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2011年11月29日17時7分
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姫花ちゃんの夢、ハンカチになった 震災死10歳の作品

写真:鈴木姫花さんの絵を基にできあがったハンカチ=27日午後2時23分、東京都港区の東京ミッドタウン拡大鈴木姫花さんの絵を基にできあがったハンカチ=27日午後2時23分、東京都港区の東京ミッドタウン

写真:鈴木姫花さん拡大鈴木姫花さん

写真:展示されたハンカチを前にする鈴木貴さん(右)と竹内明二さん=27日午後2時、東京都港区の東京ミッドタウン拡大展示されたハンカチを前にする鈴木貴さん(右)と竹内明二さん=27日午後2時、東京都港区の東京ミッドタウン

 デザイナーになる夢を持ち、東日本大震災で亡くなった福島県の少女の絵が、ハンカチになった。実物を目にした父親は、「震災後、初めての明るい出来事です」と笑みを見せた。

 福島県いわき市立豊間小4年だった鈴木姫花(ひめか)さん(10)は幼いころから絵を描くのが好きで、絵画コンクールでたびたび入賞した。「十年後の自分へ」という作文に「デザイナーになっているか、デザイナーになるため勉強しているのかも」と夢をつづってまもなく、震災で亡くなった。

 京都市のデザイン事務所代表、竹内明二さん(63)が、姫花さんの夢と遺族の思いを書いた朝日新聞の連載記事「鎮魂を歩く」を読み、夢をかなえてあげたいと遺族に申し出た。所属する業界団体・日本グラフィックデザイナー協会の復興支援プロジェクト「やさしいハンカチ展」の一環として、姫花さんの絵をあしらったハンカチを制作した。

 絵は、2009年の絵画コンテストで全国約1500点の中から入選40点に選ばれたもので、自宅近くの塩屋埼灯台が描かれている。太陽と青い海、黄色に染まる空、緑の大地が鮮やかに描写された中に、灯台がどっしりと立つ。

 姫花さんの父、貴さん(35)は27日、東京都港区のハンカチ展会場を訪れ、竹内さんと初めて会った。

 会場には586枚が飾られ、全国のデザイナーの手による作品のなかに、姫花さんのハンカチもある。

 竹内さんは「色の取り合わせがすごい。見る人を幸せにし、癒やす絵。プロの作品にひけを取らない」とたたえた。東京への列車のなかで泣き通しだったという貴さんは、しゃがんでじっとハンカチに見入った。「塩屋埼灯台をこの角度から見られる場所って現実にはないんです。それこそ、天国から見た絵なんじゃないかって」

 「やさしいハンカチ展」は12月25日まで東京都港区の東京ミッドタウンで開かれている。1枚1500円で販売していて、売れたものと同じ絵柄のハンカチが仙台市教委などを通じて被災地の子どもに贈られる。同協会のホームページ(http://www.jagda.org/)からも購入できる。問い合わせは同協会(03・5770・7509)。(松川敦志)

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