来春の花粉症シーズンに備え、林野庁は31日、スギの葉から花粉に放射性セシウムが移る割合の調査を11月下旬から始めると発表した。広い範囲に飛ぶ花粉で何らかの体への影響があるのかという問い合わせが相次いで寄せられたため、実態をつかむことにした。
スギの葉から花粉にどのくらいセシウムが移行するかの研究は、海外も含めてこれまでにないという。
調査する場所は、東京電力福島第一原発から近い阿武隈山地の杉林など福島県内の約100カ所。関東地方でも調査する予定で、場所を選定中という。花粉ができる時期から始め、来年1月まで調べる。12月に中間結果を公表する。
文部科学省の調査では、福島県川俣町の計画的避難区域内のスギの葉で最高1キロあたり17万7600ベクレルを測定したとのデータがある。花粉も同じ濃度と仮定して林野庁が試算したところ、関東地方で過去8年間に最も高かった月別の花粉飛散濃度を当てはめても、大人が吸入する放射線量は1時間あたり0.000132マイクロシーベルトと極めて低かったという。
林野庁の担当者は「放射線医学の専門家からは『一般的に考えて心配ない』と言われているが、調査で安全性を確認したい」と話している。