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2012年2月15日3時3分
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休眠預金、復興に活用案 年800億円の一部、政府検討

 政府は、銀行などで10年以上お金の出し入れがない「休眠口座」の預金を、東日本大震災の被災地企業の支援策などに使う検討に入った。休眠預金は毎年800億〜900億円発生しており、その一部を有効活用するのがねらい。だが、銀行業界は「もともとは顧客のお金。国が使うのはおかしい」と反発している。

 金融機関は、最後にお金を出し入れした日や、定期預金の最後の満期日から10年以上放置された預金のうち、預金者と連絡が取れないものなどを「休眠口座」に分類している。

 金額は公表していないが、政府の内部資料によると、2007〜09年度には毎年、銀行は730億〜770億円、信用金庫・信用組合・労働金庫は計100億円強の休眠預金が発生している。農協やゆうちょ銀行も含めると、さらに増える。

 この金額は、12年度の政府予算案に盛り込まれた中小企業の資金繰り対策(882億円)に匹敵する大きさだ。「眠らせておかず、社会に還元するべきだ」(政府関係者)として、野田政権は15日開く関係閣僚による「成長ファイナンス推進会議」で、休眠預金の活用の議論を始める。

 第三者機関がつくる基金などに休眠預金を繰り入れる案が有力で、被災企業や資金不足のベンチャー企業、NPOに回すことを想定している。

 商法上、銀行の預金は最後の取引から5年、信用金庫などの預金は民法上10年たつと、預金者の権利が失われる。ただ、金融機関は休眠預金でも預金者の求めがあれば、払い戻しに応じている。払戻額は年350億円前後で、800億〜900億円からこの分を差し引いた450億〜550億円が金融機関の収入になっている。

 政府も、休眠預金の活用について「預金者などの理解と同意」を前提としている。金融機関の口座から第三者機関にお金を移したうえで、預金者の払い戻しの請求にはいつでも応じ、残ったお金を活用する考え。

 だが、第三者機関が口座を管理するにしても、払い戻しに備える必要があるなど、毎年相当な管理費用がかかる。今は銀行がこうした費用を負担している。銀行業界には「国が自由に使えるお金がどれだけでるのか疑問」との声が強い。運用手法など課題も多く残されている。(伊藤裕香子、大日向寛文)

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