現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事
2011年12月23日2時18分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

一般食品の放射能、100ベクレル 新基準案を了承

 食品に含まれる放射性物質の新たな基準案が22日、厚生労働省の審議会で了承された。「一般食品」は1キロ当たり100ベクレル、「乳児用食品」と「牛乳」は50ベクレル、「飲料水」は10ベクレル。新基準は原則、来年4月1日から適用される予定だ。

 今後、文部科学省の放射線審議会へ諮問するほか、国民から意見を聞いたうえで正式に決める。

 厚労省は、食品による放射性セシウムの許容被曝(ひばく)線量を、暫定基準の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに厳しくした。

 新基準案の設定では、まず、すべての人が摂取し、代替が難しい「飲料水」について、世界保健機関(WHO)の水道水の基準に合わせて10ベクレルとした。6〜8月に福島県内の河川水や井戸水のセシウムを調べたところ1ベクレル以下だったため、可能と判断した。

 10ベクレルの水を1日2リットル、1年間飲み続けると、被曝線量は0.1ミリシーベルトになる。許容される線量の1ミリシーベルトから飲料水による0.1ミリシーベルトを除いた0.9ミリシーベルトを一般食品に割り振った。

 流通する食品の50%が汚染されていると仮定して、「1歳未満」から「19歳以上」まで5区分の年代のほか、男女別ごとに平均的な食品の摂取量や放射性物質による影響度を考え、それぞれ許容される値を計算。影響度は大きいが、食べる量が少ない「1歳未満」は460ベクレルまでは許容される一方で、食べ盛りの「13〜18歳」の男性が最も厳しい120ベクレルになった。全体の基準値では、より安全を見込んで100ベクレルにした。

 子どもが多く飲む「牛乳」「乳児用食品」は、安全により配慮して50ベクレルにした。乳児用食品は、粉ミルクやベビーフードなどが対象。乾燥キノコや茶は飲食する状態で、一般食品や飲料水の基準を適用する。

 厚労省が10〜11月に公表した都道府県の食品検査結果では、100ベクレルを超えたのは福島県で約9%、福島県以外は約5%だった。このため、厚労省は新基準を適用しても、食品の供給、流通に大きな支障は出ないとみている。

 新基準案は国際的にみても厳しい値になっている。一般食品の基準は、食品の国際規格を決めるコーデックス委員会は1千ベクレル、欧州連合(EU)は1250ベクレル。流通食品の汚染率の違いを考慮して、日本と同じ条件で計算し直しても、コーデックス委は200ベクレル、EUは250ベクレルとなり、新基準案のほうが厳しい。

 チェルノブイリ事故にあったベラルーシの許容被曝線量が、新基準と同じ1ミリシーベルトになったのは、発生から6年後の1992年。その際の基準値は飲料水が18.5ベクレル、肉類は600ベクレル、野菜が185ベクレルだった。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧