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2012年2月8日20時58分
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ゆがんだシャッター・浸水の跡…福島第二原発を初公開

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写真:東京電力福島第二原発4号機原子炉格納容器内の底部を視察する福島県などの調査団。頭上には原子炉圧力容器の底に通じる制御棒の装置や中性子の計測機器が見える。福島第一原発では溶けた燃料がここから落ちたとみられている=8日午後、福島県富岡町、代表撮影拡大東京電力福島第二原発4号機原子炉格納容器内の底部を視察する福島県などの調査団。頭上には原子炉圧力容器の底に通じる制御棒の装置や中性子の計測機器が見える。福島第一原発では溶けた燃料がここから落ちたとみられている=8日午後、福島県富岡町、代表撮影

 東日本大震災で被災した東京電力福島第二原子力発電所(福島県楢葉町、富岡町)が8日、震災後初めて報道陣に公開された。炉心溶融や爆発は避けられたものの、冷却設備が津波で損傷、国内の原発で過去になかった「レベル3」の深刻な事態に陥った。現場では冷却を安定化する復旧作業が進んでいるが、いまも事故のつめ跡が残る。

 福島県と地元2町の立ち入り調査に合わせ、1号機や4号機の原子炉建屋内、海岸付近の施設などが公開された。県はこの日、改めて全基廃炉を東電に求めた。

 福島第二原発は地震時、4基とも運転中だった。原子炉は自動停止したが、津波でポンプなどの設備が損傷、3号機を除いて冷却機能が失われた。外部電源も地震で一部失われ、非常用ディーゼル発電機も多くが冠水。4基とも冷温停止になるのに4日近くかかった。

 原子炉建屋の壁には浸水の跡がかすかに残り、海岸沿いにはゆがんだシャッターや取水設備も見えた。建物の内外に仮設の電源ケーブルが敷かれ、土嚢(どのう)の防潮堤が新設されていた。

 襲った津波は海岸で9メートル(想定5.2メートル)。ポンプの入った海水熱交換器建屋がある4メートルの地盤は水没、原子炉建屋などがある高さ12メートルの地盤にも駆け上がり、地下に流れ込んだ。1号機地下の電源設備は交換のため機器が外され、土台があらわになっていた。

 第一原発と明暗を分けたのは津波被害の差に加え、一部の電源が生き残り、注水や復旧作業が進めやすかったためという。増田尚宏所長はこの日の会見で第一原発事故と「紙一重だったところはあると思う」と述べた。廃炉や再稼働については「冷温停止の維持が大事」と明言を避けた。

 第二原発は第一原発の南約10キロの警戒区域内にある。1、2、4号機は経済産業省原子力安全・保安院が国際原子力事象評価尺度のレベル3(重大な異常事象)と評価。第一原発の7、JCO臨界事故(1999年)の4に次ぐ深刻さだった。安全対策が進んだことを受け政府は昨年12月、第二原発の緊急事態宣言を解除した。公開が今になったことについて東電は「建屋内に入る安全上の理由」としている。(佐々木英輔)

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