被曝(ひばく)線量を1ミリシーベルト以下に抑える目安として、毎時1マイクロシーベルト以上の分布域を、6月下旬に測定された空間線量のマップから抜き出した。警戒区域と計画的避難区域計1100平方キロを含む約2千平方キロにのぼった。その全体を、セシウムをほぼ除去できるとされる深さ約5センチまではぎ取ると、体積は約1億立方メートルになる。

 原発敷地内で生じた使用済みの作業服や金属類などの最終処分場である低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ケ所村)と同じ構造の中間貯蔵施設を造ると仮定すると、センターの建設費は20万立方メートル分で約1600億円なので、この試算をそのままあてはめれば建設費は500倍の約80兆円になる。

 ただ、試算では土地の用途は考慮していない。対象面積の約6〜7割を占める森林で人家から遠い山間部や、市街地の舗装路などを除けば、数千万立方メートル程度に抑えることも可能とみられる。森口教授は「実際にすべてを除去することはないだろうが、除染の大変さと、そのしわ寄せをだれが負担するのかを考える参考にしてほしい」と話す。試算結果は環境省の職員も参加した勉強会で報告されたという。

 環境省などは土壌の量を減らすため、除染対象を人家に近い地域や農地などを中心に絞り込んだり、はぎ取る深さを工夫したり、放射性物質を土壌から分離する技術開発などを急ぐことにしている。

 環境省はこうした数字も念頭に、除染する範囲とそれによって生じる土壌の量などの試算値を検討会に示し、議論のたたき台とする方針。8月に成立した特別措置法の施行に合わせて、来年1月から除染を本格的に始めるため、11月中には除染基準の原案を固める。(森治文)

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