現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事
2011年10月19日21時0分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

地下水5万トン、福島第一建屋内に流入 6月下旬以降

関連トピックス

図:原発建屋地下への地下水の流入量拡大原発建屋地下への地下水の流入量

図:循環注水冷却のイメージ拡大循環注水冷却のイメージ

 原発事故の復旧を目指す東京電力福島第一原発の原子炉建屋やタービン建屋内に、この4カ月間で計約5万トンの地下水が流れ込み、放射能汚染水が4割増えたことが分かった。流入はいまも続き、浄化後の汚染水が増え続けて保管場所が不足する恐れがあるほか、水処理施設の不具合と大雨が重なれば、建屋から汚染水があふれる可能性もある。

 東京電力の公表データをもとに朝日新聞が試算したところ、水処理施設が本格稼働した6月下旬以降、1〜4号機の建屋地下には1日あたり約450トンの地下水が流れ込み続けている。建屋の壁などに損傷部があるためとみられる。

 流入量は降雨と連動しており、台風による大雨後の9月下旬には倍増、1週間で約7700トンの地下水が流れ込んでいた。

 流入した地下水は建屋地下の汚染水と混じり、高濃度放射能汚染水として水処理施設に送られる。放射能濃度を下げ、塩分を除去した水は、原子炉の注水に使われる。

 この「循環注水冷却」が始まった6月下旬、原発敷地内には、高濃度放射能汚染水と処理後の汚染水が計約12万7千トンあったが、地下水が流入した結果、10月18日現在、4割増えて約17万5千トンに。すべて、外部に放出できない水だ。

 淡水化処理に伴って出る塩分の濃い濃縮廃液は専用のタンクにためられるが、増え続ければタンクを増やす必要がある。現在、毎月2万トン分のタンクを増設しており、タンク置き場を確保するため、東電は原発敷地内の森を伐採している。水を蒸発させることで量を減らす装置があるが、現在は稼働していない。

 原子炉冷却に使った高濃度汚染水がたまるタービン建屋の水位は現在、あふれる恐れがある高さの約1メートル下にあり、大雨が降ってすぐにあふれ出るレベルではないが、水処理装置の不具合が重なれば、循環が滞って水位が一気に上昇する恐れがある。

 水処理施設の能力は1日1400トン。東電は、施設が順調に稼働しており、循環注水冷却が安定していることを強調するが、処理すべき水が増えている現状が続けば、施設に過分な負荷がかかり、不具合につながりかねない。

 地下水流入を完全に止めるのは難しく、東電は対策工事を計画していない。汚染水がたまり続けることに対して、東電の原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「建屋の地下部分を使わずに水を循環させる、よりコンパクトな水処理にしないと、流入する地下水の処理が必要な状況からぬけられない」としているが、根本解決のめどは立っていない。(今直也)

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧