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2011年11月4日11時19分
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宮城県議選が告示 候補者、戸惑いの第一声

写真:仮設住宅前で有権者に支持を訴える候補者=4日午前、岩手県一関市、小宮路勝撮影(写真の一部を修整しています)拡大仮設住宅前で有権者に支持を訴える候補者=4日午前、岩手県一関市、小宮路勝撮影(写真の一部を修整しています)

 東日本大震災で延期されていた宮城県議選(定数59)が4日告示され、90人が立候補を届け出た。被災地では住民が仮設住宅に散り、今も葬儀が続く。震災復興策を掲げる候補者たちは、戸惑いながら第一声をあげた。

 気仙沼市の被災者151人が暮らす岩手県一関市の仮設住宅。「岩手で暮らす皆さんが一番苦労している。安全で安心に暮らせる場所の確保に全力で取り組む」。気仙沼・本吉選挙区の現職(65)は約20人の聴衆に訴えた。

 自身も津波で自宅と事務所を流され、支持者の名簿も失った。選挙事務所には、知人に支持を呼びかけてもらおうと「街頭などで出会ったら声かけをお願いします」との紙を張り出した。

 仮設住宅を10月に回ると「消火栓設置を市に指示して下さい」「集会所を作って」と要望が殺到。政策を訴える雰囲気ではなかった。DNA鑑定による遺体の身元確認が続き、複数の葬儀が重なる日がある。「被災者にとって選挙どころではない」

 石巻・牡鹿選挙区の現職(49)は、石巻市での出陣式に防災服で臨んだ。「子どもたちにとって安全・安心の教育施設を整備していきたい。私たちが生まれ育った石巻地方を取り戻していきたい」

 支持地盤は、児童74人が死亡・行方不明となった大川小学校周辺など北上川流域。「後援会の中心になる支部長クラスも4分の1が亡くなった」。支持者たちは仮設住宅や民間賃貸住宅、親族宅に散り、把握できない。選挙用のはがき8千枚をどう届けるかも悩む。亡くなっている場合、遺族の心情を害さないかが心配だ。

 名取選挙区の新顔(66)は、事務所前で「震災で事務所は壊れ、もう選挙はできないと覚悟したが、被災地を代表する人間が県議会にいかなければならない。県営、市営住宅の建設を進めたい」と訴えた。

 告示直前まで事務所は閑散としていた。支持者の大半は農家。塩害で農地は使えず農機具も流され、震災がれき処理のアルバイトに忙しい。「支持者は収入がないので8500円の日当を稼ぎに行っている。選挙運動をお願いできない」

 各地域の後援会にチラシの配布を3回に分けてお願いしたところ、「無理」と言われ2回になった。市議での選挙経験もあるが、「こんなこと初めて」と漏らす。(高橋昌宏、中村靖三郎)

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